あの人気漫画『ぴっち』が帰ってきた!リブート漫画がアツい理由 | FRIDAYデジタル

あの人気漫画『ぴっち』が帰ってきた!リブート漫画がアツい理由

人気漫画『ぴちぴちピッチ』に込められた熱い思いに大人女子が集結している

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現在連載中の『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ aqua』では、あの懐かしのマーメイド・プリンセスたちも集結!/©️花森ぴんく/講談社

「『ぴちぴちピッチ』連載時にいただいたファンレターは、16年たった今も、全部大事にとってあります」

こう話すのは、『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ』の漫画担当・花森ぴんくさん(※シナリオ担当は横手美智子さん)。花森さんは現在、雑誌『なかよし』で『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ aqua』を連載している。

『aqua』は、2002年から2005年まで同誌で連載し、アニメ化もされた人気漫画『ぴちぴちピッチ』の正統続編だ。再始動したこの「リブート」作品では、『ぴっち』の主人公だった七海るちあと、その想い人だった海斗が結婚(!)、二人の間に生まれた娘・るきあを主人公にした新しいストーリーが紡がれている。

「ファンレターは、いつも、1通1通しっかり読んでいます。リブート作品には『小学生の時大好きだった『ぴっち』の皆と、大人になった今また会えて嬉しいです』『今でもアニメの曲が歌えます』『子どもと一緒に読んでいます』と、大人の方からの声もあって、『あんなに小さかった読者の皆さんが、こんなに大きくなった……』と感慨深い気持ちでいっぱいです」(花森さん)

『なかよし』では今、かつて連載していた人気作品を、新たな設定やキャラクターで再始動する「リブート」が熱い盛り上がりを見せている。この取り組みについて、『なかよし』の須田淑子編集長はこう語る。

「漫画連載やアニメというのは、いつか終わりを迎えるもの。でもそこで終わってしまうのは勿体ないと感じていて。

というのも、イベントなどで実際に『なかよし』読者の方とお会いすると、皆さんかつて愛読していた作品のキャラクターについて、非常に熱く語ってくれるんです。大人になった読者たちが、忘れずに、あるいはどんどん思いを深めて、作品を愛してくれている。

そんなふうにずっと好きで、ずっと大事に思ってくれている読者を喜ばせたい――『終わらない作品があってもいいのでは』と思ったのが、リブートに力を入れるようになったきっかけでした」

子どもの頃好きだったキャラクターたちが帰ってきて、新たな活躍を見せる――そんな夢のような取り組みの実現には、「作家さん本人がリブートという試みを喜んでくれたことが何より大きい」とも須田編集長は言う。『ぴちぴちピッチ』の花森ぴんくさんもその一人だ。

「編集部からリブートの相談を受けた時は、ただただもう嬉しくって……。もう一度、『ぴちぴちピッチ』のキャラクターたちや世界を描けることが、本当に素直に嬉しかったです。

リブート作品では、初代『ぴっち』とはまったく別のキャラクターたちが活躍する、パラレルワールドのようなお話にするというのはどうだろう?というのも考えたんです。でも、るちあたちがもう出てこないのは、やっぱり寂しいなぁと思い……そこで、るちあの娘・るきあを主人公にして、波音(はのん)やリナ、海斗といった初代『ぴっち』のキャラクターたちも登場させることにしました」(花森さん)

るちあ、波音(はのん)、リナーー大人になったマーメイド・プリンセスたちは、キュートで美しくてカッコいい!/©️花森ぴんく/講談社

人魚の女の子と人間の男の子、本来結ばれることのない種族同士のドキドキハラハラ、時に切ない恋愛模様が描かれた初代の『ぴちぴちピッチ』。しかし『ぴっち』の魅力はそれだけでない。るちあたちマーメイド・プリンセスが、かわいいだけでなく「強かった」こと、「戦う女の子」だったというのも、とても新鮮だった。

るちあたちは、暴力ではなく「歌の力」で戦う。当時、女児向け作品で「歌で戦う女の子たち」を描くのは、斬新なアイデアだった。

「私は少年漫画も大好きで、熱いバトル展開に心をひかれていたんです。でも人魚の女の子たちでそれをやるとなった時に、直接的に戦う――腕力とか拳を使って戦うのは、なんだかちょっと違うなって。

歌がキーワードの作品でもあったので、だったら歌を使って戦う――歌の力で、仲間と一緒に敵に立ち向かい、人の心を癒す、そんなストーリーにしようと思ったんです。可愛くて強くて、たくましくって、そんな姿が美しい。そういう『憧れのお姉さんたち』がいてほしい! という想いもありました。

続編の『aqua』では、るちあがお母さんになり、娘のるきあと一緒に海の危機に立ち向かうのですが、これは私が親になって気づいたあることが関係しています」(花森さん)

子育て中でもある花森さんの仕事場は自宅のリビング。宿題をする子どもの隣に机を並べて漫画を描いているのだという。16年前の連載時とは違う、漫画家と母親という「二足のわらじ」だからこそ気付いたこと。

「息子の好きなアニメを一緒に観ていた時――それは少年漫画が原作だったんですが、父と息子が一緒に戦う展開というのはたくさんあるのに、母と娘が一緒に戦うっていうのはあまり見たことがないな、と気づいたんです。

仲間と一緒にずっと戦ってきた女の子がお母さんになって、今度は娘と一緒に戦う、というのはすごくカッコいいなと思ったし、大人になった読者さんにも喜んでもらえるのではないかと思いました。かつての読者さんからの反響が思っていた以上に大きかっただけでなく、『aqua』で初めて『ぴっち』を知った今の『なかよし』読者さんにも楽しんでいただけているようで、とても嬉しいです」(花森さん)

「海には行かないように」とママに言われていたるきあは、17歳の誕生日に、自分の使命を知らされて――? 七人のマーメイド・プリンセスたちの、かつての戦いを振り返るカットが熱い…!/©️花森ぴんく/講談社

伝統ある雑誌『なかよし』で受け継がれてきた「戦う女の子」の物語。須田編集長も、「強い女の子、自立した女の子の作品が多いのが、『なかよし』の特色だと思う」と自負する。

「『なかよし』は創刊67年という長い歴史を持ち、時代に合わせてアップデートを繰り返してきましたが、強い女の子、自分で人生を切り開いていく女の子のストーリーが多いのはずっと変わっていないと思います。

私たち編集部のものも、かつては『なかよしっ子』だったというのが大きいのかもしれないですね。子どもの頃に大好きだったキャラクターたちのように、強くてカッコいい女の子たちの姿を、今の子どもたちにも届けたいんです。

そうしていつか、お子さんと一緒に母子で『なかよし』を楽しんでほしい。リブート作品が、そんなふうに何世代にもわたって楽しんでいってもらえるきっかけとなれば、と思います」(須田編集長)

少女漫画誌で女の子たちに向けて漫画を描き、自身もまた「戦い続けてきた女性」である花森さんは、「どんな立場の人たちだって尊重したいと思うので」と慎重に言葉を選び、考えながら、こう語る。

「かつて『ぴっち』を読んでくれていた読者さんは今、社会人として働いていたり、子育てをしていたり、いろいろですが、どんなライフスタイルであっても、毎日充分すぎるほど頑張っているのは間違いないと思うんです。女の人って、戦わなきゃいけない場面がすごく多いから。

一方で、漫画を読んでいる時間は、少女の気持ちになったっていいじゃん! 癒されたっていいじゃん! って私は思います。『いいな、ステキだな』と思ったその憧れの気持ちを忘れてほしくないし、やりたいと思ったことを諦めてほしくない。

初代『ぴっち』から読んでくれている読者さんももちろんですが、『aqua』で初めてぴっちを知った読者さんたちにも、この作品を通して夢の素晴らしさや恋愛のドキドキ、諦めない気持ちを伝えられたらいいなと思って描いています」

時が経っても「好きだった気持ち」は色褪せない。そんな思いを形にした「リブート作品」に込められた作り手たちの目指すもの。戦わなければ生きていけないこの世界で、『なかよし』は「女の子たち」の背中を押し、励ましてくれる。

パパとママが出会った海で、自分もまた同じように運命的な出会いをする『aqua』の主人公・るきあ。「運命の恋なんて本当にあるの?」とママのるちあよりちょっぴり現実的な性格のるきあだけど…黒砂くんのカッコよさに思わず胸がドキッ!/©️花森ぴんく/講談社

 

すれ違い気味でもどかしいところから始まる、るきあと黒砂くんの関係。この先どうなっちゃうのか見逃せない!/©️花森ぴんく/講談社

『ぴちぴちピッチ aqua』&『ぴちぴちピッチ 新装版』が
2022年1月13日に同時発売!

©️花森ぴんく/講談社

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©️花森ぴんく・横手美智子/講談社

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  • 取材・文大門磨央

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