コミック1話無料配信 ドラマ『昭和元禄落語心中』に絶賛の嵐

岡田将生、山崎育三郎、竜星涼。「天才3態」の落語が光る

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大人気漫画の実写化、しかも題材は落語……ともすると両方のファンからシビアな評価を受けがちなドラマが今、高い評価を受け、これからクライマックスに向けてさらなる盛り上がりを期待させている。

『昭和元禄落語心中』コミック1話 無料配信はコチラ

Ⓒ雲田はるこ/講談社

「お前の代わりに俺が付いてってやるよ。こいつひとり地獄にゃ落とせねえ」
「嫌だ。ならアタシも連れて行け」
「だめだ。すまん。坊、頼んだよ」

そうして親友と愛した女は、奈落の底へ堕ちていった。

昭和の落語界を舞台に、男と女、親と子の愛と憎しみの絆を描いたドラマ『昭和元禄落語心中』が好評だ。16日、主人公の落語家・有楽亭八雲(若年時は菊比古・岡田将生)の盟友・助六(山崎育三郎)と思慕する女性・みよ吉(大政絢)が非業の死を遂げる前半山場の第6話「心中」が放送されると、ネット上には「恐ろしいほど美しい」「涙せずにはいられなかった」と絶賛の声が躍った。

10月からNHK金曜夜10時放送の「ドラマ10」で放送中。同枠は、これまでもトランスジェンダーを主人公にした『女子的生活』や、見習い看護師の見た産科医療の現実を描いた『透明なゆりかご』など、タイムリーな題材選びや社会的な問題提起をはらんだ佳作を数々発表。『金曜ロードショー』や民放の人気連ドラといった強豪と同じ時間帯にありながら、質を重視する視聴者から支持を受けている。

『昭和元禄〜』は、漫画家・雲田はるこ氏の同名漫画が原作。同作は文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞、手塚治虫文化賞新生賞など数多くの漫画賞をさらった人気作だが、ドラマ好調の理由は、何といっても俳優陣の個性を生かした好演だ。主人公の有楽亭八雲(菊比古)を演じる岡田将生はこのドラマで、10代の下積み時代から落語界の重鎮となる壮年以降までを、端正な顔立ちと艶かしい江戸言葉で陰影豊かに表現する。

八雲と同門の兄弟子であり、幼い頃から芸を競った天才肌の落語家・助六に扮するのは、ミュージカル俳優としてデビューし、近年は映像にも積極的に活躍の場を広げる山崎育三郎。生まれ持っての愛嬌と舞台で鳴らした喉で天才ならではの豪放磊落ぶりを体現し、作品に明るい引力を与えている。その二人に並んで注目を集めているのが、新鋭・竜星涼。TBSドラマ『アンナチュラル』での不敵な葬儀屋役が記憶に新しいが、刑務所の慰問高座で八雲の落語に魅了され弟子入りを願い出る元ヤクザの与太郎を体当たりで演じ、その名の通り愛される“与太者”になりきっている。

人気と実力を兼ね備えた3人が挑むのが、本格的な高座シーンだ。落語家・柳家喬太郎(八雲に影響を与える落語家役として、ドラマ本編にも出演)監修のもと、出演者各自が撮影前から稽古に励み、『寿限無』『野ざらし』『芝浜』といった古典の名作大作に果敢に挑む。その成果は見事のひと言で、中でも、名人として岡田が披露する達者な話芸は圧巻。とくに、八雲の当たり演目である古典落語『死神』の鬼気迫る語りは忘れがたく、映像で人気を博しながら近年は舞台へも果敢に挑戦している岡田の底力を感じさせる。原作者の雲田氏も「岡田さんも竜星さんも山崎さんも、本当に役そのもので。衣装合わせから撮影に入るにつれて、見た目もですが顔つきなどが、どんどん菊さん、与太ちゃん、助六師匠になっていて、『ほ、本物だ……』と毎回感激しています」とコメントしている。

落語の表現には3つの型があるーーと、原作では語られる。ひとつは、経験と鍛錬に裏打ちされた確固たる演技力。もうひとつは、何をやってもその人自身になる個人の発する魅力。さらに、無我、無欲の境地で作品の世界を体現する力。これは、そのまま岡田の八雲、山崎の助六、竜星の与太郎に当てはまってはいないだろうか? ともあれ、落語に馴染みがなくとも思わず寄席に足を運んでみたくなる出来は、「落語のおもしろさ、噺家さんたちのかっこよさが、ドラマをきっかけに、より多くの方に伝わればと願っています」という原作者にとっても本望であろう。

アラサー男子3人の熱い演技バトルに加えて、八雲・助六の運命の女を演じるみよ吉役・大政絢、助六の忘れ形見で八雲の養女となった小夏役の成海璃子の古風な美しさも光る。今夜放送の第7話「昇進」では、時代が進み、真打となった与太郎と小夏を軸に、物語に新しい渦が巻き起こる。そしてクライマックスに向け、親友と愛した女に置き去りにされた八雲に、どんな運命が待ち受けているのかーー落語の物語さながらにおかしくも哀しい、ドラマチックな道行きを期待したい。

昭和元禄落語心中 原作/雲田はるこ(講談社刊) 脚本/羽原大介 音楽/村松崇継 主題歌/ゆず『マボロシ』 落語監修/柳家喬太郎 演出/タナダユキ、清弘誠、小林達夫 出演/岡田将生、竜星涼、山崎育三郎、成海璃子、大政絢、平田満、篠井英介ほか 毎週金曜夜10時よりNHK総合で放送中

公式サイトはコチラ

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昭和元禄落語心中 第1話

  • 取材・文大谷道子

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