動きが遅すぎ岸田政権…ワクチン対応の役立たず感 | FRIDAYデジタル

動きが遅すぎ岸田政権…ワクチン対応の役立たず感

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年明けから難問だらけ…(AFLO)

猛威をふるう新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大している。昨年末からの欧米の惨状を見れば予見できた第6波到来だが、「日本丸」の操縦桿を握る岸田文雄首相の動きは緩慢だ。

世界最高水準だったワクチン接種率は追加接種で出遅れ、政府方針が二転三転することも珍しくはなくなった。後手に回るコロナ対応で社会インフラの崩壊も現実味を帯びてくる。

安心感を招いてしまった

昨年11月に南アフリカが存在を明らかにした感染力が強いオミクロン株は、総選挙(10月末)での勝利に安堵する岸田首相に衝撃を与えたはずだった。しかし、11月に閣議決定した経済対策は社会経済活動との両立に軸足を置くもので、コロナ対策は新味に欠け、国民に「もう元に戻っても大丈夫なのか」との安心感を招いた。

欧米では爆発的に感染者が増加し、英国やイタリア、フランスなどでは1日当たりの感染者数が過去最多を記録。米国で1月3日に報告された新規感染者数は100万人を超えたと報じられた。岸田首相は12月の所信表明演説で「大事なのは、最悪の事態を想定することです」と述べ、感染力が昨年夏に猛威をふるったデルタ株の2倍となり、第5波を上回る感染状況を迎えたとしても対応できるよう病床の徹底的な確保などを進める考えを示したが、オミクロン株の感染力はデルタ株の2~4倍とされている。

堀内詔子ワクチン担当相は、前任者の河野太郎氏とは対照的に調整力と発信力が乏しく、国民が待ち望む3回目のワクチン追加接種は米国や英国、韓国、中国などから大きく後れ、1%未満のままだ。

岸田首相は1月11日、一般の人にも3回目接種の前倒しを進める考えを表明したが、「ワクチン確保が思うようにいかず、その態勢も整わない中で『前倒し』を表明してもあまり意味はない」(東京都内の保健所関係者)との声が漏れる。沖縄や山口、広島の3県にまん延防止等重点措置が適用され、すでに東京都や大阪府など大都市圏でも感染者が急増していることを考えれば遅きに失した感は否めない。

加えて、海外での感染拡大を受けて政府は昨秋に国際線の新規予約停止を航空会社に要請したものの、直後に撤回。オミクロン株の濃厚接触者に中学・高校入試や大学の本試験受験を認めないとの通知も3日で撤回するなど「政府の方針や決定が二転三転、朝令暮改で国民が振り回されている」(野党幹部)状態だ。

コロナ対応が後手に回る岸田政権で問題視されているのは、オミクロン株は「感染力が高い一方、重症化率は低い可能性が高い」(岸田首相)との公式見解が強調され、重症化しなくても爆発的な感染者数の増加があれば、社会インフラに多大な影響を与える点を軽視していることにある。

世界保健機関(WHO)は1月12日、全世界の新規感染者が1週間で1500万人超と過去最多になったと発表し、日本国内の新規感染者も4カ月ぶりに1万人を超えた。欧州の人口の半数以上が今後6~8週間でオミクロン株に感染すると予測されるなど驚異的な感染スピードだ。

当然、自らの感染が確認されていなくても「濃厚接触者」とされる人々も爆発的に増加する。濃厚接触者は、自宅などで「原則14日間」の隔離期間を経ることが必要で、感染が急拡大している沖縄県では医療従事者の「濃厚接触者」が続出、欠勤者が600人を超えて通常医療に影響が出始める危機にある。

厚生労働省は毎日検査することなどを条件に職場復帰する特例を急きょ認め、濃厚接触者の待機期間も「10日間」程度に短縮する方向となったが、「欠勤」は何も医療現場に限った話ではない。警察や消防、介護施設の職員などでも欠勤者が目立ち、民間企業では人手不足から業務の継続が難しくなる可能性もある。

実際、沖縄県の小中学校では臨時休校や学級閉鎖が相次いでいる。保育園や幼稚園が休園になれば、連鎖的に様々な職業の保護者が仕事を休まざるを得ないケースが出てくるだろう。末松信介文部科学相は1月11日の記者会見で「対面とオンラインを組み合わせて学びの継続を図ることが重要だ」と述べ、全国一斉の臨時休校は求めないとの方針を表明したが、オミクロン株の感染急拡大で教職員や生徒・児童の感染者や濃厚接触者が急増した場合、どこまで「学び」の機会が確保されるかは見通せない。

厚労省を取材する全国紙記者が語る。

「感染力が強いオミクロン株は『重症化しない』ことよりも、社会インフラや企業の事業継続、教育現場などに影響が出る可能性があることを岸田政権はもっと説明すべきですが、社会インフラ機能を維持する対策も危機感も伝わってきません。昨年秋以降、感染者数が落ち着いていた時期に政府内でもっとやれたことがあったのではないかと思いますが、オミクロン株を甘く見ていたし、動きも遅かったと思います」

岸田首相は所信表明演説で「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」とのジョン・F・ケネディ米大統領の言葉を引用したが、その言葉が虚しく響く。

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