専門家が徹底解説!初夢で「一富士二鷹三茄子」を見る方法 | FRIDAYデジタル

専門家が徹底解説!初夢で「一富士二鷹三茄子」を見る方法

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夢は自分でコントロールできる!? 

新年最初に見る夢の内容で1年の吉凶を占うという“初夢”。昔の人は、一富士二鷹三茄子の絵を枕下に入れておけば、いい夢が見られると言ったそうだが…

「枕の下に絵を入れたからといって、いい夢を見られるかは疑問ですが、自分の見たい夢を見ることは可能です」

と言うのは、西洋のオカルト思想を研究する立正大学教授の武内大氏。魔女の飛行や変身、あるいは精霊の召喚などのような魔術的な現象を研究するうちに、そうした現象には「夢」という経験が深く関わっているのではないかと考え、夢の研究を始めたと言う。

「『明晰夢(めいせきむ)』を見られるように訓練すれば、自分が見たい夢を見られるようになります」(武内大氏 以下同)

通常、我々は夢を見ているとき、夢を見ていると自覚していない。起きたあとで、「あれは夢だったのか」と思うのがふつうだ。けれど、夢を見ている最中に「これは夢だ」と気づくのが“明晰夢”だという。

「明晰夢には、この“夢を見ている”という『自覚性』が何より大事。そのほかに、『鮮明性』『想起能力』『コントロール能力』という特徴があります」

「鮮明性」とは、文字通り色鮮やかなこと。夢に現れてくる世界は、たいていぼんやりしている。けれど、明晰夢ではヴィヴィッドで色鮮やか。現実と見まがうほどだとか。

「あまりにリアルなため、実際に体験したことだと思ってしまいそうになる。初期近代のヨーロッパでは、空を飛んで妖精の国を訪れ、祝宴に参加したなどと話したがために、魔女裁判で処刑されてしまった人がたくさんおりますが、おそらく彼女たちは非常に鮮明な夢を見たのでしょう」

「想起能力」とは、夢の世界をまたぎ越して、寝る前のことを思い出せる能力のこと。

「コントロール能力」とは、自分が望んだ夢を見られる能力のこと。「富士山が見たい」と思えば、夢の中に富士山が現れ、「空を飛びたい」と思えば空を飛んでいる夢を見ることができると言う。

「このうち最低限必要なのは自覚性の契機です。あとの3つはないときもあります。とはいえ、互いに深く連動しあっていると思っております」

「『明晰夢(めいせきむ)』を見られるように訓練すれば、自分が見たい夢を見られるようになります」というが…

訓練すれば、だれでも「明晰夢」を見ることができる

どうすれば明晰夢を見ることができるようになるんだろう。

確実に明晰夢を見られるようになるためには訓練が必要です」

明晰夢を見るための訓練法はいろいろあるというが、もっとも成功しやすいものとして武内氏が紹介するのは、夢日記をつけること。

「目覚めたら、可能な限り思い出して書き留めておく。そうすると、毎回同じ時計台が出てくるなど、共通するものが登場してくることがあります。これは『ドリーム・サイン』と呼ばれており、次に夢を見たとき、そのサインが出てきたら、夢だとわかるというわけです。

あるいは、起きているときに1日3~4回、『これは夢じゃないか』と自問しつつ、手のひらを指で押したりしてみます。それが習慣になると夢の中でも行うようになります。だけど、夢の中では指が手のひらを貫通してしまう。それで夢だと気づくわけです。

もう一つは、個人差はありますが、約5時間後に目覚めるようにアラームを設定し、20分ほど起きていて、夢の続きをイメージしながら再び眠りにつくという方法です。さらに、夢の続きを見ている自分自身をもイメージして、『明晰夢を見るぞ、明晰夢を見るぞ』と心の中で唱えながら入眠します。

ネットでもさまざまな方法が紹介されておりますので、ご自分に合った方法で試してみてください。ただし、中途半端な訓練を行うと、睡眠障害になる危険性もありますので、くれぐれもご注意ください」

空を飛んだと思ったのは鮮明な夢?

天然のバーチャルリアリティーが楽しめる明晰夢 

どうやら一朝一夕に明晰夢を見ることはむずかしいようだ。しかし、そこまでしてまでも、その価値はあると武内氏。

「夢は天からお告げがくるような霊的な現象ではなく、脳の働きに由来します。無意識の中に潜んでいることが夢となって表れてくる。

ドイツの有機化学者ケクレは夢の中からヒントを得て、ベンゼンの構造を思いつき、ノーベル物理学賞を受賞したパウリは、高名な心理学者ユングの助力のもとで自分の夢を分析し、あの『排他原理』の着想を得たと言われています。

ある種のインスピレーションを夢から得ることができるわけです」

無意識からのメッセージであれば、ふつうの夢でもいいような気がするが…。

「明晰夢は、ふつうの夢より解像度がぐんと高い。自分の無意識の中身を解像度を高くして観察するのと、そうでないのでは違うのではないかと思います。

漫然と夢を見るのではなく、夢からつねにヒントをもらいながら生きていくのもいいのではないでしょうか」

それに明晰夢を見るのは楽しいと武内氏は言う。

「テーマパークに、空を飛んで怪獣と闘うというようなアトラクションがありますが、それと同じようなことがリアルに体験できる。まさに天然のバーチャルリアリティー。ファンタジー系の小説や映画に出てくる魔法使いさながらの万能感をリアルに味わえるんです」

あまり明晰夢ばかり見ていると、自尊心が肥大すると明晰夢研究のパイオニア、スティーブン・ラバージは警告しているというが、これから明晰夢を見る訓練をする身としては、それはまだまだ先のこと。

明晰夢を見る訓練、今日からやってみようか。

武内大 立正大学文学部哲学科教授。文学博士。専門は現象学、西洋オカルティズム。主な論文として、『魔術的現象のリアリティ:魔女容疑者の体験分析』(『フィルカル』<ミュー>)、「エリファス・レヴィにおけるタロット占いの意義」(『ユリイカ』<青土社>)、「ジョン・ディーにおける創造の問い」(『実存思想論集』<理想社>)など。

  • 取材・文中川いづみ

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