市場激変!「東証再編」で注目を集めるスゴイ銘柄40 | FRIDAYデジタル

市場激変!「東証再編」で注目を集めるスゴイ銘柄40

’22 年4月に、現在の4市場から3市場体制に移行 影響を受ける3700社の株価は大きく変化する

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それまでジャスダック銘柄だった日本マクドナルドHD。東証再編で「プライム昇格」の筆頭として挙げられる

市場に激変が迫っている。’22年4月に東京証券取引所は現行の東証1部、2部、そして新興企業向けのマザーズ、ジャスダックの4市場を廃止。そして新しくグローバル企業や大企業が中心の「プライム」、中堅企業向けの「スタンダード」、成長企業向けの「グロース」の3市場へと移行するのだ。auカブコム証券のチーフストラテジスト・河合達憲氏が解説する。

「東証再編の背景には2つの要因があります。ひとつはそれぞれの市場の性格が曖昧(あいまい)になっていたこと。東証1部と2部にかつてのような差がなくなり、マザーズとジャスダックの違いも不透明になっていた。これを性格の異なる3市場に整理するという目的があります。もうひとつは東証の内部事情です。市場の数が多ければ、それだけ事業運営のコストがかかります。それを3市場に統合することでコストダウンを図りたいという狙いもあると思われます」

この再編により、現在の4市場に上場している約3700社の会社の株価に影響を与えるのは間違いない。各企業が3つの市場のどこに含まれるかは、流通株式比率や流通株式時価総額などが基準になる。河合氏が続ける。

「いま東証1部の銘柄は基本的にはプライム市場に移行するとみられています。投資家が注目すべきは、東証2部、マザーズ、ジャスダックなどからプライムに昇格する可能性がある企業です。どの市場にいるかということは、企業にとって大きな意味があります。これまで東証1部ではなかった企業がプライム市場に昇格することで、ファンド勢の組入れなど流動性が高まる。温度センサー部品でトップを走る芝浦電子や日本マクドナルドホールディングス、『ケンタッキーフライドチキン』を運営する日本KFCホールディングスなどは注目です」

上場企業は今年12月30日までに所属したい市場を東証に申請する。結果は1月に東証から通知されることになっているが、すでに選択する市場を発表している企業もある。金融情報サービス『フィスコ』のアナリスト・白幡玲美氏が語る。

「プライム昇格有力銘柄であっても、すでにスタンダード市場を選択した企業もあります。なので、まだ市場を選択していないものの、プライム市場の基準を満たしている銘柄はチェックしておいたほうがいいでしょう。医療ビッグデータの提供などを行っているJMDC、転職サイト『ビズリーチ』を運営するビジョナルなどが挙げられます」

『アセットマネジメントあさくら』のシニアアセットコーディネーター・芥川達男氏はこう話す。

「ジャスダック銘柄は要注目だと思います。実は同じ新興市場でも、ジャスダックはマザーズより人気がないのです。従来の基準では、ジャスダックはマザーズと比べて東証1部への上場の基準が厳しく設定されています。そのためIPO(株式の新規公開)の際も、マザーズを選ぶのが一般的で、結果的にマザーズのほうが活況を呈しているのです。
東証の再編によってジャスダック銘柄が新市場に移行し、割高に買われているマザーズ銘柄と比較されることで、ジャスダック銘柄が割安感から買われるといった事態が起きる可能性が高いのです。終末期医療施設『医心館』を展開するアンビスホールディングスや中古不動産一括見積もりサイト『イエウール』を運営するSpeeeなどはいいと思います」

東証1部の全銘柄を対象としているTOPIX(東証株価指数)も要注意だ。

「東証再編でTOPIXの基準も変わり、これまでとは違って、基準を満たさない銘柄は機械的に切られていくことになります。そうなるとTOPIXに時価総額の大きい日本のトップ企業が占める割合が高くなり、それらに海外の投資家のマネーが流入し、強い企業がより強くなるという流れになると考えられます。リクルートホールディングスや、ダイキン工業などはチェックしておいてもいいでしょう」(経済ジャーナリスト・和島英樹氏)

「親子上場」もキーワードだ。これは親会社と子会社の双方が上場している状態のこと。『こころトレード研究所』所長の坂本慎太郎氏が話す。

「再編に伴って子会社が流通株式比率などの基準を満たせないため、親子上場を解消しようとする動きがあります。その子会社がグループ内で重要な企業であれば、親会社がその企業を完全子会社化して非上場化する可能性がある。親会社によるTOB(株式公開買い付け)となれば、買い付け価格は市場よりも割高となるのが一般的です。なので、その子会社の株をいまから買っておこうという発想です。三井金属鉱業の子会社の三井金属エンジニアリングや、三菱ケミカルホールディングスの子会社の日本酸素ホールディングスなど。これらはいずれも親会社が50%以上の株式を保有しており、グループ内で重要な企業と考えられます」

PBR(株価純資産倍率)に注目するというのもひとつの手だ。PBRはその会社の資産に対して株価が割高か割安かを判断できる指標のこと。株式アナリスト・鈴木一之氏が話す。

「この東証再編には、以前から批判されてきた企業の低収益体質の改善という狙いがあると考えられます。それには株式の持ち合い構造をなくすのが近道です。新市場体制では流通株式比率が重要で、これまでの安定大株主が保有株を売却するというケースも出てくる。そうすることで、新たな株主の中に『物言う株主』が現れたり、これまで『物言わぬ株主』だった安定大株主が積極的に介入し始めたりするといった変化が起きる可能性があるのです。経営陣が刷新されるという事態が起きる企業もあるでしょう。
日本には技術力やポテンシャルはあるのに、日本特有の馴れ合い経営のために、株価がそれに見合わない企業が非常に多い。この東証再編は、そうした企業にとって大きな刺激になる可能性が高い。ポテンシャルに比べてPBRが低い企業は注目すべきでしょう。情報機器メーカーのコニカミノルタや大手OA機器メーカーのリコー、精密機器メーカーのシチズン時計などが挙げられます」

市場の激変は投資の好機だ。この波に乗らない手はないだろう。

埼玉県さいたま市に本社がある芝浦電子。一般的な知名度は高いとは言えないが、多くの識者が「買い」と判断
東証が企業の所属する市場を公表するのは’22年1月11日。その後、4月4日から、一斉に新市場に移行する


『FRIDAY』2021年12月10日号より

  • PHOTO香川貴宏 共同通信社(東証)

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