金正恩ミサイル発射の背景に「前代未聞のヤバすぎる落書き」 | FRIDAYデジタル

金正恩ミサイル発射の背景に「前代未聞のヤバすぎる落書き」

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北朝鮮が1月5日に発射した新型ミサイル。背景には意外な事情があった……(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)
北朝鮮が1月5日に発射した新型ミサイル。背景には意外な事情があった……(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

1月5日、朝8時過ぎ――。

北朝鮮は弾道ミサイルを発射。約500km飛翔し、日本の排他的経済水域の外に落下したという。

「発射されたのは、極超音速ミサイルです。北朝鮮は21年9月にも、同型ミサイル『火星8』の発射実験を実施。今回は4ヵ月ぶり2回目となります。国防強化を進める北朝鮮の指導者・金正恩氏は、実戦配備を急いでいるのでしょう。国営メディア『朝鮮中央テレビ』は、『標的に誤差なく的中した』と実績を強調しました」(韓国紙記者)

極超音速ミサイルは、マッハ5以上の高速で低い弾道から発射される。低い高度を高速のまま長距離飛べるのが特徴で、相手に発見されにくい。軌道予測がしづらいため迎撃が難しく、現在のイージス艦ではほぼ対応不能。北朝鮮の切り札と言って良い兵器だ。

だが、裏を返せばミサイル開発に頼らざるをえない北朝鮮の苦しい現状の表れでもあるという。朝鮮半島情勢に詳しい『デイリーNKジャパン』編集長・高英起氏が語る。

「北朝鮮は、経済制裁と新型コロナウイルスによる国境閉鎖、自然災害の三重苦にあえいでいます。国内外に示せる成果は、ほとんどない。唯一の例外が軍事力です。ミサイルの性能向上は、金正恩氏が誇示できる数少ない実績なんですよ」

マンションの外壁に……

疑問も残る。金正恩氏は、なぜ今のタイミングで新型ミサイルを発射したのだろう。高氏は、21年末に首都・平壌のマンション外壁に書かれた「前代未聞の落書き」が影響していると推測する。

「落書きが見つかったのは、21年12月22日です。韓国メディア『デイリーNK』によると、明け方、平川(ピョンチョン)地区の町内会員がパトロール中に発見し保衛員(警察)に通報したそうです」

落書きの内容は衝撃的なモノだった。

〈金正恩の犬野郎、人民はオマエのせいで餓死している〉

神聖にして絶対的指導者である金正恩氏を罵れば、北朝鮮では大きな政治的事件となる。

「犯人はまだ捕まっていませんが、逮捕されれば極刑は免れないでしょう。過去にも指導者や当局を批判した落書き事件はありましたが、いずれも実行犯は処刑されています。今回の件も、国家保衛省、つまり秘密警察のトップにまで報告されたとか。北朝鮮にとって、それほど深刻な事件なんです」(高氏)

落書きが見つかった当時は、重要イベントが目白押しだった。12月17日に故・金正日氏の命日、12月27日から朝鮮労働党中央委員会総会……。厳戒態勢中に起きた事件に、北朝鮮当局は衝撃を受けているという。

「北朝鮮国内に不満が高まっているのは、事実のようです。金正恩氏への疑念が強まれば、すべての国家活動が停滞し、不況をさらに悪化させかねない。そうした沈滞ムードを払拭できる数少ない手段の一つが、新型ミサイル発射による実績誇示だったんです。金正恩氏としては、やむにやまれぬ行動だったのかもしれません」(高氏)

ことあるごとに発射される新型ミサイル。海外への軍事力アピールだけでなく、国内に目を向ければ、高まる人民の不満を抑えるという意味もあるようだ。

  • 写真KNS/KCNA/AFP/アフロ

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