岸田政権「選挙までなにもしない作戦」でオミクロン蔓延の悲惨 | FRIDAYデジタル

岸田政権「選挙までなにもしない作戦」でオミクロン蔓延の悲惨

謎の支持率上昇で「マスクの下のニヤリ」

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「なにもしない」のに支持率アップの「岸田マジック」。夏の参院選までこの作戦を貫くなら、国民生活は悲惨なことに 写真:つのだよしお/アフロ
「なにもしない」のに支持率アップの「岸田マジック」。夏の参院選までこの作戦を貫くなら、国民生活は悲惨なことに 写真:つのだよしお/アフロ

「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

岸田文雄首相は長年にわたる隠忍自重の末、念願の「総理の椅子」を勝ち取った。

政権運営の基本は「失策しない」こと。そのため、究極は「なにもしない」ことを決めたように見える。7月の参院選挙までは、この姿勢を貫く覚悟だ。

岸田政権のコロナ無策がもたらす地獄

コロナ対策だけは、さすがに「なにもしない」わけにはいかないので菅義偉前首相のワクチン重視策を踏襲している。それで、支持率はじわじわと「上がって」いるのだから笑いが止まらないだろう。

ところが、年明けに感染が爆発した「オミクロン株」の衝撃は凄まじい。連日、過去最高の新規感染者が全国で更新される最大級の感染状況となってしまった。

「オミクロン株の急襲は昨年からわかっていたことなのに、岸田首相を慌てさせています。ワクチンの在庫不足、経口薬の国際間の苛烈な争奪戦、そして5歳から11歳のワクチン接種承認の慌てぶりは目を覆うものがあります。まったく対応が追いついていない。

さらに専門家会議で『オミクロン感染による軽症患者は自宅待機』という意見が出され、高齢者・基礎疾者優先の案が検討された。これじゃ、若い人は病院に行くな、と聞こえる。それでなくとも恐ろしい感染力なのに自宅待機では、ピークの山が高くなることは避けられません」(厚労省キャリア)

新規契約のワクチンはなお納入待ち、ワクチン不足を補うはずだった経口薬「モルヌピラビル」は、たった320万回分の在庫しかないという悲惨な事態に陥っている。

「首相就任の4ヶ月間、いったいなにをしていたんだ、という声が役所に届いている。岸田首相はオミクロン株の特性に対応した対策をとると話していますが、重症者が少ないからと甘く見ているとしか思えません。

第5波が収まった原因の検証も済んでいない今、政権としてリスクを考慮しない発言は無責任すぎます」(厚労省委嘱大学病院医師)

必勝「なにもしない」作戦の舞台裏

岸田政権は「リスクをとらない」。つまり、動いて批判されるより「なにもしない」ことを選んでいるというのだ。この政府対応に東京都は、

「このままのペースでは1週間後には1日で1万8266人の新規感染者に及ぶ可能性が高い」(都幹部)

と危機感を示した。政府分科会尾見会長の「ステイホーム無用」という発言に対し、小池百合子知事は政府見解とは真逆の「人流抑制」を打ち出した。

「感染状況警戒レベルを最高レベルに引き上げます。不要不急の外出を避け、できる限りリモートワークでお願いいたします」

新型コロナ対策の警戒レベルは、各地域医療体制の逼迫状況によって判断される。岸田首相と尾見会長は、「オミクロン株にふさわしい対応」と言ったが、現段階でこの発表を受け入れることは難しい。

「第5波の検証ができていないときに、第6波にふさわしい対応とは無責任の極みと断じざるを得ない。重症者、死者が少ないからという安易な判断は、少なくとも第6波が沈静化してから分析しなければわからないはずです」(前出の医師)

岸田はマスクの下で嘲笑った

しかし、支持率は上がっている。岸田首相は「国民の死角を探しだす才」に長けているのかもしれない。

やっと始まった通常国会でも、岸田首相がリーダーシップを発揮している印象はまるでない。誰もが気になっている「新しい資本主義」の内容を示すべきだが、それもない。今国会に提出される閣法は58法案。与野党が真っ向ぶつかり合う政府法案はまったくない。炭素税、金融取引税は選挙にマイナスとばかり引っ込めてしまった。

「参院選挙まではとにかく『なにもしない』のが岸田政権の戦略。人目につくところでは決して怒らない、油断して笑わない、粛々と仕事する、と自らに言い聞かせているようです。

しかし、立憲民主党の小川淳也政調会長が質問に立ったとき、岸田首相はマスクの下で笑っていたんです。『金持ちケンカせず』というか『なめてる』というか、岸田首相の裏の顔を見たような気がしました」(全国紙政治部幹部)

すべては参院選挙のため。大きな失敗をしないために「なにもしない」作戦を展開、国民生活をないがしろにする総理大臣に存在価値はあるのか。

「菅のほうがマシだった」?

『オミクロンが終ってもコロナはまた変異して現れる。参院選を無難にこなしても、そのうちにコロナ対策緊急融資の返済期日が来る。返済できない小規模事業者、個人事業者のなかには、返済できない人が続出するだろう。どうするつもりなのか』菅前首相が、岸田首相を見て苦々しげにこう漏らしています。

岸田首相は、選挙後この空白の期間をどう処理するのか。とにかく目先の選挙のことしか見えていない状況です。在任中1日も休まずに働き続けた菅前首相のほうがマシでした」

参院選挙さえ乗りきれば長期政権が実現する。岸田首相は、新型コロナが与える国民へのあまりに甚大な被害を理解できていない。

「社会的なコロナ後遺症は深刻だ」

と菅前首相は危惧しているという。

金融当局は、日本政策金融公庫、全国の信金、地銀を通じて貸し出されたコロナ緊急融資総額40~50兆円のうちどの程度が不良債権化するのか憂いている。岸田首相は、政権の長期化に腐心している場合ではないのだ。

  • 取材・文岩城周太郎写真つのだよしお/アフロ

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