日テレが「他局の猛追」「BPO問題」で視聴率3冠から陥落危機 | FRIDAYデジタル

日テレが「他局の猛追」「BPO問題」で視聴率3冠から陥落危機

『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』休止の衝撃

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王者・日テレに綻びが出始めているという
王者・日テレに綻びが出始めているという

10連続で年間個人視聴率”3冠王”達成という前例のない記録を成し遂げてきた日本テレビが、いま大激震に見舞われている。同局の屋台骨を支えてきた複数の人気バラエティー番組が時代の潮流に逆らえず、1年以内に打ち切りになる可能性があるというのだ。

日テレにとって悪夢の始まりとなったのが、今年8月にBPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年委員会が出した公式見解だ。中高生モニターに対しアンケートや面接調査を実施した結果、出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それをみんなで笑うような苦痛を笑いのネタにする各番組は「不快に思う」、「いじめを助長する」などの意見が多数寄せられたという。これを受け、BPOは「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー番組」を精査し、審議の対象にしていくことを決断した。

このBPOの動きに即座に反応したのが日テレだった。NHKの『紅白歌合戦』とともに年末の風物詩といってもいい『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』の休止を発表した。同局の杉山美邦社長は同番組の休止理由について定例会見で次のように述べている。

「休止は以前から決まっていたことで、BPOの審議はまったく関係がない」

もちろん、この社長会見を額面通りに受け取る日テレ局員は誰もいないという。

「BPOが見解を示した『痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー』が、ケツバットなどの罰ゲームを売りにする『笑ってはいけない』を暗に指していることは小学生でも分かります。BPOから改めて公の場でNG番組として認定されてしまったら、それこそ立ち直ることは不可能です。

メインキャストのダウンタウン・松本人志(57)と浜田雅功(58)、ココリコの遠藤章造(50)と田中直樹(50)、月亭方正(53)が所属する吉本興業もコンプライアンスには過剰反応する。しかも、最悪の場合はスポンサー離れは加速してしまう。日テレが一年先を見越して先手を打ったんです」(広告代理店幹部)

さらに、日テレ関係者からはこんな話が漏れ伝わってきた。

「『事前に休止が決まっていた』という説明は明らかに無理がある。DVDをリリースするグループ会社や番組終了後に配信するHuluは『笑ってはいけない』で毎年大きな利益が出ているんです。すでに年度予算計画に『笑ってはいけない』を記載し、役員会で正式承認された案件なんです。億円規模の損失になってしまう。事前休止は日テレ制作陣のプライドと編成権を侵害されたくないという意地ですよ」(日本テレビ関係者)

実はこのBPOを巡る問題は『笑ってはいけない』に限った話ではないという。日テレにとってはまさに「危機の始まり」を意味していたのだ。

「バラエティ番組は日テレのDNAとも言えるでしょう。芸人をいじって笑いに昇華させる番組は、他局に比べて日テレが一番多い。極めつけは日テレの人気番組『世界の果てまでイッテQ!』。これこそBPOが問題視するコーナーばかり。ロッチ・中岡創一の『QTube』、森三中やいとうあさこ、おかずクラブらが参加する『イッテQ!温泉同好会』など、まさに痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ番組と過言ではありません。

もちろんこれらの番組は芸人にとってオイシイものですし、『痛みこそあるものの、ポップな笑いだ!』と反論することもできる。しかし、どこまでが問題でどこまでがセーフか、その線引きをするのは難しく、杓子定規で『痛みがあるものは問題!』と括られてしまう恐れがある。そうなったとき、日テレのダメージは大きい」(前出・関係者)

ほかにも『有吉ゼミ』の激辛コーナーもそうだろう。『有吉の壁』で芸人らが体を張った一発芸や『世界まる見え!テレビ特捜部』の冒頭でお決まりになっている芸人いじり、さらには『うわっ!ダマされた大賞』などなど枚挙にいとまがない。

それとは別に、もう一つ、日テレ局内で問題視されているのが人気番組のマンネリ化だという。

「日曜19時放送の『ザ!鉄腕!DASH!!』内の人気コーナーで、自然環境に害を及ぼす危険生物を食す企画『グリル厄介』と、新たに始まった巨大生物を料理する新企画『DASH巨大食堂』は基本的に同じ企画です。また水曜20時の『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』も、ヒット企画だった『朝までハシゴの旅』がコロナ禍でロケができず企画が散漫になってしまっています」(放送作家)

そうしたなか、日テレの背中を追い続けてきたテレビ朝日が気勢を上げた。

2021年10月月間個人視聴率(10月4日~10月31日)は、全日帯(6時~24時)で3.9 %(日テレ) 3.8%(テレ朝)、ゴールデン帯(19時~22時)で6%(日テレ)、5.8%(テレ朝)と日テレがいつも通り一位を獲得していた。だが、ついにプライム帯 (19時~23時)で大逆転を許したのだ。

「わずか0.1ポイント差の5.8%でテレ朝がトップに立ったんです。背景には”ドラマ3連単”と呼ばれる『相棒』『科捜研の女』『ドクターⅩ』の高視聴率。ほかに『フィギュアスケートグランプリシリーズ2021』で高視聴率を取ったことが要因です」(テレ朝関係者)

さらにテレ朝の若手制作陣を勢いづかせているのが、日テレとの差がごくわずかであることだ。

「0.1~0.2%の差です。日テレ内で新たな若手クリエイターが十分に育っていないなか、いまこそ日テレに追いつく絶好の機会なんです」(テレ朝編成関係者)

どうやら日テレの凋落はBPO問題だけではないらしい。テレビ界トップの座を巡る壮絶な争いは、どんな展開を見せるのだろうか。

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