「辞めない、投げ出さない」 木下都議のヤバすぎる決断 | FRIDAYデジタル

「辞めない、投げ出さない」 木下都議のヤバすぎる決断

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約4ヵ月ぶりに公の場に現れ謝罪した木下都議(画像:時事通信社)
約4ヵ月ぶりに公の場に現れ謝罪した木下都議(画像:時事通信社)

もはや打つ手なし―。 無免許運転で人身事故を起こし、7月の当選後から「雲隠れ」状態だった木下ふみこ都議会議員。11月9日には約4カ月ぶりに姿を現し、謝罪の言葉を並べたものの議員辞職は重ねて否定した。

都議会は引き続き辞職を求めていくというが、現行法で守られる「議員の身分」という分厚い壁は崩せそうにはない。

世論の厳しい風当たりを受けながらも木下氏はなぜ都議にこだわるのか。その「本当の理由」を探った。

「事故・事件に関しては、これらが整理された段階で説明を行っていきたい。あらためて、この度の件で多くの皆様に大変なご迷惑をおかけし、あってはならないようなことを起こしたことを心より反省し、お詫び申し上げます。本当に、本当に申し訳ありませんでした」

赤いワンピースにジャケットを羽織い、128日ぶりに公の場に現れた木下氏は、説明を聞くために集まった報道陣を前に深々と頭を下げた。こと、こと、こと…が並ぶ会見だったが、木下氏が選んだのは「辞めないこと」であり「投げ出さないこと」だ。

月額81万7600円の議員報酬については「支給されている3回の合計192万円弱は受け取るべきではない」と考え、NPO法人などに寄付したと説明。この他に支給される月々50万円の政務活動費についても「3カ月間の総額150万円については私からは請求しません」と述べ、雲隠れ状態だった期間は「実質無報酬」となることを強調した。

しかし、報道陣から無免許運転の理由などを問う声が相次ぐと「申し上げられない」「現在は話せない」などと回答拒否を連発。議員辞職しない点には「議会の意思、有権者の意思であることは重く受け止めている」と答えるだけで、説明責任を果たすべきとの追及を振り払うように質問を打ち切った。

「木下氏はこの日、所属する都議会公営企業委員会に立つために当選後初めて登庁しました。しかし、これまで都議会は2度の辞職勧告決議を行い、議長から出席を求める『召喚状』も再三送ってきた経緯があります。他会派からは『まずは説明責任を果たすべき』との批判が相次ぎ、自民党は委員会開催を拒否しました」(都議会関係者)

議員活動の中心となる議会(委員会)が開かれない異常事態を招いていることには、「厚顔無恥とはこのこと」「体調が悪いならば議員を辞めて静養すべき」「木下氏が寄付するために税金を払っているわけではない」などの非難が相次いでいる。中には「都議会が議員辞職をさせられないならば同じような責任がある」といった声もあがる。

ただ、地方自治法に基づく「懲罰」で最も重い除名処分は3分の2以上の議員が出席し、4分の3以上の賛成で成立するものの、木下氏が「体調不良」の診断を受けているため、処分への道は険しいのが実情だ。

「都議会は議長による『召喚』を繰り返し無視した場合には、議会活動に関係があるとして『懲罰』を発動する構えでしたが、木下氏が公の場に出てきたことでこの手も塞がれた形です」(同)

なぜ木下氏は非難轟々の中でも議員辞職せず、「茨の道」を突き進むのか。その理由を、木下氏が地盤とする板橋区の関係者が「原因は『ある党』にある」と言葉を濁しながら、こう解説する。

「誰も信じてないと思いますが、木下氏は報道陣に『ぜひ続けてほしい』との声があると説明していました。だけど、本人の支援者には過去に『ある党』から、嫌がらせのような行為を受けた人がいて、『辞任してもある党を喜ばすだけだから辞めない方が良いのではないか』と本当に進言した人がいるらしいのです。それを心の拠り所にして辞めない路線を突っ走っている可能性があります」

だが、ある都議会関係者は別の見立てを示す。

「都議会には打つ手なく、もう木下氏の勝ちです」

その理由は、木下氏が事故相手との示談が成立したと明かしたことにあるという。木下氏は9月に自動車運転処罰法違反などの疑いで書類送検されており、禁錮刑以上が課せられた場合には自動失職になる。しかし、示談成立でその可能性は低いというのが大方の見方だ。

加えて、次の「舞台」は12月の都議会定例会になるが、「木下氏のことを考えて委員会の開催を見送り続ければ、条例案など都民生活に必要な審議をできなくなってしまう。それでは都議会として本末転倒」(同)になるため、委員会開催は認めざるを得ないという。

12月1日に在籍していた場合には約205万円の「ボーナス」も渡る木下氏。議員活動の継続を強調した「粘り腰」は他の議員を圧倒しているようだ。

  • 取材・文小倉健一

    ITOMOS研究所所長

  • 写真時事通信社

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