『笑点』新メンバー桂宮治「会社員からの転職を許した夫人の金言」 | FRIDAYデジタル

『笑点』新メンバー桂宮治「会社員からの転職を許した夫人の金言」

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化粧品をセールスしていた当時の写真。成績は良かったが仕事内容には疑問を持っていた

弱気な私を、ずっと励ましてくれたのはカミさんです。『後悔するならやってみてからにすれば。大丈夫だよ』と。一生の仕事と決めた落語です。カミさんの後押しで、絶対に逃げないと歯を食いしばって続けました〉

『フライデーデジタル』が20年12月に行ったインタビューで、こう語っていたのは落語家の桂宮治(45)だ。1月1日に放送された『笑点』(日本テレビ系)の特別番組で、21年12月に卒業した林家三平の後任として、宮治が新メンバーに加わることが発表された。宮治はリモートで出演。「がんばります。よろしくお願いします」と、控えめに笑った。

宮治が真打に昇進したのは21年2月。5人抜きでの抜擢は、落語芸術協会会長の春風亭昇太以来29年ぶりの快挙だった。しかも化粧品販売員を経て、31歳で入門したという遅咲き。前出のインタビューから、宮治の異色の半生と、逆境を支え続けた夫人の金言を紹介したい――。

〈もともと役者志望だったんです。東京の男子校を卒業して、芝居の養成所で3年間ほど勉強しました。週3~4日通って一日2時間の指導です。でも役者としての才能はありませんでしたね。借金のクセもつき、消費者金融から200万円も借りるような生活を送っていました。

そんな時です。先輩役者の紹介で化粧品セールスのアルバイトを始めたのは。これがハマった。量販店などで50~60人を集め化粧品を紹介すると、飛ぶように売れたんです。販売員時代は、全国を飛び回っていました。業界でも1~2位の成績をあげ、年収は一般的な20代サラリーマンの倍くらいあったんじゃないかな〉

だが、宮治はしだいに不安を抱くようになる。「セールスが本当にやりたい仕事なのか」と。役者時代に結婚した夫人に相談すると、こうキッパリと言われた。

「おカネは私がなんとかするから、やりたいことをすれば」

落語と出会ったのは偶然だ。たまたまネットで桂枝雀の「上燗屋(じょうかんや)」の高座を見て衝撃を受ける。10回見て10回とも大笑いした。「落語なら好きになれるかも」。宮治が感じた瞬間だった。

「やめときなよ~」

寄席通いを始めた宮治は、師匠(3代目・桂伸治)と出会う。国立演芸場(東京都千代田区)での定席公演を見に行き、伸治がヘラヘラしながら袖から出てきた瞬間、体中に電気が走った。「この人だ!」と。宮治のインタビューを続ける。

〈師匠のスケジュールを調べ、末廣亭(東京新宿区)で待ち伏せしました。師匠と話ができたのは、待ち伏せして3日目のことです。『弟子入りしたいです』と直訴すると、近くの喫茶店に連れていかれた。

師匠は私の年齢(当時31)を聞いてビックリ。落語の知識も経験もないと言うと、二度ビックリしていました。師匠は言います。『やめときなよ~。噺家で成功するのは一握りだよ。一生貧乏するかもしれないよ~』と〉

落語の世界に入るには、親の了解を得るのが慣例だ。30歳を過ぎていた宮治には、夫人が呼ばれた。伸治は、夫人に対しても「やめときなよ~」と説得。1時間ほど落語界で生きていく難しさを話し、最後に「それでも噺家にしたい?」と聞くと、夫人はテーブルに両手をつき迷いなく答えた。

「ハイ、よろしくお願いします」

宮治は、08年2月に伸治の門下生となった。だが現実は甘くなかった。人によって好みが違うお茶の出し方もわからず、年下の先輩から怒鳴られる日々。子どもも生まれ、赤ん坊をあやすために自宅のある戸越銀座(東京都品川区)を深夜、疲れた身体でベビーカーをひいて歩いたこともある。

だが半年もすると先輩から可愛がられるようになり、12年3月には前座から二ツ目に昇進。7ヵ月後の10月にはNHK新人演芸大賞の落語部門で大賞する。二ツ目の宮治が真打の先輩と高座に上がるなど、プレッシャーがかかる場面も増えた。

〈『オレにできるわけがない』と弱気になることは、たびたびありました。そんな時に励ましてくれたのもカミさんです。『後悔するならやってみてからにすれば』と。真打への昇進が決まった時は、こう言ってくれた。『落語の人たちって素晴らしいね。ちゃんと頑張っている姿を見て評価してくれるんだから』と……。感謝で胸が熱くなりましたね〉

『笑点』の新メンバーになり、宮治はますます忙しくなるだろう。ただ夫人の支えがあれば、どんな逆境にあっても必ず乗り越えられるはずだ。

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