日ハム新監督・新庄 キムタクとの2ショット&高評価の意外な理由
〈日本に戻ってきた理由がここにある〉
10月18日に新庄剛志氏(49)が自身のツイッターに思わせぶりな投稿をしてから、日本ハムの新監督に就任するのではという噂が広がっていた。トップ画像の背景に、北海道北広島市に建設中の新球場とみられる写真が貼られていたからだ。噂は現実になった――。
10月26日、『日刊スポーツ』が新庄氏の日ハム新監督内定を報じた。すでに来季のコーチ陣編成に着手しているとか。就任には、日本ハム本社の意見も影響しているという。
「主砲の中田翔がチームメイトへの暴行事件を起こし、球団のイメージが悪化しましたから。中田は謹慎期間を経ずに巨人へ電撃移籍。北海道で謝罪会見を行わなかったことに対し、球団だけでなく本社へも多くのクレームがあったそうです。
悪化したイメージを刷新するためには、明るく知名度のあるリーダーが必要と、本社が推したのが新庄です。当初、東京五輪で『侍ジャパン』を金メダルに導いた稲葉篤紀が、新監督として有力視されていました。しかし稲葉の強力なリーダーシップは、フロントが編成権を持つ日ハムでは、なかなか発揮できない。いっそのことGMになってもらい、新庄をバックアップしてもらおうという話でまとまったようです」(球団関係者)
新庄氏と稲葉氏は、ともに72年生まれ。日ハムでは外野手としてコンビを組み、関係は良好だ。
パフォーマンスに隠された計算
だが、ファンの間では不安の声も大きい。
「06年に引退してから、監督はもちろん、コーチ経験もありませんからね。現役時代からカエルの被り物で守備練習に登場するなど、プレーよりもパフォーマンスが先行していた印象が強い。テレビ出演も多く、タレントとしてのイメージも大きいでしょう。球団内には、就任を疑問視する声があったそうです」(スポーツ紙記者)
だが新庄氏を知る人物は、「野球に対する姿勢は真摯で指導者向き」と話す。
「たしかに新庄は、パフォーマンス好きです。しかし、単に目立ちたいからやっていたワケではない。パフォーマンスをするのは、チームの連敗中などマイナスな要素が多い時です。事前に同僚や首脳陣に意図を説明し、『今日はこんな方法で球場を盛り上げます』と話していました。ちゃんと計算しているんですよ。
新庄は、米国でマイナー経験のある苦労人でもあります。食事や設備など、どんなに環境が悪くてもグチを言ったのを聞いたことがない。チームメイトが誰もいない午前中から球場入りし黙々と練習するのを、たびたび見かけました。ファンの前では常に明るくプレーすることを心掛け、練習で苦しむ姿を見せたくなかったのでしょう。野球に対する姿勢は、周囲の想像以上にマジメです」
有言実行の人でもあるという。
「メジャーから日ハムに移籍した04年、新庄はこう公約しました。『日ハムを日本一にします』『札幌ドームを満員にします』と。決して思いつきで言ったわけではありません。新庄の派手なプレーで、札幌に移転するまではガラガラだった球場は満員に。06年には、約束どおりチームを44年ぶりの日本一に導きました。
自身の技術は、動画で公開しています。平易な言葉で、とてもわかりやすい。日ハムは、単に『知名度のある新庄ならファンが集まるだろう』と考えたのではないはずです。指導能力を高く評価し、3年連続Bクラスと低迷するチームの再建を、本気で新庄に託したんだと思います」(同前)
本誌は東京・六本木でキムタクと豪遊するなど、新庄氏の華やかな姿をたびたび目撃してきた。明るく有言実行の新庄氏なら、悪化したチームのイメージを刷新できるのは間違いない。監督として、どんな公約を掲げるのだろう。
- 撮影:小松博之 五月女恵子 陣内雅義 坪井彰一郎 樋口琢生