北朝鮮ミサイルを過小評価する「韓国軍のヤバすぎる事情」 | FRIDAYデジタル

北朝鮮ミサイルを過小評価する「韓国軍のヤバすぎる事情」

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顔に迷彩をほどこした韓国軍兵士。17年9月の「国軍の日」に撮影(画像:AFP/アフロ)
顔に迷彩をほどこした韓国軍兵士。17年9月の「国軍の日」に撮影(画像:AFP/アフロ)

北朝鮮が軍事活動を活発化している。

1月に入り、4回の実験で弾道ミサイルを6発発射。5日と11日に発射したのは極音速ミサイルで、14日と17日は固定燃料推進方式の短距離弾道ミサイルとされる。性能は、想像以上に高いようだ。

「極超音速ミサイルは、音速の5倍(マッハ5)以上の高速で低い弾道から発射される兵器です。11日のミサイルの最高速度は、マッハ10と分析されています。低い高度を高速のまま維持し、長距離飛べるのが特徴で相手に発見されにくい。軌道予測がしづらいため迎撃が難しく、現在のイージス艦ではほぼ対応不能。北朝鮮の切り札と言っていい兵器です。

指導者・金正恩氏は自信を深めています。19日に開かれた朝鮮労働党政治局会議で、中断していた『すべての行動』を再開すると発表。米国との対話路線で一時中止していた核実験や大陸間弾道ミサイルの発射を、再び行うことを示唆しました」(韓国紙記者)

気になるのが、韓国政府の反応だ。発射されたミサイルについて、北朝鮮の主張を否定するような見解を示しているのだ。

「5日の発射後、北朝鮮は『極音速ミサイルの実験に成功した』と大々的に発表しています。しかし韓国国防省は2日後に、分析結果を発表。『一般的な弾道ミサイルで「極音速」は北朝鮮の内輪のみの表現』とし、『その技術に達していない。並のレベル』との見方を示したんです。さすがに11日に発射されたマッハ10とされるミサイルについては、『5日より進展した』と、ある程度は評価していましたが……」(同前)

00年から事故で16人死亡

なぜ韓国は、北朝鮮の兵器を「過小評価」するのだろうか。背景には、韓国軍の意外な実力がある。

「北朝鮮の兵器が進化する反面、韓国は老朽化しているからです。戦闘機の保有数は21年時点の約410機から、24年には360機ほどに減少します。韓国国防研究院が、戦闘機の適正保有規模とする430機に及びません。

理由は二つあります。一つは、古い戦闘機の引退です。60年代後半から導入された『F―4D』は10年に退役。77年から95機が導入された『F-4E』は、20年代半ば以降に順次退く予定です。

二つ目が、非合理な軍事行政です。90年代の機種選定に置いて、空軍はエンジンが双発で安全性の高い『F/A―18』を希望したのに、陸軍人脈が横やりを入れ実現しませんでした。00年代の選定でも同様のことが起きています。こうした政治的ゴタゴタのシワ寄せで、『F―4』『F-5』などの古い戦闘機を使わざるをえなかった。00年以降、『F―5』の事故だけで16人のパイロットが亡くなっています。戦時にも相当する損失ですよ」(韓国の軍事事情に詳しいライター)

文在寅政権の方針にも、大きな問題があるという。

「必要性が疑われる防衛事業を進めているんです。象徴的なのが軽空母構想。陸続きで対峙する北朝鮮を相手に、莫大な費用のかかる軽空母が必要なのでしょうか。野党だけでなく、与党内部にも懐疑派はいます。実際、国会の国防委員会は、海軍が要求した軽空母関連費用の大部分を削り5億ウォン(約5000万円)に抑えました。

しかし政権が介入して、昨年12月に軽空母関連72億ウォン(約7億2000万円)を含む防衛予算が決定したんです。北朝鮮のミサイル能力の飛躍的向上を考えれば、最新型レーダーやドローン、戦闘機の更新に予算をあてるべきでしょう。政府の方針は、的外れなんです」(同前)

北朝鮮が強気に出る理由の一つに、韓国軍のお粗末な実情があるかもしれない。

  • 写真AFP/アフロ

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