裁判資料からわかる元ロッテ・清田育宏への「球団の怒り」 | FRIDAYデジタル

裁判資料からわかる元ロッテ・清田育宏への「球団の怒り」

「契約解除は違法」とする前代未聞の裁判を起こし、注目を集める元ロッテ清田。裁判資料には、謹慎処分後のロッテの対応や裁判に至るまでの交渉の経緯がつまびらかに記されていた

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G.G.佐藤氏(手前)のサポートを受け、清田は現在も復帰を目指しトレーニングに励んでいる

清田育宏(35)が今年5月まで所属した千葉ロッテマリーンズに対し、地位確認や慰謝料など約9700万円を求めて提訴したことが注目を集めている。

清田が訴状の提出したのは9月30日で、その後、11月4日に第1回口頭弁論が行われた。清田の代理人弁護士によると、訴状を提出するに至るまでに、球団側とは何度も話し合いを重ねてきたという。しかし結局はロッテ側が交渉を打ち切り、裁判という事態になってしまった。

裁判という形になれば、世間に知られてしまうことはロッテもわかっていただろう。それでもロッテが交渉を打ち切ったのかはなぜか。東京地裁に提出された裁判資料からひしひしと伝わってきたのは、ロッテの清田に対する隠しきれない「怒り」だ。

裁判資料によると、清田は’20年12月27日から2年契約を結んでいた。年俸は6500万円で、最大3500万円のインセンティブ契約が含まれていた。清田側は突然の契約解除は解雇権の乱用だとして、以下のことを球団に求めている。

①球団選手としての地位確認

②5月23日の契約解除から訴訟まで約4ヵ月の未払い報酬約2200万円

③10月から来年12月までに支払われるべき報酬

④慰謝料1100万円

これに対してロッテは、請求棄却を求めている。契約解除には正当性があるというのが一貫したスタンスだ。

裁判資料に記載されたロッテの契約解除の理由は、次のようなものだ。

・謹慎解除から2週間もたたないうちに、再度コロナ関連のルールに違反して不要不急の外出を行ったこと。それが報道され、当球団の社会的地位を著しく低下し、従前にまして当球団に対して厳しい批判の声が寄せられた。

・経緯から、世間の非難を招き球団からも厳しい処分がなされることが容易に想像できたはずにもかかわらず、そのような行動をとり自ら進んでプロ野球選手としての活動を困難にした。

・当球団の実施したヒアリングにおいても虚偽または不合理な回答を繰り返し、説明を二転三転させるなど、当球団の調査に対する誠実な姿勢が見られなかった。

清田が無期限謹慎処分を下されたのは1月15日。その後、世間に対して自らの口で説明をしたいと球団に訴えていたことも記されている。清田は球団広報、本部長に対して「報道内容に誤りがあるので説明したい」と訴えたが、球団側からは「騒ぎが大きくなる」という理由で拒否されたという。清田は社会奉仕活動をしたいと提案したが、これも球団側から却下されている。

清田は選手会を通じて早期の無期限謹慎処分の撤回を求め交渉を続けた。3月11日には新型コロナウイルスの基金に約400万円を寄付し、直筆の反省文を球団に提出した。ここでようやく、球団の施設を使った練習が許可された。

最も興味深かったのが、約4ヵ月に及んだ謹慎中に関する内容だ。球団は清田に対して毎日細かい行動報告を求めていたという。

たとえばこんなものがある。清田が銀座に靴を取りに行ったことを広報に伝えたところ、

「なんでそんなところに行くんだ。そんなところに行くな」

と指示されたという。また、夕方4時頃に近所の公園でキャッチボールをしたことを報告すると、

「何でそういうことをするんだ。練習はひと目につかないように朝か夜にやれ」

と指示されたと記されている。

これにより清田は日中外出をすることができず、深夜の公園で一人汗を流していたようだ。5月の契約解除の際にはホテルに呼び出され、清田の言い分は受け入れられず一方的に告げられたという。

清田は契約解除から約1ヵ月後の6月15日に、代理人弁護士を通じで契約解除の無効を求める内容証明をロッテに送っている。代理人同士の交渉は複数回行われたが、結局、8月中旬に球団側から打ち切られた。

代理人間の交渉では、ロッテ側からこんな驚きの発言もあったようだ。清田との間では2年契約が結ばれていたはずだが、ロッテ側は

「2年契約について球団側は了承していない。契約を結ぶ前にフライデーの報道が出て問題化した」

と告げたという。

ロッテ側の代理人弁護士が話し合いを打ち切った理由については、以下のように記されている。

〈清田氏が本件解除を無効であると考えて対応していることが改めて浮き彫りになったと判断せざるをえないとの結論に至りました。

第一回(面談)で伝えたように、当球団は本件解除が有効だという前提とする話しあいに応じる余地があるものの、清田氏が本件解除の有効性を争うのであれば、紛争化してもやむを得ないと考え、貴職らとの話し合いに臨んでおりました。当球団と清田氏の認識に決定的な齟齬がある状態で、貴職らの提案に対して、話しあいによる解決に向けて、対案として金額を提示することはできないと判断しましたので、この段回答します〉

清田の関係者によれば、現在もNPB復帰を諦めず、練習を継続しているという。

本誌の取材に対して清田は、

「喋りたい気持ちもあるはあるんですけど、でもやっぱりちょっと、という立場なので。僕からは何も言えないので、今は」

とだけ答えた。

「処分は違法で無効」だと訴える前代未聞の裁判を起こした清田。はたして結末はいかに。

G.G.佐藤氏のサポートを受け、清田は現在も復帰を目指しトレーニングに励んでいる
G.G.佐藤氏のサポートを受け、清田は現在も復帰を目指しトレーニングに励んでいる
  • 写真G.G.佐藤氏提供

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