山崎育三郎は内定、優里は？『紅白』有力候補たちの「出場の壁」

NHKの正籬聡放送総局長が10月20日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、演歌歌手の五木ひろし（73）が17日に行われた自身のコンサートで、大みそかの『紅白歌合戦』出場辞退を明言していることについて言及した。

各スポーツ紙の報道によると、正籬氏は「出演者について現時点で決まっていることはありません」と前置きしたうえで「昨年まで50回出場していただき、多大な貢献に感謝している」とコメントした。

また、演歌歌手の出場人数が年々減少していることについて聞かれると、「その年その年にふさわしい歌手の方にお願いしており、ジャンル別に考えていることはない」と説明したという。

「最近の紅白は、若い世代の視聴率獲得を課題に掲げた。そのため、音楽配信サイトでヒットを記録した歌手や、YouTubeでバズったアーティストを選考対象にしています。そのため、どうしても若い世代が興味がない演歌歌手たちがしわ寄せを食うことになってしまったんです」（大手レコード会社プロデューサー）

今年の紅白に関して、一部スポーツ紙がすでに、俳優の山崎育三郎（35）、ピアニストでユーチューバーのハラミちゃん（年齢非公表）の紅白出場が内定したことを報じている。

「山崎は連続テレビ小説『エール』で好演し、昨年の紅白では企画枠でドラマの主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而さんの楽曲『栄冠は君に輝く』を歌唱しています。今夏は甲子園球場で同曲をアカペラで熱唱し、ネット上で話題にもなりました。

現在は大河ドラマ『青天を衝け』に伊藤博文役で出演するなど、NHKへの貢献度も絶大です。ハラミちゃんは、紅組の出場枠ではなく、ゲスト出演となる見通しだとか。大物ミュージシャンとの共演や、視聴者からのリクエスト曲の即興演奏などが検討されていると聞いています」（スポーツ紙音楽担当記者）

そして、気になるのが、そのほかの初出場候補者である。真っ先に名前があがっていのが、『ドライフラワー』がヒットした、シンガー・ソングライターの優里（27）だ。

昨年10月に配信限定でリリースした同曲だが、男性ソロ歌手として史上最速となるリリース13週目でストリーミング再生1億回を突破。

今年3月には『かくれんぼ』が、累計再生回数が1億回を突破。昨年8月のメジャーデビューからわずか8カ月で2曲が1億回再生を突破することは史上初となった。

「今年を象徴する歌手だが、今年春、元アイドルなどとの三股交際を報じられたのが、かなり大きなマイナスポイントです。もはや、世間はそのことを忘れ去ってしまっていますが、NHKがどう評価するかが注目されています。それでも優里は、『YOASOBI』や『LiSA』『Creepy Nuts』などを抱えて、いま最も勢いのあるソニーレコードの所属アーティストなので、出場はほぼ当確と言えるでしょう」（同前）

昨年10月に配信リリースしたメジャーデビュー曲『うっせぇわ』で大ブレークした、正体を明かさずに活動している女性シンガーAdo（19）も候補者の1人。

同曲のミュージックビデオは、ユーチューブでの公開から148日で再生回数1億回を突破。今年1月にはテレビ朝日系列『ミュージックステーション』で電話インタビューが放送され、テレビ初出演。4月には、TBS系『日曜日の初耳学』のインタビューに顔出しなしで出演した。

男女混成4人組バンド・緑黄色社会も有力だ。昨年4月にメジャーレーベルからは初となるフルアルバム『SINGALONG』のダウンロード・ストリーミング配信を開始。収録曲『Mela！』は、今年4月の時点でストリーミング、YouTube、SNSなどの関連コンテンツの総再生回数が1億回を超えている。また『LITMUS』がテレビ朝日系木曜ドラマ『緊急取調室』の主題歌に起用されるなど、ことごとくタイアップを獲得するほどの人気バンドに成長した。

「Adoの懸念材料は『顔出しNG』であるということです。ただし、すでに紅白では男性バンド『GReeeeN』の前例があります。また、優里、Ado、緑黄色はいずれもNHKへの貢献度があるかと言われれば微妙ですが、もはや、それはあまり選考する際の大きな判断材料にはならないかもしれません。いかに若い視聴者を増やすかのほうが重要でしょう」（同）

2年ぶりの有観客での開催が発表されている今年の紅白だが、出場歌手の発表が待たれる。