M-1直前!錦鯉「肩と腰の痛みに耐えて、死ぬ気で優勝します!」
2年連続の快進撃
昨年、最年長ファイナリストとして『M-1グランプリ』決勝でツメあとを残した『錦鯉』。長谷川雅紀(50)の体を張ったボケと、渡辺隆(43)の鋭いツッコミを武器に、念願のブレイクを果たしたあのコンビが帰ってきた。自らの持つ最年長記録を更新し、2年連続となる『M-1』決勝へと駒を進めた。
FRIDAYは吉報の2日後に『錦鯉』を直撃。2度目の夢舞台が決まった心境を1時間にわたってタップリと聞いた。
長谷川「決勝進出が決まったときはめちゃくちゃ嬉しかった。正直、準決勝は不安だったんです。去年のほうがウケたような気がして」
渡辺「俺はいままでで最高のパフォーマンスができた手応えがありました。結果を聞いたときはホッとしたな」
長谷川「ネタ中、全然緊張しなかったんだよ。僕たちのことを知って下さっている人が増えたって思えた影響かな。普段の劇場でやってる感覚に近いというか」
渡辺「本当に? 俺も緊張しないかなと思ったけど、まったく変わらなかったぞ。決勝も絶対、緊張するんだろうなぁ」
長谷川は今年で50歳の大台に突入。渡辺も40代半ばに差し掛かる。芸歴20年越えのベテランが懸念するのは、メンタルよりも〝コンディショニング〟だ。
長谷川「実は準決勝直前、ネタの最中に腰を痛めてしまったんです。僕は壇上を駆け回ることが多いんですが、50歳になると腰への負担がバカにならなくて(笑)。マネージャーさんに整体を紹介してもらって、なんとか乗り切りました」
渡辺「中腰になったり、動き回ったり、うちのネタは腰に負担がかかるからね」
長谷川「あと、僕は歯が10本ないので、滑舌(かつぜつ)が悪くて悪くて。『レーズンパン』と叫ぶ一発ギャグがあるんですけど、あるとき、なんかウケないなって思って周囲に聞いたら、お客さんにはなんて言ってるか伝わってなかったんだよね」
渡辺「一番近くにいる俺ですら『チャンポンメン』と聞き間違えたもん」
長谷川「去年の決勝で、オール巨人師匠から『歯を入れなさい』って警告されて治療しているんですけど、間に合ってない。それが一番の不安要素ですね」
渡辺「俺は四十肩が不安だなぁ。左肩が上がらなくなって。ツッコむ側の右肩じゃなかったのが不幸中の幸い」
長谷川「これからは舞台に上がる前にちゃんとストレッチしないとね」
渡辺「舞台の前に準備体操って。そんな奴らが漫才するなって思いますよ(笑)」
今年は長年のバイト生活も卒業し、テレビのネタ番組を中心に、お笑いに専念してきた二人。私生活では、芸のためにある大きな決断をしたという。
長谷川「人生で初めてテレビを買いました。しかも40インチ。全番組を自動録画できるレコーダーもセットで18万円しました。やっぱり自分の出た番組とか観て研究したほうがいいと思ってね」
渡辺「俺は今年の夏前に3万円のママチャリを買いました。散歩用です」
長谷川「意味わかんねえよ!(笑)」
渡辺「雅紀さんは、太ったよね。仕事が増えて毎日、しっかりご飯が食べられるようになったから」
長谷川「そうだね。1年で10㎏増えました。そのせいでスーツが破れちゃって、今年だけで2回、買い替えましたよ」
渡辺「マジでそれまで、食べられなくて痩(や)せてたもんね」
長谷川「体はガタがきてるけど、栄養面は、いまが一番充実してますね」
充実の1年の締めくくりに、『M-1』のテッペンへ再挑戦する二人。最後に決勝への意気込みを聞いた。
長谷川「’15年に初めて準々決勝に進出したときから言い続けていますが、やっぱり優勝したい。去年は4位。手が届くところまで来たという実感もありますし、狙っていきたい」
渡辺「年齢的に残された時間は多くない。今年が最後のチャンスだと思って、文字通り”死ぬ気”で優勝目指します!」
ベテランコンビの挑戦やいかに。
『FRIDAY』2021年12月24日号より
- 撮影:結束武郎、中村和彦(会見写真)