岸田首相も震えた…コロナ新変異株で「第6波」非常事態の深刻度 | FRIDAYデジタル

岸田首相も震えた…コロナ新変異株で「第6波」非常事態の深刻度

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各国の新型コロナ感染者数を表すグラフを見ると、スロバキアなどの国で感染者がぐっと増えているのがわかる。「91-DIVOC」より
各国の新型コロナ感染者数を表すグラフを見ると、スロバキアなどの国で感染者がぐっと増えているのがわかる。「91-DIVOC」より

「ワクチンが効かないとなれば、日本も1日5万人の新規感染者という最悪の非常事態を想定しなければならない。対策、準備を急いでほしい」

岸田文雄首相は、厚労省担当者の説明を聞いて、こう指示をした。差し出された「第6波」の可能性に、レポートを持つ首相の手は震えていたという。

コロナ対策に従事する厚労省キャリア官僚はこういう。

「欧米で感染が拡大している新型コロナの感染状況の調査を行っています。その結果は日々、欧米における感染症レポートとして岸田首相にも報告しているんです。

先日の報告に、首相は『新たな変異株が発見された? 本当に? 調査結果は出ているのですか?』と。

レポートの冒頭に『イギリス保健省、アメリカCDCNational Institutes of Health』と、出典が明記されています。が、その調査主体を聞き直すほど、岸田首相は動転していたんです」

医師免許を持つ厚労省関係者が、証言する。

「『B.1.1.529』という、新たに発見された新型コロナのウイルス変異株は、前のデルタ株よりさらに感染力が強いと報告されています。

日本は、菅義偉前首相の号令で迅速にワクチン接種を進めました。それによって、感染の流行を沈静化させ、今はかなり落ち着いています。が、この変異株が日本に入ってきたら日本でも流行する可能性があると岸田首相に報告しました。緊急事態に備えなければなりません」

今、日本は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という状況だろう。が、海外では感染の拡大が取り沙汰されているのだ。

隣の韓国では、この2週間に1万5000人の新規感染者があった。韓国内のワクチン接種率は79.4%。ほとんどがブレイクスルー感染だ。人口あたりの死亡者は、過去最高のレベルになっている。

これに対し岸田首相は、

「韓国の状況が新たな変異株と関連しているなら、日本も年内に第6波がくるのでは。ワクチン接種を前倒ししても、間に合わないということか」

と担当課に問い合わせるも担当者はこれに答えられず、省内は今、かなり慌てているという。

イギリス保健省は、アフリカ南部で感染拡大している新型コロナウイルスの新たな変異株が、猛威を振るったデルタ株をさらに上回る強毒性をもつと発表した。この新型の変異株は香港でも発見されており、一段と警戒感が高まっている状況だ。

こうした情勢を踏まえ11月11日、菅前首相を官邸に呼んでコロナ対策について話し合った。岸田首相は先の厚労省の世界感染症レポート状況報告書を示しながら、

「ワクチンが効かない新型コロナ変異株が発生した可能性があります。引き続き、菅さんにご助力いただきたい」

と頼んだのだという。

岸田首相が、そこまで警戒する「変異株」は、ワクチンで抑制できたこれまでのウイルスとはまったく違う。

「新たな変異株は、遺伝子に多くの変異が生じているのが特徴です。イギリスの研究機関は、これまでのデルタ株に比べ強毒性が『2倍』だと発表しています。イギリスで感染が拡大すると、その2ヶ月後には日本でも流行するというこれまでのパターンを考えると、日本でも年末から来年2月までに大きな流行が起きるのかもしれません」(新型コロナ感染対策を委嘱された医師)

強毒化した変異株はすでに、南アフリカ、香港、ボツワナでも検出されている。感染者数は急激な増加を示し、各国にとって「かなり深刻」な状況になっている。

日本でも26日から、南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの6か国を訪れた日本人らに対し、帰国後、待機施設で10日間の待機を求めることを発表した。

今年6月下旬から日本で始まったいわゆる「第5波」は、8月20日に全国で「25851人」という過去最多の新規感染者を数えた。あのときは、日本中が新型コロナウイルスに怯えていた。そのデルタ株の「2倍の強毒性」をもつといわれる『B.1.1.529』変異株。これが「第6波」を招くのだろうか。

さまざまな制約が解かれ、日常生活を取り戻しつつある日本は「喉元過ぎれば」で、警戒心が薄れているのが現状だろう。年末年始は人が集まる機会も多い。また、冬場に向かって寒さ、乾燥、換気不足など「風邪を引きやすい」条件が揃ってしまう時季でもある。

「ワクチンが効かないウイルス」の報告に手を震わせた岸田首相の警戒は、けっして大袈裟ではないのだろう。

  • 取材・文橋本隆

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