ここまで進化した…!「着られるロボット」の果てしない可能性 | FRIDAYデジタル

ここまで進化した…!「着られるロボット」の果てしない可能性

まるで『エヴァンゲリオン』のEVA初号機 高さ3m、重さ40kg、「軽量化」と「巨大化」に成功 東京・八王子にある社員2人のロボット製作会社が開発

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装着時間は1分ほど。腰と足をベルトで固定し、肩に乗せる2本のバーで上半身のパーツの重さを支える
装着時間は1分ほど。腰と足をベルトで固定し、肩に乗せる2本のバーで上半身のパーツの重さを支える

まるでEVA初号機のような下写真のロボットは、最新の身体拡張スーツ『スケルトニクス』だ。高さ約3m、重さ40㎏で、手元のバーを握り、腕を動かすと、ロボットに動きが伝わり、巨人になったかのような身体感覚を得ることができる。「スケルトニクス」とは、骨格を表す「スケルトン」と、構造を意味する「メカニクス」を組み合わせた造語で、開発者の阿嘉倫大(あかともひろ)氏(33)らによって命名された。

このロボットは、東京都八王子市にある社員2人の株式会社ロボットライドで作られている。阿嘉氏は、その大きな可能性について語る。

「従来の着用型ロボットは、空気圧や電力などを使って筋力を補強するものでしたが、スケルトニクスは、電気を使わず、人間の持っている力だけで動かすロボットです。骨組みやそこに通っているワイヤーを通じ、人間の力がそのまま伝わるので、身体感覚そのままに操作することができます。人と機械が一体化した際の使用感を考え、人体の骨格を参考に構造を設計してあるんです。操作には慣れが必要ですが、個人の鍛錬次第で可能性が広がる面白さがあるんですよ」

これだけ高度なロボットだが、元々は高専時代の阿嘉氏たちの思い出作りがきっかけで生まれたのだという。

「沖縄高専に通っていた時、’08年の『高専ロボコン』で優勝したんですが、その時のテーマが『歩行』でした。大会後に、その時の経験から、ロボットと人を融合させたら面白いよねってみんなで話していて。最終学年の5年生の時、思い出作りにロボコン仲間とスケルトニクスの初号機を作ったのがはじまりです。
その後、ネットメディアを中心に話題となり、卒業後も製作や運用を続けることになりました。最初は場所がなくて、僕のアパートの一室にスケルトニクスがドカーンと置いてあったんです(笑)」

現在は新モデル開発の真っ最中。軽量化と装着しやすさが課題だという。

「とにかく着用したまま立っているだけで難しい。高さ60㎝ほどの細い足場に乗って、30㎏の上半身を両肩で支えます。色んな用途に展開するためにも、軽量化や足場部分の改良が急務です。今はダンスなどのエンターテインメント分野での活動が主ですが、将来的には災害現場での活用や、VRゲームを操作する際の新たなコントローラー、ロボットを装着した状態で行うエクストリームスポーツの装置としても活用できると思います」

当面の目標は4年後の大阪万博で50体のスケルトニクスによるパレードを披露すること。無限の可能性を秘めた最先端ロボットから目が離せない。

会社内の工房。今までに開発したうち5つの機体や企業のオーダーで製作中のロボットなどが並んでいる
会社内の工房。今までに開発したうち5つの機体や企業のオーダーで製作中のロボットなどが並んでいる
開発者の阿嘉氏(右)と事業責任者でマネジメントを行う宮本大輔氏。二人は創業当初から8年の仲だという
開発者の阿嘉氏(右)と事業責任者でマネジメントを行う宮本大輔氏。二人は創業当初から8年の仲だという

『FRIDAY』2021年10月22・29日号より

  • 撮影濱崎慎治

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