ロン毛はマナー違反か?今どきの「結婚相手の親への挨拶」事情 | FRIDAYデジタル

ロン毛はマナー違反か?今どきの「結婚相手の親への挨拶」事情

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小室圭さんも髪を切ってご挨拶…やっぱり長髪はダメなのか?

3年ぶりに小室圭さんが帰国。そのとき注目を集めたのは、ポニーテールのようなヘアスタイルだった。

結婚の挨拶もこのヘアスタイルのままかと思ったが、10月18日、秋篠宮邸に向かう小室さんは髪をバッサリカットしていた。やっぱり長髪で結婚の挨拶はまずいのか…。

「小室さんなりに、お相手に失礼にならないように考えたのでしょう。結婚の挨拶では、相手の親に好意を持ってもらうことがいちばん重要。相手の親がどのようなことを望んでいるのか、事前に聞いておくといいでしょう」

とは、現代礼法研究所代表の岩下宣子氏。

「小室さんが生まれた30年ほど前までは、長髪やひげ面で挨拶に行くなど考えられませんでした。きちんとした職についていれば、髪は短く、ひげは剃っているのが当たり前。長髪、ひげ面であれば、親は不安に思ったことでしょう」(岩下宣子氏 以下同)

服はスーツ。洋室なら椅子から立ち上がって、和室なら座布団から降りて、「結婚させてください」と、挨拶するものとされていた。

「スーツは男性のフォーマルウエア。服装は相手への敬意を表すものとされています。親へ挨拶するときはスーツが一般的でした」 

秋篠宮ご夫妻にあいさつするため、横浜市の実家マンションを出る小室圭さん(2021年10月18日/写真:共同通信)
秋篠宮ご夫妻にあいさつするため、横浜市の実家マンションを出る小室圭さん(2021年10月18日/写真:共同通信)

きっかけは小泉今日子!?

取引先などへの敬意を表すために、少し前までは会社でもスーツ着用が普通だった。しかし、働き方改革の一環で、銀行などのお堅い会社も、ノーネクタイやカジュアルな服装で仕事をすることを認めようになってきた。

結婚の挨拶がカジュアルになってきたのは、いつからなのだろうか。

「おそらく『地味婚』が流行りだしたころからだと思います」

とかく有名人の結婚式は派手になりがちで、ウエディングケーキの高さを誇った時代もあったが、1995年、永瀬正敏さんと小泉今日子さんが結婚したときは、式を挙げず入籍だけ。このできごとを機に“地味婚”という言葉が生まれ、雑誌などでも特集が組まれた。

「このころから結婚の挨拶のときもスーツにこだわらなくなってきました。ジャケットを羽織れば、ポロシャツにチノパンでも大丈夫。ご挨拶が終わったらジャケットは脱いでもかまいません。結婚の挨拶は、お互いを知る第一歩。これから長いお付き合いになるのですから、親も自分たちも無理しないほうがいいのです」 

髪の長さや、ひげは?

「今は普通にお勤めしていても、長髪だったり、ひげを生やしていますよね。相手の親がそういうことを気にしないなら、長髪だって、ひげだって構いません。 

紀子さまのお父様も髪を伸ばして、ひげも生やしていらっしゃるし、秋篠宮さまもひげを生やしていらっしゃる。だから、そういうことに寛容なお家柄かもしれません。 

だけど、人によっては驚いてしまうかもしれない。親の性格をいちばん知っているのは子ども。いきなり会わせたら驚くだろうなと思ったら、事前に『こういう人なんだ』と写真を見せるなどするといいでしょう。親の性格を見抜いて、どうしたら親が喜ぶか考えないと、せっかくの顔合わせがもったいない」 

滞在先の米国から帰国した小室圭さん(2021年9月27日午後・成田空港/写真:アフロ)
滞在先の米国から帰国した小室圭さん(2021年9月27日午後・成田空港/写真:アフロ)

コロナ禍ではリモートでのご挨拶も… 

しかし、そもそも結婚の挨拶は必要なのだろうか。付き合っている期間が長くて、お互いの家を行き来して、親も「あの子と結婚するんだろうな」と思っていたら、改めて挨拶に行く必要はない?

「いえいえ。けじめは大切です。たとえ幼馴染で、小さいときから家族ぐるみでお付き合いしていても、挨拶に行ったほうがいいと思います」 

昔は、相手の家に出向いて「お嬢さんをください」などと言ったものだが、今は「こうしなければいけない」というマニュアルはないのだから、食事会でもなんでも、お互いがいいと思う形でかまわないとか。コロナ禍のときは、直接会うのを避けたいという親がいてリモートでの面会になったこともあるという。

「ただ、家に伺うのは、相手がどういうところで育ったのか知るという目的もあります。できれば、お互いの家を訪問することが望ましいところです」 

法的には結婚に親の許しは必要ないけど、挨拶はやっぱり「結婚させてください」

いよいよ親への挨拶。どのような言葉が適切なのか。

「『お嬢さんと結婚させてください』『結婚をお許しいただけますか』などが一般的でしょう」 

うーむ。

2020年11月30日、55歳の誕生日に秋篠宮さまは「憲法にも『結婚は両者の合意のみに基づいて』とあり、本人たちがそういう気持ちであれば、親としてそれを尊重するべきものだというふうに考えています」と述べた。

結婚は両者の合意があればできるというものの、ここはやっぱり許してもらうべきなのか。

「『結婚することになりました。よろしくお願いします』では、親をないがしろにしている印象。日本人は謙虚な態度が好きだし、ここはこう言ったほうが間違いありません」 

挨拶をするときは、洋室だったら椅子から立って、和室だったら座布団から降りてが昔からのマナーだが、

「今はそういうことを気にしない親御さんも多いようです。椅子や座布団に座りっぱなしでも、眉をひそめられることはないでしょう。 

ただ、知っているなら、やったほうがいい。きちんとすればするほど親は相手に誠実さを感じることができます。娘の結婚相手は、よく家にも遊びに来ていましたが、スーツを着てやってきて、椅子から立ち上がって挨拶してくれました。そうやってくれると、結婚に対して真面目に考えているんだなと感じられて、親としてもうれしい。かっこいいなと思いました」

時代は変わったというものの、結局昔どおりやれば間違いないということ。ロン毛⇒ちょい前髪長めのショート…、小室さんの決断は正解だった?

岩下宣子 全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流小笠原清信氏のもとでマナーを学び、1985年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。NPOマナー教育サポート協会 理事・相談役。著書に『冠婚葬祭マナーの新常識』『図解 日本人なら知っておきたい しきたり大全』など多数。

  • 取材・文中川いづみ写真共同通信、アフロ

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