「鎖国」に踏み切った「岸田文くん」が初めて迎える大試練 | FRIDAYデジタル

「鎖国」に踏み切った「岸田文くん」が初めて迎える大試練

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11月29日、「全世界からの外国人の入国停止」を決めた岸田文雄首相。27日には、自衛隊の観閲式に出席、日本のリーダーとしての責任をかみしめていた 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

南アフリカで確認された新型コロナの新変異株「オミクロン(Ο)」。新たに北米カナダでもウイルスが検出、確認されたことで、アメリカ政府は急遽、バイデン大統領とファウチ博士が緊急協議を行った。

CDCNIHなど感染症に関係する各機関は警戒レベルを一段と引き上げ、緊張感が高くなっています」(外務省幹部)

新型コロナウイルスがまた、地球規模で感染拡大の兆候を示し始めている。

こうした状況を受けて岸田首相は29日午後、官邸のエントランスホールで記者会見した。語られたのは、極めて迅速かつ大胆な政府見解である。

「最悪の事態を避けるため緊急避難的な予防措置として、1130日午前0時より、世界のすべての国や地域を対象に、外国人の新規入国を原則、停止いたします。また、オミクロン株が確認された14カ国·地域からの帰国者に対し、厳格な隔離措置を行うことといたしました」

水際対策を強化する一方、世界的にブレイクスルー感染が指摘されるなか、「ワクチン3回目接種については予定通り12月1日から開始する」という。

南アフリカなど9カ国に対する入国禁止規制から、全世界入国禁止と拡大した岸田首相の思い切った判断に、戸惑う声も聞こえる。

11月8日から、外国人ビジネス関係者や留学生、技能実習生の新規入国を例外的に解禁したばかりだった。が、これはオミクロン株の急拡大によって方針転換を迫られることになった。厚労省幹部が言う。

「岸田政権発足以降、首相は毎日のように世界のコロナ感染状況を気にしていました。菅政権の轍を踏まないよう、それは神経質なほどで、ジョンズ·ホプキンス大学の統計や、CDCEU加盟国の研究機関の情報収集。国内では、厚労省と研究機関、外務省には在外公館からの情報収集を指示していたのです。変異株確認では、まずアジア圏の状況把握。そして、オミクロン株の日本への流入時期、国内感染拡大シミュレーションが求められ、国立感染症研究所や東大医科研、理研といった各研究機関は今、完全にオミクロン調査にシフトされています」

安倍元首相も黙らせた「文くん」発言

アピール力に乏しい印象だった岸田首相だが、政権発足から今日に至るまでの評価は意外に高かった。歴代の内閣が一目置く政界のオピニオンリーダーはこう言っていた。

「文(ぶん)くんは、思ったよりずっとうまく政権運営ができている。このままなら、来年の参院選挙も大過なく乗り切れるのではないか。そうなると、任期満了まで4年。長い政権が維持できるかもしれない」

この発言に政界は敏感に反応した。

「安倍晋三元首相も、この発言を聞いてこれまでの高市ゴリ推しから一歩引かざるを得なくなったようです。これに『文くん』は大いに喜んでいます。岸田首相は幼い頃、父の文武氏や、その周辺の政界関係者、たとえば中曽根康弘元首相などから『文くん』と呼ばれていたとか。当時から付き合いのある大物ならではの発言でした」(自民党長老)

文くんは、茂木敏充を幹事長におき、林芳正を外相にという絶妙な人事をしれっと行った。そして麻生太郎を副総裁に、河野太郎を広報委員長、小泉進次郎を総務会会長代理とうまく収めた。菅義偉前首相は、事実上のワクチン担当閣外協力として波風を最小限とした。この人事が、政界のドンをして「文くんなかなかの手並みじゃないか」と言わしめたのだ。

しかしオミクロン危機は、これまで順風満帆に見えた岸田政権にとって最初の試練となりそうだ。

「オミクロン対策、第6波対策、たしかに早めの対応がいいだろう。が、まずは正確な情報把握と国民への発信が必要ではないか。感染が拡大してはいるが、オミクロン株に置き換わっているという情報はまだない。

今のところ、死者数は比較的抑えられていることから、ワクチンによる重症化予防効果はあるようだ。一気に鎖国という判断は、いたずらに国民の不安と混乱を招く恐れだってある。経済への影響も小さくない。

それでも、岸田首相がこのような強固な対策にうってでた理由は、昨年インフルエンザが流行しなかったため、今年は新型コロナとインフルのW流行が懸念されること。そしてもうひとつ、岸田首相は、菅政権の厳しい1年間の轍を踏むまいと前のめりになっているようにみえる」(岸田首相周辺議員)

このタイミングでの「鎖国」決定は、ややエキセントリックな印象は拭えないが、オミクロン株が国内に流入し「第6波」を起こす心配はある。感染が拡大してからでは遅いのだ。ここまで順調に地雷を避け、失言をせずに運営してきた岸田政権に、忖度なしの新型コロナ感染の脅威が迫っている。

  • 取材・文岩城周太郎

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