「私、上級国民」年収470万公務員がアプリ婚活で作った人妻彼女 | FRIDAYデジタル

「私、上級国民」年収470万公務員がアプリ婚活で作った人妻彼女

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ステキな彼女も釣れればな…
ステキな彼女も釣れればな…

株式会社タップルによれば、 2021年のオンライン恋活・婚活マッチングサービス市場は、前年比23%の増加で768億円になり、2026年には2021年比約2.2倍の1,657億円…と拡大していくことが予測されるという。

周囲をみれば、たしかにマッチングアプリを使う人は、もはや珍しくもなんともなくなっている。そんななか、

「みんなマッチングアプリで相手を見つけて結婚したと聞いていたのですが、ぼくは婚活アプリを使うことをずっとためらっていたんです」

と話すのは、30歳、関東近郊の役所に勤める地方公務員の山西さん(仮名)だ。

山西さんによれば、出会い系アプリには、構造的な大問題があるのだという。

「それは身バレです」

マッチングアプリで自分が恋愛のパートナーを探すためには、基本的には自分の写真をアップする必要がある。山西さんは、自分が恋愛のパートナーや結婚相手を探していることを職場、家族、友人に知られるのが心の底から嫌なのだという。

自分とはわからないように、顔写真を加工をしてやってみたこともあったが、「やっぱりいつバレるか不安だった」のだという。

しかし、そんな山西さんに転機が訪れることになる。

「中国人の釣り仲間に教えてもらったのが、中国の出会い系アプリ『Tantan』です」

Tantanは、アジアNo.1 を謳う、中国発の出会い系アプリだ。日本語版公式ホームページには『全登録ユーザー数は3億を超え、1日の利用者数が1,000万人以上となります。Tantanでは、毎日10億回もの出会いのチャンスや1000万回ものマッチングが生まれ、気の合う若者同士の新たな出会いの場となっています』とある。

日本ではあまり知られていないが、日本に居住する中国人の間ではよく知られているアプリなのだという。

「利用者のほとんどが中国人で、私が身バレする心配はないと見ています。基本的には、日本に住む中国人が日本人を嫌いなわけがない。そして、Tantanを知っている日本人はほとんどいない。釣りをしながら、このアプリは、オレしか勝たん、と心の底で叫びました」

Tantanには、何らかの商品を売りつけたり、お金を送金させることが目的の業者と思しき、サクラの登録も少なくない。個人情報を提供することに抵抗もあった。しかし、山西さんのなかで渦巻く「出会いは欲しいが身バレはイヤだ」という気持ちが、その抵抗を押しのけた。山西さんは、昼夜、寝る間を惜しみ、仕事の合間を縫っては、このアプリに熱中したという。

しかし、なかなか相手にしてもらえない。それもそのはず、山西さんは、中国語ができないのだ。中国系Tantanの利用者には日本語ができる人は少ない。必死でグーグル翻訳を駆使して、1か月の間、頑張った。

すると、1人のパートナーを獲得した。所沢に住む、20代の後半の女性だ。

「一般的に、日本人と恋愛をしたい中国人を想像すると、ビザや国籍がほしい人とか、貧しい人を想像してしまいがちですが、中国は本当に裕福になったんだなとわかりました。なぜなら私の『彼女』はそんなことをねだっては来ないからです」

年収470万円の地方公務員・山西さんは、浪費癖が激しい。「公務員は将来不安が一切ない上級国民ですから」と、釣り、ソロキャンプ、街コンなど趣味への惜しみない投資で、貯金はゼロ。高い買い物はリボ払いで買ってしまう。

「そんな私にとって、彼女は女神のような存在です」

食べるもの、カラオケ、遊園地、ラブホテルまで、お金のない山西さんに代わって全部彼女が支払い、別れ際には交通費まで出してくれるという。

幸せそうな山西さんに、「彼女と結婚するのですか」と聞いたところ、「うーん」と暗い表情になった。

「実は、彼女、中国人の実業家と結婚しているんです。その実業家が1か月ぐらいの単位で上海に帰ってしまうので、その間、ぼくが付き合っているような感じです」

今回、ITOMOS研究所は、金融広報中央委員会「知るぽると」 が実施した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)」から、日本人が「心の豊かさを実感するとき」の、「趣味の充実」「仕事の充実」「人・社会への貢献」を摘出して年代別に比較した。

山西さんに限らず、若年層は「趣味の充実」に心の充足を感じることが顕著で、年齢を追うごとに、人・社会への貢献にも意義を感じるようになっていく。

「彼女にも、一回、既婚だったことを抗議したんです。そうしたら、はじめの段階で、ちゃんと伝えていたと。グーグル翻訳は、長文だったり、話し言葉だったりするときちんと翻訳してくれないことも多くて、こっちはパートナーをつくりたい一心だったので、読み飛ばすことも多くて……。

でも、彼女が欲しい僕には、お金がない。彼女は、お金はたくさん持っていますが、夫がいなくて寂しい思いをしている。僕らの関係は、テトリスのようにお互いを補い合えているような気がしています」

山西さんと彼女の恋愛関係は、彼女の夫の帰国により、即刻解消されたという。それでも彼は、彼女との時間を「幸せな記憶」と留めているのだから、誰が彼に意見を言うことが出来ようか。いや、出来まい。

  • 取材・文小倉健一

    ITOMOS研究所所長

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