【未解決】元町議殺害事件「奇怪な状態で窒息死」に残された謎
熊本県 熊本市 ’21年5月24日発生

「人の往来がなく、防犯カメラも少ない地域なので、犯行や犯人に繋がる映像や証言が思うように集まらないのでしょう。それが、捜査が長引いている理由になっているのではないでしょうか」(犯罪ジャーナリスト・小川泰平氏)
事件は’21年5月24日の朝、熊本市郊外のゴルフ場や自然公園に囲まれた地区で起きた。元町議の中村尊徳(たかのり)さん(当時74)が自宅の寝室で両手両足を紐(ひも)で縛られ、口と鼻に粘着テープを貼られた状態で窒息死しているのが発見されたのだ。
「遺体発見時、自宅玄関には外側から鍵がささったままになっており、4㎞ほど離れた場所で中村さんの軽トラックが乗り捨てられているのが発見されました。犯人が逃走に使用したと見られています。現場からは金庫が持ち出されていたこともわかっています」(全国紙記者)
事件当日、別室で寝ていた中村さんの妻は物音には気づかなかったという。
「犯人は中村さんを拘束し、金庫を持ち出すなど犯行に時間をかけている。奥さんも自宅にいたのに、大胆な犯行です。事前に現場の状況を把握していたとみるのが自然で、顔見知りの犯行の可能性が高い。残された玄関のドアの鍵が合い鍵だとしたら、犯人は合い鍵を作る機会があった人間でしょうね」(前出・小川氏)
また、現場に複数の足跡があったことなどから、複数犯の可能性もある。
「金庫の大きさにもよりますが、複数人で運び出して軽トラックで持ち去ったと考えるのが自然です。4㎞先で軽トラが発見されたのも、そこで仲間と合流して、違う車に乗り換えたのでは」(同前)
県警はこれまでに延べ1万3000人以上の捜査員を投入し、関係者に徹底的な聞き込みを行ってきた。犯人が捕まるのも時間の問題かもしれない。