大研究！「ふるさと納税」日本全国独特すぎる返礼品の世界

最新2021〜2022年版　各地から〝オンリーワン〟の特産品が届く！　専門家がオススメする「お得な逸品リスト」付き

2021年11月20日

ユニークな特産品の数々…！

左：ロボット型薪ストーブ 218万円【高知県土佐清水市】高さ90㎝。重量200㎏。上の窯部分でピザやトーストも焼ける

右：幸運の馬蹄(ばてい)セット 1万円【北海道帯広市】馬蹄は開運アイテムとされている。ばんえい競馬のコースを駆け抜けた蹄鉄を、丹念に磨き上げて作られたもの

年末の駆け込みラッシュが恒例となった「ふるさと納税」。今年も全国で、バラエティ豊かな〝返礼品合戦〟が展開されている。とくにここ１年は、個性的な返礼品が急増中。その理由を情報サイト『ふるさと納税.ｔａｘ』運営会社代表・河元智行氏はこう分析する。

「ふるさと納税が年々盛り上がりを見せており、返礼品の点数も50万点を超えています。普通の返礼品では、膨大な数のラインナップの中に埋もれてしまう。そこで、各自治体は、目立つ品目を打ち出しています。自分たちのページへのアクセスを増やすことで、他の商品にも目が行くよう工夫しているんですよ」

またコロナ禍で、返礼品のラインナップにも変化が生まれたという。

「２年前まで人気だった旅行関連の返礼品がコロナ禍で伸び悩み、今年は人気ランキングにも入っていません」（同前）

一方で、一部のファンに根強い人気があるのが、その土地ならではの体験サービス系の返礼品だ。三重県鈴鹿市では、「15分のラジオ番組を１年間持てる権利」を返礼品として44万円で用意している。提供元の『鈴鹿ヴォイスＦＭ』運営会社社長・加藤正彦氏に話を聞いた。

「東京で建築資材の製造会社を営む社長さんが３年連続で申し込んでいて、経済・ビジネスから、アニメソングまで自由なテーマでお届けしています」

本記事では、本誌厳選の逸品を一挙ご紹介する。独特すぎる返礼品の世界をどうぞお楽しみあれ。

※金額は全て寄附額

左：生きたオオグソクムシ３個体 1万5000円【高知県室戸市】
エビやカニに近い味。下ごしらえの仕方などのレシピも同封される

右：明智光秀からの謀反のお知らせハガキ＆福知山城ペア招待券 5000円【京都府福知山市】
福知山に縁ある明智光秀から「謀反に関する大切なお知らせ」と書かれたハガキが届く

左：No.2010競馬ジョッキー勝負服 6万5000円【福島県福島市】
アーモンドアイに乗る騎手と同じ勝負服。一つ一つ手作りの逸品だ

中：ジオラマ 70万円【群馬県安中市】
幅約124㎝×高さ約65㎝×奥行き約29㎝。安中市のめがね橋を再現

右：オホーツク海の流氷5kg 1万円【北海道紋別市】
オホーツク海に流れついた流氷がそのまま配送されてくる。食用不可

左：オリジナル着ぐるみ 300万円【宮崎県新富町】
年間200体もの着ぐるみを手掛ける企業が寄付者のイラストから製作

右：森のカスタードクリーム「ポポー」の苗木 1万5000円【三重県鈴鹿市】
実が腐りやすく流通が難しい一方で、苗木は耐寒性が高く、全国どこでも栽培が可能

左：闘牛DVD 6万円【鹿児島県徳之島町】
昭和61〜平成元年、平成24年の５年間の徳之島の牛たちの激闘を収めた全５巻セット

右：オリジナルデザイン創作福 60万円【群馬県榛東村】
オリジナルの創作服。主に着物をベースにした作品を製作している

左：金属製サッカーボール 220万円【宮崎県延岡市】
鉄とステンレス材を組み合わせて溶接された、実寸大の調度品

右：忍者装束（黒） 5万円【三重県伊賀市】
伊賀忍者をイメージした装束。ズボンや頭巾など合わせた９点セット

左：羽美翔(はびしょう)８ロール入りギフトセット 3万円【高知県土佐市】
皇室献上品。最高級パルプと仁淀川の水を使用。超柔軟製法で製造

中：真田幸村赤備え 524万4000円【和歌山県九度山町】
国内シェアの８割を誇る企業による九度山町ゆかりの武将の甲冑

右：サウナ小屋 1300万円【福島県猪苗代町】
直径約２ｍ、高さ2.6ｍ。最大６人まで入ることができる。屋外専用

識者が選ぶ「狙い目」

個性豊かな品がある一方、お得な〝大穴〟も見逃せない。前出・河元氏が語る。

「福岡県粕屋町の『博多久松』を筆頭に、おせちブームが来ています。これまでは、中小規模の食品会社は大量のおせちを指定日に届けることが難しく、返礼品として不向きとされてきました。しかし、出品・出荷する業者が大口注文に対する体制を整えたため、高い品質で出せるようになったんです。
もう一つは、大都市の参入です。とくに名古屋市は、名古屋コーチンから市内に製造拠点があるアサヒビールの缶ビールなど700品目以上を発表。バーミキュラの鍋は、一時は購入に15ヵ月待ちでしたが、ふるさと納税だと約１ヵ月で届きます」

また、『ふるさと納税ナビ』編集長・上野舞氏は、コロナ禍の影響で、返礼品にも変化があったと明かす。

「昨年、農林水産省は売り上げが落ちた牛肉などの販売促進のため、農協などの事業者向けに生産者からの購入額の半分を補助する制度を開始。牛肉などの返礼品が価格そのままに増量されています。
また、自治体によるコロナ禍の生産者支援で、返礼品になっていなかった品目も追加されています。山梨県富士吉田市の高級品『甲州羽毛ふとん』は、コロナ禍で注文数が減ってしまったことをうけ、期間限定の返礼品となっています」

ラインナップが増えた今年、いつもとは違う逸品を頼んでみてはいかがだろう。