ふじみ野市立てこもり事件 66歳容疑者が凶行に至った「舞台裏」 | FRIDAYデジタル

ふじみ野市立てこもり事件 66歳容疑者が凶行に至った「舞台裏」

母の亡骸の横で主治医を射殺。母の弔問に訪れた医師を人質に11時間にわたり立てこもった渡辺宏容疑者が、犯行を決断した背景とは……

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殺人未遂の疑いで緊急逮捕された渡辺宏容疑者。午前8時すぎ、捜査車両の後部座席の真ん中に乗せられ、東入間警察署の中に入った

「確保、確保しました。現場でマルヒを確保」

埼玉県警の突入部隊は、今朝8時前、玄関の鍵を破壊し閃光弾を炸裂させたと同時に突入した。警察無線から鳴り響く音に捜査員たちは、安堵感に包まれたのは束の間、直後に判明したのは悲しい結末だった。

「マルガイ(被害者)は反応がありません。心肺停止状態」

和室で仰向けの状態で倒れる男性が、目を覚ますことはなかった。この事件の始まりは、犯人確保の約11時間前に遡る。

「銃で撃たれた、自分以外に2人も怪我をしている。自分も逃げている」

昨夜9時過ぎ、埼玉県ふじみ野市の現地消防に入った通報は、緊迫感に包まれたものだった。通報した男性は近くのクリニックに勤務する理学療法士で、現場となった民家から自力で逃げ出したが、胸のあたりを打たれていて、血だらけになりながら助けを求めていた。

「被害に遭ったのは、近くの在宅クリニックに勤務する医師ら3人です。3人のうち2人は病院に運ばれましたが、医師の鈴木純一さん(44)だけが人質に取られてしまい、警察と犯人との交渉では無事だという話だったのですが……」(県警担当記者)

埼玉県警は今朝8時頃、民家に突入して、和室のベッドの脇の隙間に隠れていた渡辺宏容疑者(66)を逮捕したが、人質の鈴木医師は胸を散弾銃で撃たれていて、すでに亡くなっていた。ベッドには渡辺容疑者の母親の遺体もありその隣には殺害に使用された散弾銃も置かれていたという。

渡辺容疑者は2016年頃から母親を介護しながら2人で住んでいた。人質に取った鈴木医師は母親の主治医で、訪問介護をしていたという。近所の住民は、渡辺容疑者が長年付き添った母親が亡くなって荒れた様子だったと話す。

「お母さんは寝たきりだったそうで、渡辺さんは1人でずっと面倒を見てきました。なぜ矛先が主治医に向かったのか分かりませんが、亡くなる前の診察をめぐってトラブルになっていたそうです」

捜査関係者によると、鈴木医師は渡辺容疑者の母親の主治医を6年間にわたって務めてきたが、ここ最近は母親が病気で食事が出来なくなり、それに対する治療方針をめぐって渡辺容疑者と意見の食い違いがあったという。

「渡辺容疑者は、鈴木医師の治療方針に従って介護をしていましたが、結果的に母親が亡くなってしまったことで、鈴木医師の言うことを聞いたのにダメだったじゃないかと、恨んでいたようです。それが動機となったとみられています」(捜査関係者)

鈴木医師は新型コロナに感染し、自宅で療養している患者のの在宅治療に尽力し、その活躍がメディアでも取り上げられてきた人物だ。埼玉県も第6波によって患者が急増していて、これまで手厚く診療できていた患者についても、普段のようにはいかなくなっていた可能性もある。

渡辺容疑者は立てこもっている際、捜査員からの問いかけに、「母親の治療をめぐってトラブルがあった」と話していたが、現在は取調べに対して黙秘しているという。

埼玉県警は今後、怪我をした他の男性2人からも詳しく事情を聴くが、このうちの1人の男性も意識不明の重体で、軽傷とみられるもう1人の男性も気が動転していて話が聞けていない模様だ。

埼玉県警は渡辺容疑者が事前に散弾銃を準備していたことなどから、計画性があったとみていて、医師やクリニックとの間にどのようなトラブルがあったのか詳しく調べている。

鈴木医師を乗せたと思われる緊急車両
現場付近に詰めかけた取材陣。閑静な住宅地は一夜にして凄惨な事件現場へと様変わりした
  • 写真蓮尾真司

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