借金600万円も…メンズ地下アイドルに恋する女子たちの告白 | FRIDAYデジタル

借金600万円も…メンズ地下アイドルに恋する女子たちの告白

「推しがアイドル辞めたら、わたし死にます」 指キス、バックハグ、密着ツーショットなど過激なファンサービスにハマって貢ぎまくり 借金苦のエリート銀行員、風俗&パパ活で手早く”資金”を稼ぐ未成年など

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メガバンクに勤務しているチカコ。年収1000万円以上あるが、推しのために生活を切り詰めている
メガバンクに勤務しているチカコ。年収1000万円以上あるが、推しのために生活を切り詰めている

髪にカールをかけ、真冬にもかかわらず超ミニスカート。甘いかおりの香水をふりかけ、いざ! 合コンへ――という戦闘態勢の美女たちが『中野サンプラザ』(中野区)前の広場を埋め尽くしていた。

その片隅で一人泣きじゃくる少女を見つけ、FRIDAYは声をかけた。

「どうしました? ここで何があったんですか?」

アンナと名乗る19歳の少女は、静かにこう答えた。

「今日は私が”リアコ”していたメンズ地下アイドルの解散ライブがあったんです。推(お)しは解散を機にアイドルを辞めるんですが、現実を受け入れられなくて……」

「リアコ」とは「リアルに恋をする」の略語。メンズ地下アイドルファンのなかでも、本気でアイドルと交際したい、と願う女子を指す言葉だそうだ。広場に集った女性たちがまさにその「リアコ」たちで、アンナもその一人だという。

会場から次々と出てくるリアコの大集団は中野駅へ。向かったのは新宿・歌舞伎町のとあるパーティ会場。「ンギャー!」「それはヤバすぎるって!」と女子たちの悲鳴が周囲に響き渡っていた。おそるおそる、覗(のぞ)いてみると、あちこちでアイドルと女子たちが抱き合ったり、壁ドンをしたりしているではないか。こ、これはいったい……。会場にいたチカコ(仮名・25)に話を聞いた。

ライブ会場を出て、特典会へと向かう女性たち。皆、髪を巻いたり、リボンをつけたり、おめかしに余念がない
ライブ会場を出て、特典会へと向かう女性たち。皆、髪を巻いたり、リボンをつけたり、おめかしに余念がない

「特典会ですよ。リアコたちにとっては、ライブよりこっちがメインイベント。制限時間1分、1000円でチェキを推しと撮れるんです。撮影している間、推しにしてもらいたいことを伝える。例えば、バックハグからの愛の囁(ささや)き、二の腕ハムハム(アイドルの二の腕を軽く嚙(か)む)、指キス(唇の間に指を挟んでキス)とか。粘膜さえ触れ合わなければ、基本なんでもOK。だから、チェキを撮るというよりは推しの1分を1000円で買ってるというイメージかな。

あと、招待システムというのもあります。友達をライブに誘ってチケットを買ってもらえば、無料ファンサ(ファンサービス)が付くんです。5人で20秒の動画撮影、10人で10秒間胸に顔を埋める、とか。これがきっかけで沼にハマるコも多い。私もそうでした。毎回、20~30回は推しとチェキを撮ってます。私は推しの汗の匂いが好きすぎるからハグ5回、指キス5回、服のなかに頭を入れるのを7回しました。まだ時間があるので、あと3周はしたいと思います」

この日チカコが使ったのは、しめて60万円。リアコにとっては推しにどれだけお金をつぎ込んだかが”愛情表現”になるのだという。推しが被(かぶ)ると、”貢ぎ競争”が始まる。チェキ撮影を待っていたミキ(21)が話す。

「誰よりも愛したいし、愛されたいから、誰よりもお金を使ってあげたい。貢いでいるんじゃなくて、私が彼の預金残高を増やしてあげてるの。それがいつか私との結婚費用になると考えれば、すごく安い。今日はチェキ20回、グッズ5万円分と推しに30万円分のプレゼントを渡しました」

4社から借金600万円

リアコは年齢層が16~25歳と若く、未成年者が多いのが特徴だ。毎週、開催されるライブのたびに、数十万円という大金が飛び交う。若い彼女たちはいかにして資金を工面(くめん)しているのか。

「私はメガバンクに勤めていますが、給料のほとんどを推しに使っています。家賃、光熱費以外の生活費は月5万円あれば足りる。贅沢な暮らしがしたいわけじゃないし、友達も少ないから交際費はほとんどかからない。親に車を買いたいからとウソをついて400万円、金融機関4社から600万円以上借りています。サラ金はまだ限度額を使い切ってないし、あと1社から借りられそうだから大丈夫。親にウソと推しのことがバレたとき、まったく理解してもらえなかったから、私は1年前に実家を出ました」(チカコ)

アンナの場合はさらに身を削って、推しに貢いでいた。

「16歳のときからリアコをしています。高校在学中は、チェキは1枚だけ、と我慢していましたが、大学に進学した年の5月に、推しとの2時間デート券が3万円で販売されたんです。家庭が複雑でお金がなくて奨学金を借りていたし、バイトもガツガツやっていなかったから手が出なかった。でも絶対に欲しくて、手っ取り早く稼ぐためには風俗しかないと思って、池袋のデリヘル店で働き始めました。

推しのためだし、シングルマザーの親も水商売をしていたので、あまり抵抗はなかった。いまは週3~4で授業終わりにデリヘルで働いています。それでも資金が足りないときは、パパ活! よく友達に『辛くないの? ハードスケジュールすぎない?』と聞かれるけど、全然ですね。だって、推しといるときだけが本当の私だから。デリヘルとか、他の時間を過ごしているときは、かりそめの自分。私は二重人格なんだと思う」

特典会が終わったのは、日付が変わる直前。推しに手を振りながら会場を出るリアコたちの中には、満足げな表情を浮かべる者もいれば、解散を悲しみ号泣している者もいた。これで帰宅……かと思いきや、リアコたちは近くの公園に移動。ブルーシートを敷き、それぞれが購入したグッズやチェキを自慢し始めた。

「これエロいね、ヤバい」「なんであんただけこんなことしてもらってるのー!」などと、見回りにきた警察官すら無視して、会話を交わすのであった。リアコたちの宴(うたげ)は深夜3時まで続いた。

秋葉原のコンセプトカフェで働き、パパ活で資金を貯めているというヒトミ(20)は「推しのためなら死んでもいい」と語る。

「推しは今日でアイドルを引退してしまいました。最初に引退を知ったとき、辛すぎて3日間くらい拒食しました。18歳のとき、友達に連れて行かれたライブで出会い、リアコになるきっかけになった子でした。本当に大好きで、誰よりもお金を使ったと思う。ほかのファンの子とチェキ撮ってるのを見るのも嫌で、家に帰ってリストカットしちゃうときもあった。でも、そんな傷も私にとっては宝物。推しはあともう一人だけいるけど、その子まで辞めたら、私が生きている意味はないから死のうと決めています」

リアコたちの愛はあまりに深く、危うい。アイドルはあくまで偶像だということを忘れてはいけない。

特典会の様子。アイドルたちは横一列に並び、ファンサービスをする。女性たちの手には自前のチェキが
特典会の様子。アイドルたちは横一列に並び、ファンサービスをする。女性たちの手には自前のチェキが
アンナの月間スケジュール。学業、デリヘル、推しのライブ参加などハードな生活を送っているという
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アンナはチェキを500枚以上保有しており、お気に入りは壁に貼っている。一生見ていられるのだそう
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チカコが持つ金融機関4社のカード。本人は「まだ限度額は増やせるから、あと1年は大丈夫」強気だが……
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『FRIDAY』2021年12月31日号より

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