「日当5000円問題」渦中の岸田派議員に浮上したもう一つの疑惑 | FRIDAYデジタル

「日当5000円問題」渦中の岸田派議員に浮上したもう一つの疑惑

国光文乃議員はワクチン会場で「おばあちゃん、私の名前覚えてね」と…

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自民・国光文乃議員は、初当選した2017年にも当時の安倍晋三首相の熱い応援を受けた。そのさまは河井案里被告の選挙を彷彿とさせる。苦戦が言われていた今回、禁じ手を使ってしまったのだろうか…  写真:つのだよしお/アフロ

第二次岸田内閣が発足、議員たちが国会に戻ってきた。戻れなかった「元議員」もいる。そして、激しい選挙戦のあった選挙区では危機感ゆえの「いきすぎた選挙運動」が指摘されている。

なかでも衝撃だったのは、茨城6区の自民党公認、国光文乃議員の「日当5000円」問題だろう。岸田文雄首相、安倍晋三元首相が応援に入った10月26日、27日の街宣活動の際、大規模な「サクラ」の動員がなされ、日当として「1人5000円」が支払われたという。『smart FLASH』『週刊文春』が相次いで「証拠の領収書」を添えて報道している。

この問題は、支援団体が選挙活動で現金を配布する「公職選挙法違反(有権者買収)」の疑いが強い。日当支払いを明記した案内状や領収書が先のメディアで公開されたうえ、複数の有権者が現金授受を認めて「投票依頼と受け止めた」と答えている。

ワクチン接種で「おばあちゃん、私のこと知ってる?」と

そして「選挙不正疑惑はこれだけではない」という茨城6区からの告発がFRIDAYデジタルに届いた。証言するのは小美玉市の有権者だ。国光議員は医師免許を持っていることがウリの一つだが、

「今年の6月だったと思います。国光文乃さんが、市のワクチン接種会場にいたんです。医師免許をもっている国光さんが『問診担当の医師』として、白衣を着て。で、有権者であるお年寄りに問診をする際『おばあちゃん、私のこと知っている? 私の名前覚えてくださいね』とやっていた。その『活動』を、周囲にいた市民やスタッフたちが何人も聞いているのです。これはまずいのではないかと、小美玉市役所に問い合わせました」

この件を知った総務省キャリアは、こう警笛をならす。

「選挙活動とは『特定の候補者の当選を目的として、投票を得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為』をさし、選挙運動の期間は『候補者の届出のあった日から当該選挙の期日の前日まで』(公職選挙法第129条)と定められています。つまり、これ以外の期間の『活動』は、この規定に抵触している可能性があります。

なお、違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)』」

岸田派「落下傘候補」の焦り

岸田派のホープ、国光氏は、山口県周防大島町出身。長崎大学医学部卒、東京医科歯科大学大学院博士課程修了という秀才だ。厚生労働省勤務を経て政界進出。2017年に初当選した。新型コロナの感染拡大期には、医師としての知見を駆使してコロナ対策にも意見してきたという。

とはいえ、落下傘候補の国光氏。地元に縁が薄く、野党統一候補の青山大人氏と激しい選挙戦を強いられていた。陣営にはサクラ動員に「日当5000円」を払ってでも…という危機感があったのだろうか。安倍元首相のサクラ問題を想起させる疑惑は、自らの食い扶持を確保するためには何でありの「自民党=自分党」の「王道」なのだろうか。

岸田首相は、自身の地元参院広島選挙区で起きた「河井案里の買収事件」の責任を、当時の二階幹事長に強く迫った。今、自らの街宣に「動員」がかかり、「日当」が支払われたという今回の「集団買収」をどのように受け止めているのか。国民からすれば、どうにも釈然としない出来事である。

気さくに声がけをして…

なお、国光氏の「白衣を着た活動」は、一度ではなかったという。

小美玉市の健康増進課に問い合わせると、

「国光先生には、3回、ワクチン会場でお手伝いをいただきました。6月2414時から17時に、市の小川文化センターアピオス会場。7月15日と29日には、それぞれ13時から15時の2時間、生涯学習センターコスモスの会場です。

このころは、おもに高齢者の接種をしていました。気さくで威張ったところのない先生だったときいています。

小美玉市としてお願いするなんてそんな大それたことはしていません。国光先生のほうから『行きますよ』とお声がけいただいたので、お願いしました。

業務としては、接種前の予診をしていただきました。市内のあちこちにポスターがあるので、国光先生だと気づいた方もいたかもしれませんね。

謝礼というかお支払いは、計7時間分を時給計算でしました。金額は…。医師会の規定額です。市の接種件数も減っていますし、今後こちらからお願いすることはないかなと思います」

茨城県県南部の「接種相場」は「1時間あたり1万7000円」だという。「日当5000円」に比べると、だいぶ高額だ。それはともかく別の市職員は、こう言って「違和感」を訴える。

「衆院任期満了が間近な時期で、菅義偉政権の支持率が低下、自民党への不満が噴出していた6月、7月のころです。国光さんの行為は、医師であることを武器にした、小美玉市のワクチン接種『協力』という名目の『押しかけ参加』でした。国光さんの選挙区である旧玉里村地区の接種会場で、胸に『国光あやの』と書かれた大きな名札をつけて自分の名前を伝え、『覚えてくださいね』と声がけしていたんですから、選挙活動と感じない人はいないと思います」

国光議員の事務所に、事実確認の取材を申し込んだ。直接取材はかなわず、送られてきたファックスには「地元医師会から派遣されワクチン接種に従事」したことを認めたうえで「邪推されるような事前運動ではない」との「回答」があった。選挙の事前運動、選挙違反にあたるかどうかは、公職選挙法の定めに添うべきだろうが、「日当ひとり5000円」問題を抱える国光議員は今、それどころではないのかもしれない。

電光石火でスタートした岸田内閣が臨んだ総選挙。新内閣の「ご祝儀支持率」も期待できなかったなか、全国で激戦が繰り広げられ、いわゆる「大物」が何人も落選した。現職の法務大臣が選挙違反を行った自民党だ。今回の総選挙、「公職選挙法違反」疑惑があるのは、はたして茨城6区だけなのだろうか…。

  • 取材・文岩城周太郎写真つのだよしお/アフロ

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