ハンガリー人力士・元「舛東欧」 大使館職員として挑む初土俵 | FRIDAYデジタル

ハンガリー人力士・元「舛東欧」 大使館職員として挑む初土俵

10・16ハンガリーフェスティバルに密着 異色の転身 ダメもとで履歴書を送ったらまさかの採用

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「引退後、次の仕事は何も決まっていなかったんです。ダメもとで大使館に履歴書を送ったら、まさかの採用。相撲でいえば、大金星を取ったような気持ちです」

身長186㎝、体重168㎏の大きな身体をゆらしながら、トート・アティラさん(35)は笑う。

文化担当官の女性とともに記念撮影するトートさん。力士時代から「明るくて礼儀正しい」と評判だった

現役時代の四股名は「舛東欧旭(ますとうおうあきら)」。ハンガリーの中堅都市・ソルノクで生まれ、世界ジュニア相撲選手権で2位になったことがきっかけでスカウトされ、18歳のときに来日した。角界唯一のハンガリー人力士として注目されたが、怪我に悩まされ、最高位は幕下八枚目だった。

今年3月場所で16年間の土俵生活に別れを告げたトートさんが転職したのが、ハンガリー大使館だ。10月に職員として正式に採用され、同月16日には港区のカラヤン広場で行われた『ハンガリーフェスティバル』で“初土俵”を踏んだ。

「初めての仕事なので緊張します」

フェスティバル当日、設営・運営を任されたトートさんは大粒の汗を浮かべながらそう語ったが、表情は明るかった。重たい照明機材などを軽々と運ぶ姿は、まさしく力持ちである。来場者から記念撮影を求められれば、「どうぞどうぞ」と流暢(りゅうちょう)な日本語でにこやかに応じていた。

日本ハンガリー友好協会の猪谷晶子専務理事から、

「関取になれず、ハンガリーの人々の期待に添えなかったという負い目を感じているそうですが、そんなことは気にせず第二の人生を楽しんでほしい」

とエールを送られると、トートさんは今後の目標を照れくさそうに明かした。

「何の学歴もない僕ですが、いつか日本の大学を卒業したい。そして、ハンガリーと日本の架け橋になりたいです」

気は優しくて力持ち。トートさんならきっと夢を叶えてくれるはずだ。

人生の半分近くを力士として過ごしたトートさん。「知っている日本語も角界用語ばかりなので、これから勉強していきたい」と語った

『FRIDAY』2021年11月19日号より

  • PHOTO吉田 隆(1枚目)

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