新庄の光と影、ポスト原争い…番記者が書けない「プロ野球舞台裏」 | FRIDAYデジタル

新庄の光と影、ポスト原争い…番記者が書けない「プロ野球舞台裏」

日本ハム 新庄剛志監督の「光と影」 巨人 ポスト原目指して3人の跡目争い 阪神 梅野のFAをめぐる「冷戦」 ソフトバンク藤本監督を生んだ「小久保レジスタンス」 広島 鈴木誠也のポスティングと2億円ライン ロッテ ドケチ契約更改はこうしてバレたほか

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スポーツ紙の1面も年末年始のバラエティ特番も新庄監督がジャック。メディア露出はすでに12球団トップ
スポーツ紙の1面も年末年始のバラエティ特番も新庄監督がジャック。メディア露出はすでに12球団トップ

BIGBOSSこと日本ハムの新庄剛志監督(49)をテレビで見ない日はない。経済効果は数百億円とも言われているが、夕刊紙デスクは「光が眩(まぶ)しいぶん、影は濃くなっている」と指摘する。

「日ハムにとって都合の悪い話がなかったことになっています。たとえば中田翔(32)の暴力事件。中田は〝被害者〟選手を広島の実家に案内して親と会わせるぐらい可愛がっていた。体育会系独特のノリというか、ジャレ合いで小突いたりするのは日常の光景。それが今回問題になったのは、球団幹部に目撃されたからだといいます。

試合直前のベンチ裏になぜ、球団幹部がいたのか――詳細は語られず、中田は放出されました。そしてオフには主力選手だった西川遥輝(はるき)(29)と大田泰示(31)が不自然な形でリリースされました。当人たちは『何の下交渉もなく自由契約になって驚きましたが、日ハムがドライなのはいまに始まったことじゃないんで……』と言っていました。

この二人とも中田一派。彼らをはじめ、選手からの信頼が厚かった広報もイレギュラーな形で異動になった。新庄が持ち上げられるウラで粛清が進んでいる」

編成権を持つのは稲葉篤紀GM(49)だが、スポーツ紙日本ハム担当記者は、「彼はお飾りで、主導権を握っているのは吉村浩前GM(57・現チーム統括本部長)でしょう」と言う。

「矢面に立つのが稲葉さんの役目のようです。西川、大田らをクビにした際、稲葉さんは『ノンテンダー』という聞きなれない用語を使いました。記者に説明を求められると『選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果です』と言う。

ところが、記者がなぜノンテンダーとしたのかを聞くと、『詳しくは説明できない』と正直に答えた(笑)。吉村さんに『クビだとイメージが悪いから、ノンテンダーと言って煙(けむ)にまけ』と命じられ、その通りにしたものの、稲葉さん本人もよくわかってなかった、ということでしょう」

新球場移転に合わせて新チームで優勝を狙おうという意思が見える。だが、ドライすぎてファンは置いてけぼりを喰った感がありそうだ。

一方、中田を引き受けた巨人は、3年契約を満了し、後進に道を譲る考えだった原辰徳監督(63)が続投となった。

「後継者と目されていた阿部慎之助作戦コーチ(42)の評価がガタ落ちなんです。選手を罰走させたりするスパルタ体質に疑問符がついた。ポスト原争いは元木大介ヘッドコーチ(50)、チーフに昇格した桑田真澄投手コーチ(53)との三つ巴となりました。原さんは3年契約ですが、後継者のメドがつけば3年待たずに退き、GMに就任する腹積もりですよ」(スポーツライター・高橋哲也氏)

OBの高橋由伸(46)を再登板させる手もあるのではと思いきや、「由伸は侍ジャパンの監督としてプッシュしていたそうです」(巨人関係者)という。

例年に比べ、静かなストーブリーグとなっているのは阪神・梅野隆太郎(30)がFA宣言せずに残留したのが一因だ。

「侍ジャパンにも選ばれた正捕手の梅野を矢野燿大(あきひろ)監督(53)は終盤の勝負どころでスタメンから外しました。梅野について聞かれれば、『負けても周囲を納得させられるキャッチャーになってほしい』などと必ず注文を付ける。対照的に控え捕手の坂本誠志郎(28)は『視野が広く、準備の質が高い』と溺愛。これはいまに始まったことではなく、矢野監督との冷戦に嫌気がさした梅野は宣言するつもりでいた。

ただ、水面下で動いたのはDeNAだけで、阪神より条件も悪かったそうです。ならば、矢野監督が去るのを待てばいいと梅野は考えた。優勝争いの中、打率1割台の若手、小野寺暖(だん)(23)をクリーンナップに抜擢するなど迷采配で自滅した矢野監督なら’22年もVはない。1年ガマンすれば矢野体制は崩壊し、冷戦は終結すると踏んだのではないか」(セ・リーグ球団編成担当)

最下位から日本一という奇跡を起こしたヤクルト。大躍進のウラにコロナ禍があったことは、あまり知られていない。

「ヤクルトは’20年オフに山田哲人(29)と7年約40億円の大型契約を結び、小川泰弘(31)らFA選手の引き留めに大枚をはたいた。このオフも優勝に貢献した助っ人コンビと主砲・村上宗隆(21)の大幅昇給(推定2.2億円)で出費がかさんでいます。FAにはほとんど参戦せず、格安外国人や他球団の戦力外選手を拾うなど、ケチなイメージがあった球団が大盤振る舞いできるようになったのは、親会社が好調だから。コロナの影響か、免疫力アップが期待される乳製品などの売り上げが好調で業績が過去最高の見通しなのです」(前出・編成担当)

常勝軍団を目指す中で、番記者との小競り合いも発生しているという。

「記者への締め付けが厳しくなっていますね。たとえば左のエース、高橋奎二(けいじ)(24)。奥さんは元『AKB48』の板野友美(30)なのですが、メディアに『板野の話に触れるな』というお達しが出たんです。実際、彼女が球場に応援に来た試合で旦那がヒーローインタビューを受けていたとき、夫に手を振る彼女をテレビカメラが抜いたら、その局は厳重注意を受けました。板野本人がSNSで『出川哲朗さんと観戦しました』なんて投稿しているのに、何の意味があるのか」(高橋氏)

ホークスベンチの憂鬱

パの常勝軍団ソフトバンクは、「ベンチのピリピリしたムードが監督人事に影響したようだ」とスポーツ紙デスクが言う。

「幹部候補生として入閣した小久保裕紀前ヘッドコーチ(50)がとにかく怖い。とくに現役時代、一緒にプレーをしていた松田宣浩(38)らベテラン陣が意識していましたね。ホークスの良さは明るさ。負けが込んでもベンチがお通夜にならないのが強みでした。

ところが、小久保ヘッドがドンと構えるベンチでは、ちゃんとお通夜になってしまった。ホークスの元気者といえば川島慶三(38)。相手が内川聖一(39)であっても、果敢(かかん)にイジってベンチを和(なご)ませてきた。そんなムードメーカーがこのオフ、戦力外となりました。ファンは『?』となりましたが、どうやら川島は〝小久保レジスタンス〟活動をしていたようです。詳細は不明ですが、シンパを集めて悪評を広めて失脚を狙ったのか……徐々に周りがついていかなくなり、球団の知るところとなって、切られたと専らのウワサです」

藤本博史新監督(58)が誕生し、小久保ヘッドは二軍監督に配置転換となったので、川島のレジスタンス活動は一応の成功を収めた――ということか?

ポスティングシステムでメジャーを目指す侍ジャパンの主砲、鈴木誠也(27)についてカープOBがシミジミ言う。

「かつて広島には年俸2億円という放出ラインがあり、到達するとFAなどで退団する流れがあった。誠也の年俸は3億円超(推定)。カープは懐(ふところ)具合も考え方もガラッと変わったんだな、カネを積んでも誠也は引き止めるんだなと感動した」

ところが、このオフ、鈴木のメジャー挑戦がスンナリと決まった。

「同時にFA権を取得した主力投手の大瀬良大地(30)と久里亜蓮(30)が複数年契約を結んでいます。誠也のポスティングの譲渡金を見越していた部分はあるでしょう。二人とも年俸はギリギリ2億円以下でした(笑)」(夕刊紙デスク)

ドケチぶりなら千葉ロッテが上だろう。契約更改にあたって「一律25%ダウン」をスタートラインにしていたとしてプロ野球選手会から抗議されたのは周知の通り。球団は否定したが、前出・高橋氏は「『昨オフもやっていた』と話す関係者がいるようだ」と説明する。

「球団も親会社もコロナ禍で業績が厳しく、昨オフは選手側も納得していたが、2年連続でダウンスタートを打診され、さすがに黙っていられず、若手が選手会に訴えて表沙汰になったんだそうです。今後、『ロッテには行きたくない』というアマ選手が出てくるかもしれません」

スポーツニッポンが退任を報じるも、続投となった西武・辻発彦監督(63)。辻体制の延期で目指すは松井稼頭央(かずお)(46)政権への万全な移行のようだ。

「稼頭央は西武の切り札。勝てるチームにしてから任せたいのでしょう。指導力に定評のある前ソフトバンクの平石洋介打撃コーチ(41)の招聘(しょうへい)はチーム強化策の第一弾。ソフトバンクは好条件を出して引き留めにかかったそうですが、PLの先輩である稼頭央の誘いは断れなかった。

ドラフトでは大学ナンバーワン左腕、隅田知一郎(ちひろ)(22)を果敢に指名し、4球団競合の末に獲得。最速150㎞の真っ直ぐと多彩な変化球は即、一軍で通用する。助っ人も一新するなど、急ピッチでチーム改革が進められています」(球団関係者)

各球団の思惑を頭に入れてストーブリーグの動きを追っておけば、来る’22年シーズンは10倍楽しめるはずだ。

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『FRIDAY』2022年1月21日号より

  • PHOTO時事通信社

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