ドラマ『大恋愛』映画『マイ・ダディ』…ムロツヨシに宿る“狂気” | FRIDAYデジタル

ドラマ『大恋愛』映画『マイ・ダディ』…ムロツヨシに宿る“狂気”

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映画『マイ・ダディ』で初主演を飾ったムロツヨシ。コミカルなイメージが強いため、意外な役どころに驚きの声も上がっている

現在公開中の映画『マイ・ダディ』で映画初主演を飾った俳優・ムロツヨシ。

役者人生25周年で勝ち取った主演映画が、なぜコメディではなかったのか。驚きの声も上がっている。

「ムロが演じる御堂一男は、8年前に最愛の妻を亡くすも中学生の娘・ひかり(中田乃愛)を男手一つで育てている牧師。ガソリンスタンドのアルバイトをしながら、慎ましくも幸せな毎日を送っていました。ところが最愛の娘が病に侵され、さらに信じられない真実を突きつけられ、運命に翻弄されながらも救おうと奮闘する、お人好しで誠実な父親をムロは熱演しています。

ムロはこの台本に出会って2時間後に『この世界にいたい。この人(一男)になりたい』と出演を即決。脚本が改訂される度に感想を求められ、娘・ひかり役のオーディションにも参加するなど映画の製作にも深く関わって来ました。それだけに完成作品をいまだに冷静に観ることができないと話しています」(ワイドショー関係者)

ムロがこれだけ『マイ・ダディ』に入れ込むのには、理由がある。

「ムロは4歳の時に両親が離婚。ところが、親権を持つ父親が別の女性のところに行ってしまい、親戚の家に預けられ育ちました。

ムロが演じる一男も、実は両親に育てられていません。2人は同じ思いを胸に生きてきたんです」(前出・ワイドショー関係者)

ムロには、生きる上で譲れない矜持がある。今年9月に出演した番組『日曜日の初耳学』(TBS系)の中で

「両親がいないからっていうのを理由にして、性格が歪んだってことは許されない」

「大っ嫌いなんですよ。映画で殺人者とか変なことする奴の親が離婚して片親とか」

だからなのか、

「両親いませんけど、こんなに笑ってますよって、これからもアピールしていく」

と使命感にも似た思いを打ち明けている。

役者人生25年。ムロツヨシのこれまでの道のりは険しく、苦労話にも事欠かない。

ドラマ『勇者ヨシヒコ』(テレビ東京系)シリーズでやっとブレイクのきっかけを掴んだのは、‘11年、35歳の時。その後、映画『HK 変態仮面』シリーズ、映画『銀魂』シリーズ、『今日から俺は!!劇場版』『新解釈・三国志』と今やヒットメーカーとなった福田雄一作品には欠かせない存在となり、朝ドラ『ごちそうさん』、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(ともにNHK)でも独特の演技で異彩を放ってきた。

「ムロを主演に起用した理由について、今作の村山公一プロデューサーは『ベースは深刻なお話だけど、深刻になり過ぎないようにしたかった。かといって本当に白血病に苦しんでいる方が世の中にたくさんいらっしゃるので、シリアスとコメディの両方ができる俳優さんじゃないといけない。そう考えるとムロさん以外、考えつかなかった』と話せば、金井純一監督も『僕の中でムロさんはコミカルなイメージが強かったんですが、絶対まだ見せていない顔があるはず。その見せていない表情を撮りたいと強く思った』と話しています」(制作会社プロデューサー)

俳優・ムロツヨシの狂気の宿るシーンが、映画の後半に訪れる。

「白血病のドナーが見つからず、娘のひかりは病院を抜け出して夜の街を彷徨っていると二人組の男に声をかけられる。そんなひかりを体を張って守り抱きしめる一男。その場面で見せる強い愛情とどこか狂気じみたムロの表情は、今まで見たことがなくゾクッとさせられました」(前出・制作会社プロデューサー)

ムロにはまだ私たちには、見せていない顔がある。そう言ってはばからないというのが、‘18年に金曜ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)を手掛けた宮崎真佐子プロデューサーだという。

「このドラマは、若年性アルツハイマーを患う医師・北澤尚(戸田恵梨香)と、彼女を支える元小説家・間宮真司(ムロ)の10年にわたる愛の奇跡を描いた王道のラブストーリー。‘13年に放送されたドラマ『空飛ぶ広報室』(TBS系)でADだった宮崎は、コミカルな役柄を演じるムロが時折見せる”切ない表情”がとても印象的で、いつかコメディではないドラマで仕事をしたいと考えていました。

ドラマ『大恋愛』は、ともすれば病気というモチーフから暗くなりがち。そこでムロの”どこか達観した明るさ”に委ねたいと考え、起用したと話していました。始まった当初は、ムロのキスシーンに違和感を覚える視聴者もいましたが、回を重ねるごとに『ムロがイケメンにみえてきた』『キュンキュンする』と言った声がネットにも殺到しています」(番組関係者)

長かった暗黒時代を耐え忍び、役者人生25年でやっと掴んだ主役の座。『マイ・ダディ』の中で牧師・一男は、何度となく「神様は乗り越えられない試練は与えない」という教えを糧に苦難を乗り越えていく。その姿にムロツヨシの人生を重ね合わせて涙腺崩壊したのは、私だけだろうか。

ムロは「(僕は)まだ、自身の6分1くらいしか知られていない」と公言してはばからない。次にムロの”パンドラの箱”を開けるのは、誰なのか。次回の主演作が、今から待ち遠しい。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

  • PHOTO島颯太

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