ヤバすぎる「無法電動キックボード」が大量発生する意外な背景 | FRIDAYデジタル

ヤバすぎる「無法電動キックボード」が大量発生する意外な背景

縦横無尽に走りまわるデタラメ管理 事故件数はこの1年で20倍に! 海外では死亡事故も発生

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12月中旬、都内の路上にて取り締まりを行う警察官。違法走行している利用者の大部分は20代の若者だという

電動キックボードによる事故が社会問題になりつつある。警視庁によると’20年下半期の事故件数は3件だったが、’21年は11月末時点で60件にまで急増。人身事故も16件報告されている。’19年9月にはシンガポールで自転車に乗っていた65歳女性が電動キックボードと衝突して亡くなるなど、海外では死亡事故も発生している。

自動車ジャーナリストの加藤久美子氏がその危険性を解説する。

「機種によっては最高速度が時速50㎞近くになるものもあります。道交法では基本的に原動機付き自転車と同じ扱いで、免許は必須。ヘルメットの着用も義務付けられており、ナンバープレートの交付も受けなければいけません。それ以外にもウインカーやミラー、ブレーキ灯などの保安部品も必要ですが、これらを守らない違法車体が増えているんです」

増加する利用者数に対して、危険意識への啓発は進んでいない。ある20代男性利用者は、本誌の取材にこう答えた。

「周りを見ても誰もヘルメットを被ってないし、普通にナンバープレートのない電動キックボードが走っていますよね。警察からは何度か止められましたが、いつも注意だけ。それ以上、何も言われません」

まったく悪びれる様子もなく、違法走行の理由を語る利用者もいた。

「キックボードですよ。なんでナンバーがいるんですか? だってナンバー付けたら税金とか保険とか、いろいろ面倒でしょ? ありえないです。ホームセンターで買ったときに公道は走れませんって言われましたけど何の問題もないですね。免許はもちろん持っていません!」

なぜこんなに無法者が増殖してしまったのか。「電動で排気ガスが出ず、環境に優しい次世代の乗り物」として電動キックボードを普及させたい経産省の意向のもと、安全管理がズサンになっているのがその理由だ。前出の加藤氏が明かす。

「経産省は電動キックボードを利用しやすくするため、規制緩和を推し進めてきました。’21年4月からは認可を受けた事業者からレンタルする場合は、ヘルメット未着用でも運転できるようになった。ノーヘルドライバーが混在することになり、そのシワ寄せが来たのが取り締まりを行う現場です。

警視庁の知人に聞くと『経産省が規制緩和に動いている中で、取り締まるのは難しい』と漏らしていました。違法走行をしても捕まらない無法状態となってしまったのです」

ケガ人急増を受けて’21年12月、警視庁はついに重い腰を上げた。東京都内において、悪質な違反者に対して交通反則切符の交付に踏み切ったのだ。販売専門店「e−SCOOTER SHOP tAMO」販売担当の佐藤牧彦氏が語る。

「ノーヘル運転や無免許での走行は危険なだけで、なんのメリットもありません。利用者はもっと自覚をもってほしい。警察や政府も、状況に応じて罰則を強化するなど臨機応変な対応が求められます」

環境よりも人命優先だろう。

ナンバープレートも付けず、ヘルメットも未着用。ほかにも歩道を走行するという違法行為などが頻発している
’21年8月には西麻布でポルシェとの接触事故が発生。現場には電動キックボードの情報募集の看板が立てられた
違法走行に加えて、赤ちゃんを抱きながら片手で操作するなど、危険運転をする利用者の姿も、報告されている

『FRIDAY』2022年1月7・14日号より

  • PHOTO共同通信(1枚目)加藤博人

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