富士そばを不当解雇…労組委員長が明かす「ヤバすぎる現場」 | FRIDAYデジタル

富士そばを不当解雇…労組委員長が明かす「ヤバすぎる現場」

電気のつけ忘れ、消し忘れで始末書 「有給休暇に異を唱えてきた人のリストを作っといて」と管理職からメール 一日18時間勤務は当たり前で、40時間連続勤務も

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

立ち食いそばチェーン『名代(なだい)富士そば』にはお世話になったことがある人も多いだろう。そんな働く男性の強い味方に、いま泥沼裁判が勃発している。

『名代富士そば』の店舗。創業は’72年で、東京など首都圏に約130店舗を展開している(’21年1月時点)

「事の発端は、今年1月に富士そばの運営会社『ダイタンディッシュ』から、同社の労働組合委員長である安部茂人氏(54)ら二人が懲戒解雇されたことです。二人はこれを不当解雇だとして、4月に東京地裁に労働審判(裁判官と労働審判員らで構成される委員会によって、労働者と使用者の間の紛争を解決しようとする手続きのこと)を申し立てた。

そして9月に労働審判委員会が二人の解雇は『無効』という判断を下したのですが、富士そば側はこれに反発。裁判に移行し、争うというのです」(全国紙社会部記者)

安部氏は’13年から富士そばで働き始めた。川崎で主任、荻窪などで店長を務めた後、本社の係長として、店舗管理などの業務に携わった。安部氏が語る。

「主任時代は夜7時から翌朝11時までの勤務が当たり前でした。昼に月1回の店長会議があるときは、店長が不在になるので現場で代理を務め、寝ることもできず、40時間連続勤務をしたこともありました。過労で年に1回ぐらいは倒れていて、駅のホームで倒れて肋骨(ろっこつ)を折ったこともあります。本社の係長になると、5~6店ある担当店舗の売り上げや人件費、光熱費など細かい数字のチェックほかさまざまな業務をやっていました。土日や祝日も構わず働き、一日18時間勤務が常態化していました」

富士そばのブラックさは労働時間の長さだけではなかったという。

「店舗の看板の電気をつけ忘れたり、消し忘れたりしたら、それだけで始末書を書けと言われました。店長がいないときに、アルバイトが同様のことをしてしまっても、始末書を書かなければいけませんでした。お客様からの問い合わせがあれば、それが明らかに理不尽なものでも始末書です。会社では有給休暇が思うように取れないという声が社員やアルバイトからあがっていたのですが、それを知った役員から『有休について異を唱えてきた人のリストを作っといて』とメールで言われたこともあります」(安部氏)

その当時のメールが、下の画像だ。メールは役員から、安部氏ら係長に一斉に送られたという。

後輩社員らが過酷な労働環境で身体や精神を壊していくことに我慢ができなくなった安部氏は’20年5月に労働組合を結成した。未払い残業代の支払いなどを求めて労働審判を申し立てると、「改ざんした勤務記録を書いた手帳を証拠として提出した」との理由で、’21年1月に懲戒解雇を言い渡された。その後の顛末は前述した通りだ。安部氏が話す。

「実際に働いた時間を証明するために、手帳や家族とのLINEのやり取りなどと一緒に証拠として提出しただけです。でも会社側は『それは捏造(ねつぞう)だ』と取り合わない。私たちの解雇は組合つぶしを狙った不当なものだと考えています」

ダイタンディッシュを傘下に持つ『ダイタンホールディングス』はFRIDAYの取材に対し、以下のような趣旨の回答をした。

「おっしゃるような勤務状態(編集部注:18時間勤務や連続40時間勤務など)が常態化している認識はありません。(安部氏らの解雇は)客観的な事実に基づくもので、組合つぶしなどではありません。労働審判において解雇無効の判断がされたことは残念に思っておりますが、裁判官は(安部氏らが提出した)証拠について『疑義がある』旨は明言しておりますので、最低限の成果は得られたものと理解しています。訴訟移行後は丁寧な主張立証に努めて参りたいと思います」

裁判は11月24日から始まる。

役員が安部氏など本社の係長たちに送っていたメール。「意を唱えて」は「異を唱えて」の誤字と思われる
本誌の取材に答える安部氏。忙しすぎる労働環境から、同棲していた年下の女性とも昨年10月に破局した

『FRIDAY』2021年11月26日号より

  • PHOTO濱﨑慎治

Photo Gallery3

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事