「闇営業詐欺集団」の残党がまたも詐欺容疑で逮捕された
宮迫博之を招いた’14年末のパーティにも参加 当時は下っ端だった男がノウハウを学び大規模「受け子グループ」のトップになっていた
10月4日、86歳の女性から現金1500万円をだまし取ったとして、合田圭容疑者(32)ら3人が警視庁に逮捕された。合田容疑者らは、孫になりすまして高齢女性に電話をかけ、「仕事で出す小包の宛先を間違え、中に支払書類を入れてしまった。今日中にお金が必要」などと騙(かた)ったとされる。
特殊詐欺を働き、被害者の自宅などにカネを受け取りに行く人間のことを「受け子」と呼び、合田は大規模受け子グループのトップだったと見られている。

「合田のグループは東京、栃木、大阪、神戸、愛媛、福岡など全国7ヵ所に拠点を持つメンバー40人以上の巨大組織でした。関与した事件は’17年以降に64件、被害総額は1億6000万円に上る。警視庁などは’17年から捜査を続け、これまでに30人以上を逮捕。今回の合田らトップの逮捕により、ようやくグループを壊滅へと追い込むことができました」(全国紙警視庁担当記者)
巧妙なだましの手口を用いた犯罪組織が生まれた背景には、合田容疑者の過去が関係している。本誌は’19年6月、宮迫博之(51)ら吉本芸人たちが、’14年末に都内のホテルで行われた大規模特殊詐欺グループのリーダーの誕生会で「闇営業」をしていた事実を報じた。実は合田容疑者は、宮迫らの「闇営業相手」であるこの詐欺グループの一員だったのだ。
当時の合田をよく知る詐欺グループの元メンバーが明かす。
「宮迫らが闇営業をした詐欺グループは総勢200名を超す巨大組織でした。主に行っていたのは、『社債詐欺』というもの。高齢者に『お得な社債を買いませんか?』と電話をかけ、カネを振り込ませるという手口です。電話をするメンバーを『かけ子』と呼ぶんですが、合田もこのかけ子の一人だった。リーダー格の中に入間(埼玉県)出身の奴がいたんですが、同じく入間出身の合田とは地元の不良仲間だったらしく、そのツテでグループに入ってきたんだと思います。もちろん、宮迫を呼んだ’14年末のパーティにも参加していましたよ」
当時の合田容疑者は下っ端(ぱ)ではあったが、入間の後輩らをグループに引き入れるなどしており、「かけ子」の中では兄貴分のような存在だったという。
「合田はメチャクチャデカいんですよ。身長190㎝近くあって横幅もあり、両腕まで入れ墨びっしりだから迫力はすごかった。当然、ケンカでも頼りにされていました。グループのメンバーが都内のクラブなんかで豪遊していると、他の不良とモメ事になることもしばしばありました。そういうときはすぐに合田が呼ばれる。常に出刃包丁を持ち歩いていると言われていました。一方で、仲間思いでカネ払いも良かったから、合田を慕う後輩はたくさんいました」(同前)
加えて、合田容疑者は単なる武闘派ではない一面も持ち合わせていたようだ。
「証券会社の営業マン役や警官役など、複数の人間が電話をかけて信じ込ませるのが社債詐欺の手口。しかし合田は、声を変えて一人で何役もこなしていました。それほど器用で頭が良かった」(同前)
宮迫らの「闇営業」から約半年後の’15年6月、警視庁が都内4ヵ所の拠点マンションに踏み込んで男女計40人が一斉逮捕。主犯格も同時に逮捕され、グループは壊滅となった。
「下っ端だった合田は逮捕を免(まぬが)れたようです。その後、合田がどうやって自らのグループを構築したのかはわかりませんが、当時の組織で詐欺犯罪のノウハウを学んだのは間違いないでしょう」(同前)
総勢200人の大規模組織だっただけに、残党は他にもいそうだ。


「FRIDAY」2021年11月12日号より