被害者が告白…!スルガ銀行に大型「不正融資騒動」が再び勃発中 | FRIDAYデジタル

被害者が告白…!スルガ銀行に大型「不正融資騒動」が再び勃発中

約300人が被害者団体を結成、銀行側との損害賠償交渉がスタート 被害額は約800億円とも…… 「かぼちゃの馬車」事件だけじゃなかった

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

デタラメな物件情報

スルガ銀行による巨額の「不正融資騒動」が、再び勃発している。

9月27日、スルガ銀行東京支店前で行われたデモ。通勤中の行員はデモ隊の前をうつむきながら歩いていた
9月27日、スルガ銀行東京支店前で行われたデモ。通勤中の行員はデモ隊の前をうつむきながら歩いていた

書類偽装による大規模不正融資が発覚し金融界を震撼させた、シェアハウス用投資物件「かぼちゃの馬車」事件から約3年。今年3月までに、融資の一部に瑕疵(かし)を認めたスルガ銀行とシェアハウスオーナー542名の間で和解が成立し、オーナーらが背負った約882億円の借金が帳消しとなった。これにより、スルガ銀行も経営再建に向かうかと思われた。

ところが、今年5月に新たな被害者団体「スルガ銀行不正融資被害者同盟」が立ち上がったのだ。同団体に参加する被害者は300人を超え、弁護団も約50人に上る。彼らは投資用のアパートやマンションを購入した際に、「スルガ銀行の書類の改ざんにより本来の物件価値以上の高額の融資を受けた結果、返済が困難に陥った」と主張。805億8417万円の賠償請求を求めている。

今年9月19日には、「被害者同盟」による集会が開かれ、約150人の参加者が各々の被害状況を訴えるとともに、弁護団と今後の指針を擦り合わせた。同27日にはスルガ銀行東京支店の前で横断幕を掲げるデモも実施された。

被害者同盟の会長はこう訴える。

「投資は自己責任と言われることがありますが、スルガ銀行の場合はケースが異なります。家賃収入や入室状況など、いわゆる『レントロール』と呼ばれる物件情報がデタラメばかりだった。つまり、スルガ銀行はダメ物件を信頼性がある物件に見せかけて仲介業者のセミナー等で販売し融資をしたのです。

しかも、金利は4.5%という超高金利。想定していた利回りを得ることは不可能で、多額の赤字が発生した。同様の被害を訴える方は全国におり、被害者同盟には立ち上げからすぐに続々とメンバーが集まりました」

老後の資金がすべて消えた

「被害者同盟」が主張する「偽装」とは、具体的にどういったものなのか。

メガバンクに勤めるAさん(仮名・50代)は、’17年に1億2000万円の融資を受け、宇都宮市にマンションを一棟購入。スルガ銀行からは、「満室で101万円の家賃収入を得られる」との説明を受けていたが、実際は空室だらけで収入はわずか45万円のみだった。購入後、不審に思ったAさんが弁護士を通して開示請求をすると、多くの改ざんが明らかになったという。

「融資前に見せられていた賃貸契約書の家賃が、1室あたり2万円上乗せされていたんです。重要事項説明書、売買契約書にも、やり取りしてない業者の名前の記載があるなどの偽装がありました。家賃収入が45万円なのにローンの返済は月々60万円……。購入以来、ずっと苦しみ続けています」

スルガ銀行が行っていたのは物件情報の偽装だけではないという。銀行内でのローン審査をスムーズに行うため、購入者の預金通帳なども改ざんしていたと、被害者は主張する。’16年に松戸市に2棟のマンションを購入した、大手保険会社に勤めるBさん(仮名・50代)が語る。

「私は実際の自己資金よりも、7000万円も上乗せされていました。資金に見合っていない物件を購入させられた結果、今は年間500万円近い赤字です。返済のあてもなく、老後の資金はすべて消えた。銀行が不正に手を染めるわけがない、という固定観念があった」

被害者同盟が主張する不正融資疑惑についてスルガ銀行に質問書を送ると、次のように回答した。

「同団体の主張に対する当社の見解や対応については、同団体との協議の中で主張してまいりますので回答は差し控えさせていただきます。当社としては同団体に限らず、個別案件ごとの見解や当社の主張に関しては、協議の中で行ってまいりますが、お客さまの返済相談には引き続き真摯(しんし)に対応してまいります」

「被害者同盟」はすでにスルガ銀行との交渉を始めている。「かぼちゃの馬車」事件において被害者らの相談を取り扱っていた一般社団法人『ReBORNs』代表の冨谷皐介氏が、今後の展開を語る。

「物件情報の偽装は、購入の判断を鈍らせる不法行為以外の何物でもない。しかし、スルガ銀行は『被害者同盟』の訴えに対し、『不法行為にあたらず、債務の帳消しは認められない』と主張しています。今回のアパート・マンション投資における債権は約6000億円とも言われ、『かぼちゃの馬車』事件と同じようにこれが帳消しになればスルガ銀行は体力が持たないのでしょう。交渉は長期化の様相を呈しています」

結論が出るのはいつになるのか。

9月19日に開かれた「被害者同盟」の集会。約150人が参加、今後の交渉について話し合った
9月19日に開かれた「被害者同盟」の集会。約150人が参加、今後の交渉について話し合った
「被害者同盟」のメンバーが作成した資料。預金額が改ざんされ4000万円以上増額していると主張
「被害者同盟」のメンバーが作成した資料。預金額が改ざんされ4000万円以上増額していると主張

『FRIDAY』2021年10月22・29日号より

  • PHOTO小川内孝行(1枚目) 田中俊勝(2枚目)

Photo Gallery3

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事