こんなに違う!ネトフリ×韓ドラ「世界・日本・韓国」ランキング | FRIDAYデジタル

こんなに違う!ネトフリ×韓ドラ「世界・日本・韓国」ランキング

日本と韓国、世界ではトレンドに違いが……「『愛の不時着』超え」候補も続々配信

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未だに日本での人気が衰えない『愛の不時着』。日本のネットフリックスで配信が始まったのは2020年2月なので、2年近くのロングヒットだ 写真:ImaZins/ゲッティ/共同通信イメージズ
未だに日本での人気が衰えない『愛の不時着』。日本のネットフリックスで配信が始まったのは2020年2月なので、2年近くのロングヒットだ 写真:ImaZins/ゲッティ/共同通信イメージズ

2021年も日本のネットフリックス視聴ランキングに再び『愛の不時着』や『梨泰院クラス』がランクインした。日本で大きなブームを巻き起こしたのは一年以上も前なのに、その人気は今も衰えを知らないようだ。

動画配信コンテンツの調査会社フリックスパトロールによると、「2021年 ネットフリックス日本ランキング」では1~2位の日本アニメに続き、『愛の不時着』が堂々の3位に入っている。

昨年ヒットしたはずの『ヴィンチェンツォ』は4位、世界中で話題になった『イカゲーム』は5位という結果で、その2本よりも視聴されていたから驚きだ。

また、イケメン俳優のソン・ガンとハン・ソヒによるラブストーリー『わかっていても』が8位に入り、アジア全域で人気となった時代劇『恋慕』は9位に。2004年の映画をリメイクした『海街チャチャチャ』が10位にランクインした。

人気が再燃している『梨泰院クラス』は惜しくも16位だったが、財閥家の女性2人の数奇な運命を描いた『mine』が18位に入っている。一方、『イカゲーム』に続く大ヒット作として話題になった『地獄が呼んでいる』は、日本のランキングでは36位に終わった。

では世界ランキングや本家・韓国はどんな順位になったのだろうか? 2021年の動向を振り返るとともに、2022年の期待作・注目作をいち早くチェックしたい。

世界を沸かせた『イカゲーム』と『地獄が呼んでいる』

世界を熱狂させた『イカゲーム』。米ゴールデングローブ賞でも3部門にノミネートされており、受賞の行方に注目が集まっている ©Netflix/Entertainment Pictures/ZUMAPRESS.Com/共同通信イメージズ
世界を熱狂させた『イカゲーム』。米ゴールデングローブ賞でも3部門にノミネートされており、受賞の行方に注目が集まっている ©Netflix/Entertainment Pictures/ZUMAPRESS.Com/共同通信イメージズ

昨年9月の配信以来、世界中で話題になった『イカゲーム』。配信がスタートすると、1億4200万世帯(アカウント)以上で視聴され、アメリカを含む90以上の国と地域で視聴数1位を記録。ネットフリックス史上最大のヒット作となり、「2021年 ネットフリックス世界ランキング」でも堂々の1位に輝いた。

今も日本でランキングの上位に入っているが、とりわけ、ヨーロッパやロシア、インドでも依然として人気が高い。ドラマの面白さはもとより、中毒性の高さが感じられる。

一方、その『イカゲーム』人気が冷めやらないうちに配信スタートしたのが『地獄が呼んでいる』だった。『イカゲーム』と入れ替わるように世界ランキング1位の座に就いたが、注目度のわりに飽きられるのが早かった。

日本では今も『イカゲーム』は視聴されているのに『地獄が呼んでいる』はとっくにトップ10の圏外に。世界ランキングからも早々に脱落した。

韓国ドラマが世界中から注目された一年だったが「2021年 世界ランキング」を見てみると、トップ10にランクインしたのは1位の『イカゲーム』1本のみ。とはいえ、その前年はゼロだった。

それに比べ、2021年は韓国ドラマの『イカゲーム』が1位を獲得しただけでなく、15位は『ヴィンチェンツォ』、26位には『海街チャチャチャ』もランクインしている。

話題を集めた『地獄が呼んでいる』は49位という結果になり、48位の『恋慕』に及ばなかった。50位は人気女優ハンン・ソヒが満身創痍でアクションシーンに臨んだ『マイネーム 偽りと復讐』と、世界ランキングの上位50位にこれだけの韓国ドラマがランクインしたのだから、韓国エンタメの圧倒的な強さを見せつけた一年だったといえる。

『地獄が呼んでいる』で新興宗教の教祖を演じたユ・アイン。1月21日から日本でも公開される映画『声もなく』での演技が絶賛され、数々の映画賞を席捲した 写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ
『地獄が呼んでいる』で新興宗教の教祖を演じたユ・アイン。1月21日から日本でも公開される映画『声もなく』での演技が絶賛され、数々の映画賞を席捲した 写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ

「2021年 韓国ランキング」は日本と違ったラインナップに

「2021年 ネットフリックス韓国ランキング」でもっとも視聴されたのはやはり『賢い医師生活』だった。2020年に続き、2年連続の1位だ。韓国で人気の高い『賢い医師生活』だが「世界ランキング」では68位。「日本ランキング」でも24位に終わっている。

2位は日本でも人気だった『ヴィンチェンツォ』。ここまでは予想どおりだが、韓国の年間ランキングでは日本でさほど注目されなかった『結婚作詞 離婚作曲』が4位に入っている。

一見、渋いキャスティングと思える『結婚作詞 離婚作曲』は、日本では話題になることなく32位止まりだった。だが、韓国で人気の高い脚本家イム・ソンハン氏の作品だ。“ザ・韓国ドラマ”ともいえる“マクチャンドラマ”(日常ではあり得ない出来事が起こる過激な設定のドラマ)で知られている脚本家なので、その作品が面白くないはずがない。今年はシーズン3も制作予定だ。

ドラマ『結婚作詞 離婚作曲』で弁護士のパン・ソヒョンを演じたソンフン。シーズン3への不参加が報じられたが、まだ確定しておらず、続報が待たれる 写真:OSEN/共同通信イメージズ
ドラマ『結婚作詞 離婚作曲』で弁護士のパン・ソヒョンを演じたソンフン。シーズン3への不参加が報じられたが、まだ確定しておらず、続報が待たれる 写真:OSEN/共同通信イメージズ

また、2004年の韓国映画『どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン』をリメイクしたドラマ『海街チャチャチャ』も支持され、6位にランクイン。韓国では映画版に主演した故キム・ジュヒョク(2017年に交通事故で死去)の印象が強い作品でもある。映画とドラマを比べた視聴者も多かったようだ。

一方、「世界の年間ランキング」で1位だった『イカゲーム』が本国では7位に落ち着き、8位の日本のアニメ『鬼滅の刃』と大差ないのは意外だった。

9位はSFアクションドラマの『シーシュポス:The Myth』。日本では話題にならず、63位と振るわなかったが、韓国ではチョ・スンウとパク・シネのケミ(カップルの相性の良さ)が視聴者を楽しませた。時代劇の『恋慕』も10位にランクインしている。

早くも注目作&期待作が続々

ドラマ『 コーヒープリンス1号店』『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』や、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』で知られる俳優コン・ユ。『イカゲーム』では謎の「めんこ男」として特別出演し、ファンを驚かせた 写真:Splash/アフロ
ドラマ『 コーヒープリンス1号店』『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』や、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』で知られる俳優コン・ユ。『イカゲーム』では謎の「めんこ男」として特別出演し、ファンを驚かせた 写真:Splash/アフロ

昨年末から注目されているのがコン・ユ主演のSFドラマ『静かなる海』だ。年末に公開されて間もなく韓国では1位になった。

俳優のチョン・ウソンが制作総括を務めた作品で、コン・ユやイ・ジュン、ペ・ドゥナらが出演。申し分ない顔ぶれでタイやシンガポールでは好調な滑り出しとなったが、『イカゲーム』や『地獄が呼んでいる』ほどの勢いはなさそうだ。

香港メディアからは『イカゲーム』『D.P. -脱走兵追跡官-』『地獄が呼んでいる』は高評価だったが、『静かなる海』は「2021年で最悪」といった評価を突きつけられた。

また、韓国のランキングで今も上位に入っているのが、チェ・ウシクとキム・ダミ主演の『その年、私たちは』だ。日本では順位の変動が激しいが、韓国や台湾、ベトナムでは安定的に見られている。チェ・ウシクは映画『パラサイト 半地下の家族』で、キム・ダミは『梨泰院クラス』で一気に身近な俳優となった。この2人の主演作なので当然、注目度も高くなる。

映画『パラサイト 半地下の家族』で韓国を代表するスターとなったチェ・ウシク。ドラマ『その年、私たちは』では、韓国ドラマの王道ともいえるラブコメディに挑戦している 写真:Penta Press/共同通信イメージズ
映画『パラサイト 半地下の家族』で韓国を代表するスターとなったチェ・ウシク。ドラマ『その年、私たちは』では、韓国ドラマの王道ともいえるラブコメディに挑戦している 写真:Penta Press/共同通信イメージズ

去年12月に配信がスタートした『不可殺-永遠を生きる者-』は日本では注目されていないが、韓国ではランキングの上位に入っている。日本円で約40億円もの制作費をかけた大作で、元々は人気俳優ウォンビンがオファーを受けており、注目を集めていた。結局、ウォンビンの出演は叶わず、イ・ジヌクが主演となった。日本ではランク外の『不可殺』だが韓国での人気は高く、「もしウォンビンが出演していたら…」と残念に思えてならない。

ネットフリックスでは早くも『イカゲーム』のシーズン2に続き、シーズン3までも制作が協議されていると報道された。また、今月28日にはウェブ漫画原作の『今、私たちの学校は…』が配信スタート。“K-ゾンビシリーズ”の最新作で新人俳優たちが多数出演するが、ここで繰り広げられるサバイバルゲームに再び世界中から注目が集まるかもしれない。

ファン・ジョンミンとハ・ジョンウが共演する大作ドラマ『スリナム』も制作費40億円もかけた超大作で期待されているが、キム・ヒソン主演の『ブラックの花嫁』もストーリー展開が楽しみだ。

今年は日本でも『愛の不時着』を超える韓国ドラマが出てくるだろうか。ますます目が離せない。

  • 児玉愛子(韓国コラムニスト)

    韓流エンタメ誌、ガイドブック等の企画、取材、執筆を行う韓国ウォッチャー。
    メディアで韓国映画を紹介するほか、日韓関係のコラムを寄稿。

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