<p>人類が生活できない不毛の地が、いま自然エネルギーの発電所として注目を集めている。</p>
<figure id="attachment_216297" aria-describedby="caption-attachment-216297" style="width: 3163px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2272d50b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/aflo_173372068.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216297" class="wp-caption-text">【インド】ラジャスタン州タール砂漠 ●太陽光発電　インド北西部にある世界最大級のソーラーパネル群。砂漠地帯で問題となる砂塵への対策として、専用の掃除ロボットが昼夜を問わず稼働</figcaption></figure>
<p>上の写真は、昨年３月に稼働を開始した世界最大規模の発電量を誇る太陽光発電施設『バドラ・ソーラーパーク』だ。インドの北西部ラジャスタン州タール砂漠にあるこの施設は、東京ドーム約1200個以上という広大な敷地内におよそ1000万枚の太陽光パネルが設置されている。</p>
<p>一日の発電容量は2245MW(メガワット)。これは日本の一般的な二人世帯約690万戸の一日の消費電力を賄える量である。日本でトップクラスの発電量を誇る岡山県美作市の75万枚の太陽光パネル群でさえ、一日の発電容量は200ＭＷほどで遠く及ばない。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>他にもアメリカのカリフォルニア州南部の都市･パームスプリングスには約2000基の風力発電機が広がり（7枚目写真）、中国湖北省には水力発電所として世界最大の発電量を誇る『三峡ダム』（8枚目写真）が稼働している。</p>
<p>巨大化が進む世界の自然エネルギー発電施設。その背景にはどのような要因があるのか。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「巨大化が進んだ理由には発電コストの低下が挙げられます。地球温暖化が国際問題として取り上げられるようになって以降、技術革新が相次いだ。たとえば太陽光発電は、’12年には１ＭＷを発電するのに１時間で平均217ドルが掛かっていましたが、’20年は57ドルです。８年間で約４分の１に低下しました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">その結果、より巨大な施設を作っても、ランニングコストの負担が減少した。今後もこの大規模化のトレンドは続くと思います。実際に来年も一日925ＭＷを発電する『Nokhソーラーパーク』（インド）を始め、世界中で太陽光によるメガ発電施設の稼働が予定されています」</span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>効率化を求めて各国が巨大な自然エネルギー発電施設を建造する中、一番注目を集めているのが風力発電だという。</p>
<p><span class="strongInContent">「巨大化を進めるうえでの一番の問題は、敷地面積が確保できるかという点です。その課題に、風力発電は『海上』という答えを持っている。実際に洋上風力発電は、全自然エネルギー施設の中で一番の増加率が見込まれており、’20年は全世界の新規設備の発電容量が合計６GW(ギガワット)でしたが、’30年には80GWまで伸びるとされています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">とくにイギリスでは大型プロジェクトが目白押しで、“メガ発電”を超える大規模な“ギガ発電”施設が相次いでいる。’22年に稼働開始予定の1.4GWを発電する『ホーンシー２』はその筆頭です」（前出・山田氏）</span></p>
<p>その進化はまだまだ止まらない。</p>
<h3>【イギリス】アイリッシュ海 ●風力発電</h3>
<figure id="attachment_216300" aria-describedby="caption-attachment-216300" style="width: 4253px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="980a385a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/PE1A0T-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216300" class="wp-caption-text">【イギリス】アイリッシュ海 ●風力発電</figcaption></figure>
<p>世界最大の洋上発電施設として’19年９月に稼働開始。高さ約190ｍという超巨大発電機87基が、東京ドーム3000個以上という広大な海洋上に広がる。</p>
<h3>【モロッコ】ワルザザート ●太陽熱発電</h3>
<figure id="attachment_216294" aria-describedby="caption-attachment-216294" style="width: 3844px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c0f48323"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/aflo_50832081.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216294" class="wp-caption-text">【モロッコ】ワルザザート ●太陽熱発電</figcaption></figure>
<p>円環配置されたソーラーパネルに反射させ、中央にある塔に太陽光を集中させる「集光型」太陽熱発電所。同仕組みではモロッコ初の施設。</p>
<h3>【中国】江蘇省宿遷(しゅくせん)市 ●太陽光発電</h3>
<figure id="attachment_216299" aria-describedby="caption-attachment-216299" style="width: 3241px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b1ce8b0c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/GettyImages-1328115439.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216299" class="wp-caption-text">【中国】江蘇省宿遷(しゅくせん)市 ●太陽光発電</figcaption></figure>
<p>魚の形にデザインされたソーラーパネル群。中国には遊び心が込められた発電施設がいくつもある。</p>
<h3>【中国】山西省大同市 ●太陽光発電</h3>
<figure id="attachment_216295" aria-describedby="caption-attachment-216295" style="width: 3059px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3be7aa98"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/aflo_63388530.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216295" class="wp-caption-text">【中国】山西省大同市 ●太陽光発電</figcaption></figure>
<p>こちらはパンダをモチーフに配置。’22年までに同様の太陽光発電所が約100ヵ所建設される予定。</p>
<h3>【中国】山東省済南市 ●太陽光発電</h3>
<figure id="attachment_216296" aria-describedby="caption-attachment-216296" style="width: 3576px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b048a9a9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/aflo_67421742.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216296" class="wp-caption-text">【中国】山東省済南市 ●太陽光発電</figcaption></figure>
<p>’17年開通の、太陽光パネルが敷かれた高速道路。将来的には走行中に電気自動車の充電も可能に。</p>
<h3>【アメリカ】カリフォルニア州パームスプリングス ●風力発電</h3>
<figure id="attachment_216298" aria-describedby="caption-attachment-216298" style="width: 4200px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="41c107d9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/GettyImages-1692720-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216298" class="wp-caption-text">【アメリカ】カリフォルニア州パームスプリングス ●風力発電</figcaption></figure>
<p>カリフォルニア州には大規模な風力発電所がいくつも存在する。同州の南部・テハチャピ峠には、約5000台が山全体を覆う巨大施設もある。</p>
<h3>【中国】湖北省宜昌(ぎしょう)市 三峡ダム ●水力発電</h3>
<figure id="attachment_216292" aria-describedby="caption-attachment-216292" style="width: 4108px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="492f5af1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/aflo_9893531.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216292" class="wp-caption-text">【中国】湖北省宜昌(ぎしょう)市 三峡ダム ●水力発電</figcaption></figure>
<p>世界最大となる2万2500MWを発電可能なモンスターダム。長江から流入する大量の水で、貯水量も最大クラスとなる393億㎥を記録する。</p>
<h3>【アイスランド】ケプラヴィーク ●地熱発電</h3>
<figure id="attachment_216293" aria-describedby="caption-attachment-216293" style="width: 2733px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="dfacf21f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/11/aflo_10631980.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-216293" class="wp-caption-text">【アイスランド】ケプラヴィーク ●地熱発電</figcaption></figure>
<p>国内トップクラスの発電所。汲み上げた地下熱水の排水を利用した、隣接する温泉『ブルーラグーン』も有名。手前には入浴客が見える。</p>
<p>『FRIDAY』2021年12月3日号より</p>


アフロ　ゲッティイメージ

人類が生活できない不毛の地が、いま自然エネルギーの発電所として注目を集めている。巨大化が進む世界の自然エネルギー発電施設。その背景にはどのような要因があるのか。

スケールがケタはずれ！世界の自然エネルギー発電のヤバい実力

あなたへのオススメ