菅前総理が解散当日の朝食会で放った「自画自賛スピーチ」の中身 | FRIDAYデジタル

菅前総理が解散当日の朝食会で放った「自画自賛スピーチ」の中身

解散当日に行われた会で……

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会場に入る菅前総理
会場に入る菅前総理

解散日の10月14日、自民党本部で行われた「山本ともひろ朝食勉強会」に講師として招かれた、菅義偉前総理(72)は笑みを浮かべてこう切り出した。

「“前”総理大臣の菅義偉です」

現職総理の時、ニコニコ動画出演冒頭で「ガースーです」の挨拶で自爆したが、退陣後も自己紹介で笑いを取ろうと試みたのだ。

40名ほどの参加者が笑いで返すと、気を良くしたのか、隣に座る比例復活当選が続く、山本朋広衆議院議員の紹介も「選挙に弱いが、粘り強さはある」と上げたり下げたりで笑いを誘う。

「約一年間総理大臣として改革を進めてきた」

改めてそう切り出し、在任期間中のコロナ対策の難しさをこう述べた。

「最優先課題はコロナ対策で、全体像が見えないなか手探りで専門家の意見を聞き、コロナと一進一退で戦ってきた。海外をみれば行動制限など厳しい規制をしても収まらなかった。コロナを封じ込めるにはワクチンを接種するのが一番だと考えました。『一日100万回摂取』とあえて高い目標を掲げ、みなさんに一日も早く摂取していただこうとしたら、打ち手が足りないとなった。

これまでの発想にとらわれず、打ち手が足りなければ歯科医師や救命救急士や臨床検査技師に打ち手をお願いし、打ち手を確保した。職域接種を導入し、全力で取り組んできた。霞が関を統合して全力でできることをすべてやった。6月は一日平均110万回、そして7月は150万回、8月は120万回、予想を上回るペースで進み、1億4000万回を超えました。新規感染者数は明らかに減った。重症化リスクも低くなった」

仮に退陣を一週間思いとどまり、総裁選を先送りし、解散総選挙になだれ込めていたならば菅政権は継続していたかもしれない。とはいえ、歴史にifはなく、政治家は結果責任で語られるもの。それでも菅前総理の口から出るのは、携帯電話料金の引き下げや最低賃金を引き上げたこと、小学校で40年ぶりの35人学級も実現したことなど「俺、すごく頑張った」話のオンパレードだった。

「デジタル庁も一年で作っちゃいました。普通なら3~4年かかる」

「一定の所得がある高齢者に医療費の2割負担をしていただく改革が実現した。普通は選挙前にはやらないことです」

早くも世間が忘れかけた菅政権の実績自慢が止まらない。安倍晋三元総理の総裁選での裏切りを思い出したのか、脈拍、血圧が上がった様子でこう述べた。

「やるべきことをかなりのスピードでやってきた。全人口の7割が1回接種し、6割の方が2回の接種を終えました。このまま進めば、我が国は、世界でもワクチン接種が最も進んだ国の一つになります」

会はメディア禁制で行われた
会はメディア禁制で行われた

コロナ対策で不評を買ったが、そうではないと猛アピール。しかし、仮にコロナ収束となれば、岸田文雄新総理の実績となるのではないか。補佐する役割からメインキャスターに抜擢され、重圧に潰されかけている、小川彩佳キャスターを彷彿とさせる。

ただ、この日の講演のように肩の力を抜いて、時折り笑顔を浮かべながら、国民に語りかけていたら違うシナリオもあったのだろうか……。菅“前”総理は、講演を終えるとわずか2人となったSPを従えて、会場を後にした。

山本議員に解散日の朝に勉強会を開いたことについて尋ねるとこう返した。

「たまたまそういうタイミングで、何の意図もないですよ。2ヵ月に一度、朝食勉強会を開催している。この10月は、私が最も頼りにしている菅先生に毎年、講師をお願いしている。10月は菅先生に来てもらっているんですよ。ただそれだけ。深い意味も何もない」

岸田総理は10月14日に衆議院を解散した。19日公示で31日投開票となる。来年の10月、この朝食勉強会は開催され、講師で菅前総理が訪れることとなるだろうか。

  • 取材・文岩崎大輔撮影鬼怒川 毅

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