有明テニスの森 工事業者の破産で東京五輪に間に合わない! | FRIDAYデジタル

有明テニスの森 工事業者の破産で東京五輪に間に合わない!

建築主・小池都知事がハロウィンコスプレを楽しんでる陰で

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『銀河鉄道999』のヒロイン、メーテルのコスプレをしてご機嫌な笑顔をふりまいているのは、小池百合子都知事。池袋で10月28日に行われた恒例のハロウィンイベントに参加しノリノリだったが、そんなことをしている場合ではない。

江東区の「有明テニスの森」――。ここでは東京五輪に向け、’19年7月の完成を目指してテニス会場の建設が進められている。ところがなんと、その工事が突然ストップしてしまい、五輪開催が危ぶまれる大ピンチに陥っているのだ。

原因は、工事を請け負っていた中堅ゼネコン「エム・テック」(埼玉県)が、10月1日に突如として破産したからだ。

帝国データバンク横浜支店情報部長・内藤修氏が解説する。

「エム・テックは以前から、良くない噂や経営危機が囁かれていました。’18年7月に、橋の撤去工事の際に必要な申請書を出していなかったとして、各地の自治体から公共工事の入札に参加できない『指名停止措置』を受け、約200件、計50億円にも及ぶ仕事が消えて資金がショート。9月末に7億円、10月頭に10億円の手形決済の期日がありましたが手当できず、民事再生法を申請せざるを得なくなった。最終的には253億円もの負債を抱えて事業継続を断念したのです」

実際に本誌記者が有明テニスの森の現場を見に行くと、平日の昼間だというのに工事現場には人の気配がまったくなく、シーンとしている。重機も放置されており、工事がストップしてしまっていた。

「建築計画のお知らせ」という看板には建築主の欄に、小池都知事の名前が記載されている。さらに、その横にはエム・テックが破産した、との旨が書かれた裁判所発行の書類が貼られていた。東京五輪のテニスはどうなってしまうのか。

「同社が引き受けたテニスコートの設営は、国際基準に沿った施工をしなければならず、特殊な工事です。照明塔も特注のものであれば、すぐには作れない。工事が白紙に戻ってしまうと、大幅に遅れが生じる。仮に、この後引き継ぎの業者が見つかっても、今はどこもオリンピック関連事業で人手不足。来年7月末の完成予定日に間に合わない可能性があります」(建設コンサルタント・降籏達生氏)

もともとこの会場は、2020年の五輪の前、’19年9月末に開催される「楽天ジャパン・オープン」の会場として使用する予定だった。そこに錦織圭選手(28)ら五輪出場が期待される選手が参加すれば、コートの感触や雰囲気をつかむことができ、五輪本番に向けた良い調整になるはず。しかし、このまま来年9月に間に合わなければ、せっかくの地の利も吹き飛んでしまう。

その上、さらに工期が延びると、来年はおろか五輪にも間に合わなくなる。

まさに由々しき事態だが、都サイドからはあまり危機感が感じられない。東京都オリンピック・パラリンピック準備局施設整備担当部は本誌の取材に対しこう答えた。

「有明テニスの森の工区は大きく2つに分かれており、その片方の工事が止まっているという状況です。’19年7月が工事完了の予定ですので、期日通りに完成するよう話し合いをしています」

小池知事はコスプレ用の金髪ウィッグではなく土木作業用のヘルメットでもかぶって陣頭指揮すべきではないか――。

ハロウィンイベントに登壇した小池氏。観客に都知事だと気づかれないほど完成度の高いコスプレを披露した
ハロウィンイベントに登壇した小池氏。観客に都知事だと気づかれないほど完成度の高いコスプレを披露した

撮影:結束武郎(工事現場)

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