60代経営者の告白「国際ロマンス詐欺で2300万円ダマされて」 | FRIDAYデジタル

60代経営者の告白「国際ロマンス詐欺で2300万円ダマされて」

被害続出! これまで女性がターゲットになることが多かったが、最近は中高年男性が標的に

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「女の愛の言葉を信じてしまった……」

そう肩を落とすのは、四国で農業を営む60代の独身男性。組織的な「国際ロマンス詐欺」に、2300万円を騙(だま)し取られた被害者である。

詐欺に使用されたと見られる女性の画像。実際のSNSアカウントなどを偽造して近寄ってくるケースもある

「国際ロマンス詐欺」とは、海外の詐欺師がSNSなどで知り合った相手に好意を抱かせ、カネを振り込ませる新手の詐欺だ。詐欺事件に詳しい加藤・浅川法律事務所の加藤博太郎弁護士が語る。

「コロナ禍以降、私の元にも億単位の被害相談が複数件来ている。以前は女性の被害者が多かった印象だが、このところは中高年男性がターゲットにされるケースも増えている」

軍人や医師などと身分を偽(いつわ)るのが詐欺師の常套手段だが、最近は新たな手法も出てきている。冒頭の男性が振り返る。

「女とは、5月中旬、『Yahoo!パートナー』というマッチングサイトで知り合った。自称シンガポール育ちの30代の日本人で、アパレル会社を経営する美奈子と名乗っていました。チャットや通話の際の日本語は不自然でしたが、海外育ちはそんなもんか、と思っていた」

他愛のないやりとりを続けるうち、男性は美奈子に特別な感情を抱くようになり、出会いから約1ヵ月後には「今日から僕は君の全てを本気で愛します」と送信している。しかし美奈子はこれに、「あなたは十分な富を稼いでこそ自分の好きなことをすることができます」と返信し、ある提案を持ち掛けてきた。

「美奈子は一緒に共同のFX口座『愛口座』を開設し、互いに資金を入金して運用して、二人の将来の資金を作ろうと誘ってきた。『利益と同時に私たちの愛も深まる』と。そして、自身が使っている海外のFX取引業者の『サービスマネージャー』だというRudyという人物をLINE上で紹介してきた。私がRudyの指示に従って身分証明書などを提出すると、すぐに口座が開設されました」(男性)

開設から2週間後、男性はRudyが指定する入金用口座に120万円を送金した。しかし、その指定口座の名義は「グエン・ヴァン・フォック」というベトナム系の名前になっていた。

「おかしいと思ったのですが、『国際送金は入金反映まで日数がかかるため、スタッフの個人口座を使っている』と説明され、納得してしまった。美奈子からも、1200万円を同じ愛口座に振り込んだ履歴が送られてきたので信じてしまった。そして何より、私たちは結婚を誓い合っていた」(男性)

さらにその後も男性は、複数回にわたって愛口座に資金を追加。総額1700万円の送金を行った。

「愛口座の残高は、倍々ゲームで増えていった。入金から1ヵ月ほどして、3億円近くになったのを機に、二人で話し合い、全額を引き出すことにした」

男性は、美奈子との愛の生活を思い描いていただろう。しかし……。

「Rudyから、出金するには約20%の税金を追加で支払うように言われたんです。資産のほとんどを愛口座に入金していたので借金をして600万円を追加入金したが、いろいろ理由を付けられて最終的に『口座は凍結した』と告げられた。ここでようやく騙されたと気づきました」

美奈子とRudyはグルで、開設したFXの取引口座もダミー。美奈子の送ってきた振り込み履歴も偽造だったのだ。

男性の被害について、「Yahoo!パートナー」を運営するヤフー株式会社の広報担当者は、「本件に関しては事実関係を確認中のためコメントは控えたいが事実であれば遺憾」とし、「カスタマーケアスタッフが24時間365日体制でサポートしており、ガイドライン違反者は退会処分にしている」とも明かした。

前出の加藤弁護士が言う。

「犯人グループが海外を拠点としていれば、IPアドレスの開示請求は難しい。入金した口座も、ベトナム人を中心とした外国人が帰国前に転売したものであることが多く、追跡は不可能。入金してしまったら、すぐに警察に通報してほしい。振り込め詐欺救済法により口座が凍結されれば、残高から被害回復分配金が支払われる可能性もある」

ロマンスはそう簡単には起こらない。

詐欺に使用されたと見られる女性の画像。実際のSNSアカウントなどを偽造して近寄ってくるケースもある
詐欺に使用されたと見られる女性の画像。実際のSNSアカウントなどを偽造して近寄ってくるケースもある
詐欺に使用されたと見られる女性の画像。実際のSNSアカウントなどを偽造して近寄ってくるケースもある
被害にあった果樹園経営者の男性。ほぼすべての資産をロマンス詐欺によって騙し取られてしまったという

『FRIDAY』2021年12月10日号より

 

  • 取材・文奥窪優木

    ライター

  • PHOTO「ストップ!国際ロマンス詐欺」HPより(1~4枚目)

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