母校・早大に自筆原稿を寄贈 村上春樹の記者会見を読み解く

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村上氏が日本で記者会見を行うのは、1981年に処女作『風の歌を聴け』が映画化されたとき以来のことだという

「村上春樹さんはもともと人前で話すことが苦手な方で、かつて’07年に早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞された際は、スピーチだけで質疑応答はなし。今回の記者会見では記者とのやりとりでジョークを言って笑いをとっていたので、かなり大きな心境の変化があったのではないでしょうか。今回の会見が作家人生のターニングポイントになる可能性もあると思います」(早稲田大学教授の石原千秋氏)

11月4日、作家の村上春樹氏(69)が、国内では37年ぶりとなる記者会見に出席した。その席で村上氏は、母校・早稲田大学に自筆原稿、執筆に利用した資料や1万数千枚に及ぶレコードコレクションを寄贈すると発表したのだ。

「現役作家が、自分の”商売道具”をさらけ出すのは非常に勇気のいることです。研究者や愛読者の中では、今回の寄贈は『村上さんが終活を始めたのではないか』と危惧する声もあがりました」(石原氏)

実際、今回の行動が今後の村上作品にどんな意味を持つのか。石原氏が続ける。

「村上さんの一番の特徴は、デビュー以来全く文体が変わらないこと。青年期の若々しい文体をずっと続ける稀有な作家ですが、自分の原稿を手放すことで村上さんの意識が変わり、文体に影響が現れる可能性があるのではないでしょうか」

次回作に熱い注目が集まっている。

本誌未掲載カット

撮影:蓮尾真司

Photo Gallary2

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