ドン・ファン殺人事件「疑惑の筆跡」鑑定書の現物を独占入手!
遺言書裁判に新展開 重要争点である野崎幸助氏の筆跡はすべての字がニセモノだった!
〈個人の全財産を田辺市にキフする〉
そう書かれていたあの遺言書は、やはりニセモノだったのか……。
紀州のドン・ファンこと野崎幸助氏(享年77)の遺言書を巡る裁判に新展開があり、大きな注目を集めている。
’18年5月に自宅で殺害された野崎氏の遺言書が見つかったのは、死後3ヵ月が過ぎた頃だった。長年の友人を名乗る人物が「ドン・ファンから預かっていた」として、突如、弁護士を通じて裁判所に提出したのだ。
遺言書の内容を受け、田辺市は’19年9月に受け入れを表明した。それに対し遺族は、「遺言書の無効の確認」を求めて’20年4月に提訴した。
「その後、裁判は継続されていましたが、12月6日に『遺言書の筆跡はニセモノとする鑑定書が3通提出されていた』と共同通信が報じたのです。閲覧可能になった裁判資料を精査した結果、明らかになったようです」(全国紙司法記者)
FRIDAYは1年以上前の’20年10月時点で、件(くだん)の鑑定書の現物を入手(3枚目の画像)。その内容を詳細に報じている。
この鑑定書を作成したのは『一般社団法人 日本筆跡鑑定人協会』の鑑定人だ。野崎氏が生前に残した「公正証書」などの筆跡と遺言書の文字を比較し、41ページにわたって分析している。そして、「野」「﨑」「幸」「助」「人」「全」「殿」などほぼすべての筆跡について、
「異筆とするのが自然である」
としているのだ。
FRIDAY報道後、さらに遺族側は2通の鑑定書を追加提出しており、内容に多少の差はあるが、いずれも「別人による筆跡である」という結論だった。
保管状況や提出された経緯など、遺言書裁判における争点は多岐にわたるが、「筆跡鑑定」が重要なポイントになるのは間違いない。
「遺族側に対抗すべく、田辺市側も鑑定書を提出するか注目されています。しかし、田辺市側に今のところその動きは見られず、『鑑定書を出すかどうか検討する』という態度を取り続けています。田辺市側は、遺族側が提出した鑑定結果を覆(くつがえ)すのが難しいと考え、筆跡の真偽を争点からズラそうとしているのかもしれません」(全国紙司法記者)
田辺市はさらに、今年10月初旬に突如として野崎氏が経営していた『アプリコ』など会社2社の破産申請の申し立てを行っている。『アプリコ』には過払い金を支払わなければならない案件があり、破産させることでこれを無くす狙いがあったとも言われている。田辺市側の不可解な態度に、野崎氏の実兄である樫山豊吉氏は憤りを隠さない。
「遺言書の裁判にしろ破産申請の申し立てにしろ、田辺市の態度を見ていると、何とかして幸助の遺産を手に入れようとしているとしか思えません。それが行政のやり方でしょうか。私たち遺族は別に幸助の遺産が欲しいわけじゃない。真実を明らかにしたいだけです」
田辺市は野崎氏の遺産相続費用として、すでに約1億8000万円もの莫大な予算を計上している。市民の血税を大量投入している手前、どうしても遺産を手に入れたいのだろうか。




『FRIDAY』2021年12月24日号より