注目の18歳・井手上漠が見つけた「ラジオだけの魅力」
幼いころからYouTubeやツイッターが当たり前だった18歳が感じる”新鮮な発見”とは
自身のツイッターに「性別ないです。」と記載し、タレントやモデルとしてジェンダーレスに活躍する注目の18歳・井手上漠(いでがみ・ばく)。
この春に地元・隠岐の島の高校を卒業し上京してわずか半年の井手上に、なんとラジオの冠番組が決定した。
文化放送にて10月19日から毎週火曜深夜に放送される『井手上漠 ベルガモットナイト』。
井手上の好きなベルガモットの匂いにかけて、”爽やかでリラックス出来る”をコンセプトにした新番組だ。
初回の収録を終えた直後の井手上に”初地上波冠ラジオ”の感想を聞いた。
「緊張は、まったくしませんでした(笑)。
もともと、緊張しないほうではあるんですが、ラジオの場合は届けるのが”声”だけということもあって、だからこそ難しいんですが構えずに自然体でいられた気がします。
普段インスタライブなんかをする時は気軽な気持ちでやってはいるんですが、やっぱり”映像と声”で伝えるものと、”声だけ”で伝えるものって、けっこう違うなって。
それに私、ラジオのお仕事をさせてもらうようになって、初めて自分の声に対するコンプレックスが軽減されて好きになれたんです。
以前、別のラジオ番組に出演した時、私の声を聞くと落ち着くとか、すごく好きだとか言ってもらえたりしてとても励みになりました。
声を使ったお仕事を、こうやって貴重な放送枠でさせてもらえるのは嬉しいですよね」
井手上は2003年生まれ。
チューニングを合わせてラジオを聴く、なんてことは仕事でラジオに接するまで一度もなかったという。
幼いころから、スマホで好きなメイクについてYouTubeの動画で学んだり、自身のセクシャリティについての理解を深めるため、SNSで情報収集を行ってきた。
”デジタルネイティブ”のさらにもう一世代若い、”SNSネイティブ”世代である。
そんな井手上だからこそ、ラジオならではの良さを新鮮に感じられたようだ。
「普段、インスタやツイッターをやっていて感じるのは、日本語ってすごく難しいということ。
『なになに”を”』とするか、『なになに”が”』とするだけで、意味が変わって伝わったりする。やっぱり文字だけだとどうしても感情が読み解く側の私見となり誤解を招くことがあるなって。
でもラジオだったら、声の高さや強弱で私の伝えたいことを、より丁寧に伝えられる気がしています。
同じ質問に対してでも、文字だけだったらスパッと短く答えるところを、ラジオなら話す長さも変わってくるでしょうね。
あとは今回番組収録をしてみて面白かったのが、質問やお悩み募集のコーナーです。
これまで私が質問を受ける時には、ジェンダーに関する内容が多かった。
もちろんそれはある意味当たり前だと思うし、興味をもって聞いてもらえるのは嬉しいことです。
けど今回の番組の場合、そういうくくりがないし、募集する時の年齢層ですら特に絞られていないんです。
これはやっぱりラジオがそれだけ普段私が接している方たちとは違う人たちに届くからということなんでしょうね。
だからどんな質問や相談が来るのか本当に楽しみで。
ものすごく年上の方だったり、逆に自分よりも全然年下だったり、ラジオを通じた新たな出会いがあるといいですね」
柔らかな口調でまっすぐな思いを語る18歳の声に、耳を傾けてみよう。
profiile
井手上 漠 (いでがみばく)
2003年1月20日生まれ。
島根県隠岐郡海士町出身。
15歳でジュノン・スーパーボーイ・コンテスト〝DDセルフプロデュース賞〟を受賞。
以来、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)やサカナクション『モス』のMVに出演するなど、多方面で活躍。
現在はファッション誌や美容誌などを中心にモデルとして活動する。
21年4月に初のフォトエッセイ『normal?』(講談社)を発売。
現在はNTV『超無敵クラス』にレギュラー出演している。
『井手上漠 ベルガモットナイト』
文化放送ほか系列各局にて、毎週火曜23時30分〜23時45分ごろに放送。
※生ワイド番組『レコメン!』(月曜から木曜 22時00分〜25時00分)内で放送される。
- 写真:小池大介