上沼恵美子が参入したてのユーチューブでも成功を収める根本理由
昨年12月から開始したタレントの上沼恵美子のユーチューブチャンネルが好調のようだ。現在動画を2本投稿しているが、1本目が73万回再生、2本目が43万回再生(ともに1月3日時点)となっている。
共に自宅のソファーで上沼がトークするというシンプルなスタイルだ。1本目はM-1グランプリについて、2本目は紅白歌合戦についてということで、時事ネタと上沼の体験談を交えた“漫談”スタイル。スタッフが周りにいて笑い声も聞こえる。
撮影スタッフは上沼が最も信頼しているという「シャンプーハット」のてつじに紹介してもらったクルーが担当しているようだ。
「テレビさながらの照明や音声を組んでいると思います。1回目では夫の写真を見せたが寄りが撮れていなかった。
2回目にはインサートを別で撮って写真をアップで映していたので、上沼さんを含めしっかり反省会をして改善点を話し合ったのかもしれませんね」(民放ディレクター)
とはいえ、基本的には上沼のトーク独演会のようなもの。ファンからすると非常に見ごたえがあるようだ。動画のコメント欄には
《上沼さんのお話、ゆっくり聞けることがうれしすぎます》
《知らない世代にもわかるように話してくださるので楽しいです!》
と、ファンはテレビとは違いゆっくり上沼のトークを聞けることがうれしいようだ。
上沼といえば、’95年から続く『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)が‘22年3月末で終了することが発表された。地上波のレギュラーでは『上沼・高田のクギズケ!』(読売テレビ系)と、ラジオ『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)のみになった。
「上沼さんのファン層は高齢の女性が圧倒的に多い。テレビ局は広告ターゲット的に50代以下の視聴者層が欲しいので、世代交代を狙っている。
『クギズケ』もタイミングを見て終わらせようとしていることは間違いないと聞いています。ですが、次の番組候補を特番で試して様子を見ているのですが、思うように視聴率がヒットする番組がなくて困っているようです」(テレビ局関係者)
そんな中、上沼は高齢者が少ないと思われるユーチューブでもヒットさせている。“関西の女帝”の実力をまざまざと見せつけた格好だ。
動画を見てみると、過去に紅白歌合戦の司会のオファーを受けて悩んでいるとき夫に相談すると“正月の黒豆はどうするんだ?”と的外れなことを言われ怒った話など、テレビでも何度か見たような話もあるが、改めて聞いてもやはり面白い。初めて紅白の司会をしたときある女性歌手にいじめられたが、翌年も司会を担当すると、手のひらを返したかのようにその歌手の態度が変わったという“漫談”も笑える。
「内容としては昔の話ですが、若年層も取り込めているような気がします。上沼さんは大御所ですからこれまでのテレビではスタジオがメインでしたが、今後は家から出てロケなんてできれば非常に斬新ですよね。
あとはゲストとコラボすると、また再生回数は伸びていくのではないでしょうか。もうテレビだけの時代は終わったので、あの歳からユーチューブに挑戦できたということは非常に大きいと思います」(芸能プロ関係者)
オファーを受けて仕事を取る時代から、自ら動いてSNSやネットで発信するスタイルへと変わりつつある芸能界。上沼ほどの実力者でも柔軟に時代に合わせることができなければ、生き残れない時代なのかもしれない――。
- 写真:共同通信