まもなくユーチューブチャンネル登録100万人芸人の「懐事情」 | FRIDAYデジタル

まもなくユーチューブチャンネル登録100万人芸人の「懐事情」

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現在、登録者は90万人超え! 芸人YouTuberの先駆け

お笑いコンビ・ガーリィレコードの高井佳佑、フェニックスに加え、雨野宮将明、秋山太郎のNSC東京17期生4名からなるYouTubeチャンネル「ガーリィレコードチャンネル」。現在、登録者は90万人超え。2019年には「気配斬り」で人気を博すなど、芸人YouTuberの先駆けとなった集団だ。

そんな彼らの今までの足跡を振り返りつつ、YouTubeの収益事情、同期の空気階段とのエピソード、100万人達成後にやってみたいことなど幅広く語ってもらった。

(撮影:スギゾー。)
(撮影:スギゾー。)

バカにされて来たから…カジサックとの共演で「YouTubeってめちゃくちゃ夢あるなと思いました」

――現在、登録者93.3万人(2021年12月10日時点)。2017年7月にチャンネルを開設されて約4年半という期間ですが、これは想定していたペースですか?

雨野宮:ぜんぜん想定してなかったです。3年とか5年とかで50万人、そこから100万人とかを目指しながらジリジリ続けていくのかなと思ってました。それが最初に崩れたんですよ。1、2年で10万人いこうって目標だったのが、2年で50万人いきましたから。 

数字を伸ばしやすい形ってYouTube好きで見てる人ならわかるじゃないですか。「こういうチャンネルだったら、こういう人とコラボすれば伸びるだろうな」とか。僕らはコラボしないってことじゃなくて、やってることが相手にプラスにならないっていうのがあるんです。そんな感じで93万人いけたのは本当に理由がわからない。

――かなり特殊な伸び方をしたチャンネルなんですね。2018年にキングコングの梶原雄太さんが『カジサックの部屋』を開設して100万人を目指すとなった時はどう思いましたか?

フェニックス:たまたま『カジサックの部屋』が始まる年に、ルミネの楽屋でお会いしてちょっとだけお話ししたんですよ。そこで僕らには「わからないことがいっぱいあるから教えて」って言ってくれたし、ほかの先輩方にも「こういうこと始めるんで協力してください」って伝えて回ってたりとか、見えないところの努力をめちゃめちゃしてたんです。 

だから、いざ始めた時も100万人いく感じはしましたね。YouTubeを下に見て「いけるやろ」みたいな感じではなくて、ちゃんと本気でやってましたから。 

高井:ちゃんとYouTube用のキャラも作って戦略もあってね。そこは僕らとはまったく違うし、あんなふうにできないですし。僕はコラボのタイミングで初めてお話ししたので、開設した当時は「うわ、すごいな」って見てました。 

太郎:僕らってYouTubeやるのをバカにされて来たから、あのキャリアの人が本気でやってることが本当に励みになった。『はねるのトびら』(フジテレビ系)を見てた世代なので、カジサックさんとコラボができた時もすごく嬉しかったですし。たぶん普通に芸人やってたら、一生話さないで終わってたと思うんですよ。そういう意味でもYouTubeってめちゃくちゃ夢あるなと思いました。 

雨野宮:ラッキーの一言です。カジサックさんが参入したことで、道をパッと開けてくれましたから。そもそも吉本がYouTubeに本腰を入れ始めたし、収益の取り分も全部芸人にメリットがあるように変えてくれた。だから、僕らは勝手に“ボス”とお呼びしてます(笑)。 

高井:それぐらいの恩はありますね。体格は小さいけど、ビッグボスですよ。 

ガーリィレコードの高井佳佑(右)とフェニックス(中左)。そして、NSC東京同期の太郎(中右)、雨野宮将明(左)
ガーリィレコードの高井佳佑(右)とフェニックス(中左)。そして、NSC東京同期の太郎(中右)、雨野宮将明(左)

「気配斬り」でドンッと出た時は、「マジでざまぁ見ろ!」って思っちゃいました

――2019年には「気配斬り」が流行して、『しゃべくり007』(日本テレビ系)でもガーリィレコードチャンネルが紹介されました。当時、YouTubeで話題になった芸人がテレビに出るのは珍しかったですよね。

フェニックス:僕らも急にメジャーな番組に出るわけじゃないですか。だから、「こんなスタジオなんだ」みたいな気持ちが先走って、「これを用意してやろう」とかってこともそんなに考えてなかったですね。 

雨野宮:当時、YouTubeやってることに対して、周りの芸人からあれこれ言われることも少なくはなかったんですよ。だから、『しゃべくり007』に「気配斬り」でドンッと出た時は、「マジでざまぁ見ろ!」って思っちゃいました(笑)。 

高井:当時はね(笑)、僕らはネタとかトークとかで出たわけじゃないから。けど、実際の現場でめちゃくちゃ盛り上がってくれたのが本当に嬉しかった。 

フェニックス:しかも大先輩方に「いいよ」って言ってもらえたのがすごく嬉しかったですね。収録が終わった後、帰りのエレベーターとかで。 

太郎:有田(哲平)さんが「面白いからちょっと貸してよ。この後飲み行って(原田)泰造とやるから」って言ってくれたり、チュートリアルの徳井(義実)さんが「これ吉本で商品化したほうがええんちゃう?」みたいに提案してくれたりとか。レギュラーメンバーのみなさんからありがたい言葉をたくさんいただきました。 

高井:何より、俳優の高橋一生さんが僕らを好きって最初に言ってくれたのがデカくて。その影響で「俺も言っていいんだ」みたいな人が増えたと思うんですよ。当時はYouTubeやってる芸人を好きって言いづらい雰囲気もあったじゃないですか。一生さんが言ってくれたことで、いろんな人から好きって言ってもらえるようになったんですよ。だから、感謝しかないですね。あの番組とあのメンバーのみなさんには。 

雨野宮:僕はひねくれてるから、当時「YouTubeなんてやらない」って言ってた人たちが最近になってYouTubeとかTikTokとか始めてるのを見ると、ちょっとお酒が飲みたくなるというか(笑)。売れてる人がやったから始めるんだね、酒がうまいなぁ~っていうのはあります。 

高井:ゴールデンの番組に出て周りからの見られ方が変わったのはありますね。 

雨野宮:僕らのやって来たことは、“売れてる人がやる”っていうのとは違うし、当時はちょっと風当たりも強かったですからね。 

登録者は伸びてても、そっから収益がバーンッと跳ね上がったわけじゃない

――ガーリィレコードチャンネルを始めてから、どれくらいの期間でアルバイトをせず暮らせるようになったんですか?

雨野宮:開設当時はまだフェニックスがバイトしてて。そこから、毎日上げたいってことで20万円ぐらい借りた時期があるんだよね? 

フェニックス:そうだね、オヤジが貸してくれたんですよ。けっこう渋られましたけど、それまで親にお金借りたことなかったからか最終的には理解してくれて。2018年の夏は、バイト休んでとにかく動画を撮りました。その後、数カ月で借金は返せましたね。 

太郎:僕がバイトしなくなったのは2018年の年末ぐらいから。実家を出る時にオヤジから3万円だけもらってスタートしたので(笑)、それまでは死ぬほど働いてたんですよ。ただある日、体調を崩して「休みます」って連絡したら、「じゃクビね」って言われてそれっきり。正直、けっこう貢献したと思うんですけどね(笑)。2019年からは裕福って感じではないですけど、節約すればバイトしなくても暮らせるぐらいになりました。 

フェニックス:僕らはもう少し早くて、バイトしなくなったのは2018年の夏ぐらい。最初から収益は4等分してます。 

高井:でも、当時と比べてそこまで変わってないんですよ。登録者は伸びてても、そっから収益がバーンッと跳ね上がったわけじゃないというか。今も一応生活できるぐらいは稼げてるって感じです。 

雨野宮:最初だけバンッと上がって、そこからちょっとずつゆるやかに上がってるというか。たまにそこから、ちょっと下がったり上がったりって感じですね。

――4人が生活できるぐらいの収入をキープしてる感じなんですね。いわゆる“お笑い”の収入と比べてどれくらい違うんですか?

フェニックス:何倍だろう……ほぼガーリィレコードチャンネル関連の稼ぎなので。 

雨野宮:時期によっては1000倍とか(笑)。吉本芸人あるあるじゃないですけど、「こんな明細来る?」っていうのがありますからね。たしか4円が一番低い。5円から源泉徴収税が引かれて4円みたいな。 

太郎:僕も給料明細が2枚来たことがあって、「うわ、やった!」と思ったらトータル23円ぐらいの時があった(笑)。そもそもの数字が小さ過ぎるっていうのもあるんですよね。 

フェニックス:YouTubeやってなかったら苦しいですよ、めちゃくちゃバイトしてましたもん。だから想像できないですね、ガーリィレコードチャンネルやってないって状況は。 

雨野宮:芸人も辞めてたかもしれないしね。 

太郎:もしかすると続けられなかったかもしれない。YouTubeが本当に希望になりました。 

一緒に住んでた空気階段・水川かたまりの反応

――今振り返って、なぜガーリィレコードチャンネルはここまで支持されたと思いますか?

フェニックス:僕らのチャンネルを見てる人がほとんど男性ってことを考えると、たぶん学生時代に同じようなルートをたどってたり、ある程度境遇が近かったりっていう人が一定数いるんだと思います。そういう人たちに見つかったから、何とかここまで来れたのかなって。 

雨野宮:感覚的に言うと、僕らのチャンネルってコンビニっぽいんですよ。「どっかご飯行こう」とか「あそこの○○食べに行こうよ」っていう感じじゃなくて、フラッと入れるコンビニに近い。いろんな商品があるんだけど、だいたい見るものは決まってて、たまに遊びで出す商品とかもある。僕らの動画ってそういう光景を彷彿とさせる空気感があるから、「懐かしいな」と思ってもらえてる気がするんですよね。 

太郎:そうだね、コンビニっぽい気軽さがあるのかもしれない。「よし、見るぞ」ってよりは、「ちょっと見てみようかな」ぐらいの感じで見られるというか。それが意外とクセになってくれた気がします。 

高井:全部の世代にハマろうなんて、そんなおこがましいことは思えないしね。たぶん僕らのやり方だと無理だし。だったら、僕らの好きなこと、楽しいと思うことをやって、それを共感してくれる人がいると信じてやっていけたらいいなって感じですね。

――一時期、フェニックスさんは空気階段の水川かたまりさんと同居されていたんですよね。今年のキングオブコントで優勝する姿を見て、お互いの成功に感慨深い気持ちも湧いたんじゃないですか?

フェニックス:すぐ「やったな!」ってLINEしました。一緒に住んでた時に「毎週金曜日、喫茶店に行ってネタを書こう」って習慣があったんですよ。その時にかたまりの台本をよく見てたんですけど、もうその頃から決勝に行きそうな感じがすごいあった。僕じゃぜんぜん思いつかないネタ書いてましたもん。 

だから、もっと周りに言っとけばよかったなって。そしたら、「あいつ、その頃から気付いてたんだ」ってなりそうじゃないですか(笑)。当時、もう僕はYouTubeやってたから、撮った動画を見せて「これ、面白いかな?」って見てもらったりもしてましたね。 

高井:最近、空気階段のラジオで「もし状況が違ったら、ガーリィレコードチャンネルやってたかも」って言ってましたね。一緒に住んでた太郎が途中でメンバー入りしてるから、もしかしたらYouTubeで成功してたかもしれないって(笑)。(鈴木)もぐらが太郎の位置で、みたいな。 

太郎:たしかになくはなかったね(笑)。入ったきっかけは、一緒に住んでるってだけだから。 

雨野宮:もぐらに関しては、僕ら出産祝いも結婚祝いもむさぼり取られてるんですよ。急にフラッともぐらが現れて、「おい、結婚したんだけど」みたいな感じで(笑)。 

高井:僕はもぐらもそうなんですけど、去年のキングオブコントで決勝進出が決まった時に、かたまりから「お金貸してくれ」って言われたんですよ。たしか3万ぐらい貸したんですけど、その時に「この3万で賭けしよう。俺は今年絶対に優勝するんだ。優勝したら、この3万を5万にして返してやる。ただ、優勝できなかったら返さない。どうする、高井」って2択を迫られたんです。 

フェニックス:めちゃくちゃなこと言うなぁ(笑)。 

高井:同期のよしみもあるから、「わかった。優勝して5万にして返してくれ」って僕もその賭けに乗って。結局その年はダメで、今年になって優勝したじゃないですか。最近になって3万貸した話を振ってみたら、「それは前年の話だからノーカンだ。絶対返さない」って言われました(笑)。悔しかったですねー! 今年なら上乗せで返って来たのに。 

12月25日19時から登録者100万人達成を目指し「~100万人目前企画~ハンバーガー1000個食べるまで終われま1000」を48時間生配信予定!(撮影:スギゾー。)
12月25日19時から登録者100万人達成を目指し「~100万人目前企画~ハンバーガー1000個食べるまで終われま1000」を48時間生配信予定!(撮影:スギゾー。)

登録者100万人達成したら「本物の米津玄師さん蹴りたい」

――12月25日から48時間、チャンネル登録者100万人を目指して生配信が行われます。ハンバーガー1000個を食べる企画ということですが、これはあえてYouTuberっぽいものに寄せた感じですか?

太郎:たしかに一番YouTuberっぽい感じですよね。今までやって来なかったんですけど、ここに来て初めてそれっぽいことをやるっていう(笑)。 

フェニックス:最初は部屋に空きがあるよってところから始まって。マネージャーさんとか交えて「そろそろ100万人だね」って話をしてる中で、「じゃあハンバーガー1000個いきましょうか」って流れになったんです。 

高井:最初は1日だけだったんですけど、「前の日も空いてる、その前の日も空いてる……」となって「じゃ3日間やりましょうか」みたいな。本当にノリで決まった感じですね。ただ、問題はどのタイミングで寝るか。細かい作戦についてはまだ考えられてないんです。 

雨野宮:逆に初日に寝ちゃうのもアリかなと思って(笑)。一旦寝ちゃって目覚めたら食い始めるみたいな。25日は捨てて、26、27日で一気に勝負をかける。 

太郎:みんな見てくれてるのに、もったいねぇー!(笑) クリスマスなんか一番何かやりたいのに。

――いずれにしろ、体調に気を付けて頑張ってください(笑)。登録者100万人を達成したらやってみたいことはありますか?

雨野宮:高橋一生さん、DAIGOさん、北川景子さんに恩返ししたいですね。僕らのライブを観に来てくれたりもしてるから、そういう人たちに感謝する企画がいいかもしれない。 

太郎:「100万人いきました」って報告と、「ありがとうございました」っていう感謝を伝えたいよね。 

高井:岡崎体育さんとかに曲作ってもらえないかな? まだ僕らのライブに招待もできてないから、感謝もしつつ、「100万人いったんです」って報告もしたいですね。ほかにも、ものまねさせてもらってる藤原竜也さんとか、いろんな人に感謝を伝えたい。ただ、米津(玄師)さんは面識ないからまだ早いかも。 

雨野宮:僕らの動画「ミット持ちする米津玄師」みたいに蹴りたいですけどね、体幹米津さん……って、今軽い冗談で言ったけど、唇震えてる(苦笑)。 

フェニックス:絶対に無理(笑)。めちゃめちゃ細いよ? 

高井:たぶん意外と体幹あるよ。本物の米津さん蹴りたいねぇ、いつか。そしたら俺が「ウェッ」って言うから。俺は「ウェッ」担当。 

太郎:ぜひあの家に来てやってほしい。とにかく米津さんには感謝の気持ちが届いてほしいです! 何なら10分ぐらいに伸ばして、バチバチに広告つけてやりたい(笑)。 

雨野宮:それやったら僕ら終わる(笑)。もうどうにでもなれ! ハンバーガー食べに来い!! 

■YouTubeチャンネル「ガーリィレコードチャンネル」はコチラ

  • 取材・文鈴木旭

    フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中。http://s-akira.jp/

  • 撮影スギゾー。

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