川崎市の離島で暮らす「野良猫1000匹」を待つ運命 | FRIDAYデジタル

川崎市の離島で暮らす「野良猫1000匹」を待つ運命

一般人立ち入り禁止の人工島で野良猫が大量繁殖 小さな鳴き声は工業地帯の騒音にかき消されている

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製鉄所の敷地内に集まる猫たち。毎年出産シーズンの春と秋には、数十匹の子猫が産まれ続けているという

東京湾に浮かぶ『扇島』で、今、猫たちの命が次々と失われている。

’70年代にできたこの離島は、『JFEスチール』の製鉄所を中心とする人工島だ。海底トンネルでしか渡れず、関係者以外は入島すらできない。猫は製鉄所ができた当初から徐々に増え、島には現在、推定1000匹が暮らしているが、その多くは飢えに苦しんでいる。昨年まで勤務していた元従業員のAさんが明かす。

「島には飲食店が一切なく、野良猫たちはエサにありつくことが困難で、なかには製鉄所の粉塵が混ざった汚水を飲んで飢えをしのぐものもいました。あまりに可哀想で、何度かエサをあげたことがあります。しかし、会社は’16年から製鉄所の周りに監視カメラを設置し、エサやりをした人に始末書を書かせていました。実際に私も見つかったときには『次やったら島に出入り禁止だ』と脅されました」

Aさんはこの状況を見かね、今年9月、『幸アニマルサポート』を中心に複数の動物愛護団体に助けを求めた。同団体は9月17日、『JFEホールディングス』社長に猫への対処に関する要望書を提出。10月10日までに、企業側から「島内の28ヵ所でエサやりと水やりを開始した」と返答を得た。しかし、団体の代表を務める浜田幸(はまだゆき)氏は問題が未解決だと指摘する。

「島で勤務する方によると、一ヶ所につき一匹分しかエサがなく、十分な対策がされているのか疑問です。

実は、’23年には製鉄所が休炉になるんです。仮にエサの問題が解決しても、不妊手術や里親探しをしないと、2年後にはさらに大量の猫が取り残され、飢え死ぬことになりかねません。そもそも、今から始めて間に合うのか……」

企業側は今後どう対処していくつもりなのか。広報担当は次のように答えた。

「行政に指示を仰ぎ、エサやり、水やりに関しては不足分があれば補います」

猫たちを待ち受ける暗い未来を現実のものにしてはならない。

川崎工業地帯のシンボルともいえる扇島のJFEスチール東日本製鉄所の京浜地区。東京ドーム117個分の広さだ
Aさんの同僚が書いた始末書。他にもエサをあげていた数名の従業員が同様のものを会社に提出した
生まれたての子猫はとくにカラスに狙われやすい。島では度々猫たちを襲うカラスの群れが目撃されている

『FRIDAY』2021年11月5日号より

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