神戸山口組ヒットマン「逮捕の瞬間」 山口組分裂騒動に新展開か | FRIDAYデジタル

神戸山口組ヒットマン「逮捕の瞬間」 山口組分裂騒動に新展開か

山口組分裂騒動で、ついに「戦争」が始まるのか

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銃刀法違反(所持・発射)容疑で逮捕された小椋容疑者。事件発生時には拳銃を手にわめき散らしていた
銃刀法違反(所持・発射)容疑で逮捕された小椋容疑者。事件発生時には拳銃を手にわめき散らしていた

下の連続写真を見て欲しい。一人の男が一軒家の玄関先で暴れ回り、「パーン!」という音とともに拳銃を発砲している。その近くに詰めかけているのは、複数の警察官だ。次の瞬間、警察官が家の玄関に押し入り、男を引き摺(ず)り出す。男は抵抗もむなしく、すぐに取り押さえられた――。

これは10月23日の深夜、神戸市長田区(兵庫県)で撮影された衝撃的な映像だ。銃刀法違反で逮捕されたのは、指定暴力団「神戸山口組」系組員の小椋慶一容疑者(48)。上の写真は、本誌が関係者から入手した本人の写真だ。この日、小椋容疑者はあろうことか、住宅街で拳銃を発砲し、近隣住民を恐怖に陥れた。

「あの瞬間は、本当に恐ろしかった。もう、深夜0時近かったかな。なんか大きな音がしたから『何事や』と外に出てみると、不審な男が何かを撃つ構えをしていた。あれはすごく不思議な光景やった。しばらくすると、バイクの警察官が二人来て、距離を置いて牽制し始めた。その後、続々とパトカーが集まってきた。あの家には、昔から暴力団関係者の出入りがあったんですわ。家の目の前には高校もあって、近くには小学校もある。何かトラブルが起きて、住民に流れ弾でも当たったらかなわん。でも、事件に巻き込まれるのが恐くて、誰も声を上げられない、という状況が続いていたんや」(事件を目撃した人物)

たしかに、事件現場は高校から目と鼻の先。さらにこの家が面している道路は普段から地域住民の往来も激しく、場合によっては今回の事件で住民に被害者が出た可能性さえある。

小椋容疑者が現場となった家に住み始めたのは、今年の夏以降。彼には覚醒剤による逮捕歴があるが、今回の事件が起きた際も足取りはふらつき、異常な様子が見て取れる。事実、事件後、小椋容疑者のポケットの中からは注射器が見つかっていた。小椋容疑者の知人は、彼の人柄をこう語る。

「アイツが暴力団の世界にドップリ浸(つ)かるようになったのは15年以上前から。それまでは大阪で半グレのような生活をしとった。普段はあまりベラベラとお喋りするようなタイプじゃない、どちらかというと大人しい性格やったね。頭の回転も速かった。ヤクザの世界で生きるには必要な、損得勘定はできる男やったわ。ただ、どうしようもないシャブ中で、クスリをやめられなかった。嫁と子供もいたんやけど、シャブに夢中になるあまり、ちゃんとメシを食わせる甲斐性もなかったみたいや」

実は、そんな小椋容疑者が今回の発砲事件を起こした現場は、”いわくつき”のエリアにあるのだ。

「あの家は、『任侠山口組』の織田絆誠(よしのり)代表の自宅から200mほどしか離れていない。任侠山口組は昨年4月に神戸山口組から離脱した組員たちで結成された指定暴力団。当然ですが、小椋容疑者が所属する神戸山口組とは浅からぬ因縁があります。それだけではありません。事件が起きた家は昨年9月に起きた織田代表のボディガード射殺事件(4枚目)の現場からもごくごく近い距離にあるんです」(全国紙社会部記者)

緊張関係が一気に加速

さらに、今回の事件が起きた10月23日は、織田代表の誕生日。偶然と言うには、あまりに出来過ぎたタイミングで発生した事件だったのだ。

「現在、関係者の間で取り沙汰されているのは、小椋容疑者のヒットマン説。織田代表の誕生日という機会を見計らって、上から『やってこい』という指示を受けた可能性はあります。じゃないと、拳銃を持ってあんな場所にはいる理由がないでしょう。ただ、自分が織田代表を狙うという重圧に耐え兼ねて、”気つけ薬”のように覚醒剤を使用してしまった。その結果、錯乱状態に陥り、自宅での発砲に至ったのではないでしょうか」(地元紙記者)

山口組は’15年8月に司忍こと篠田建市組長が率いる『六代目山口組』と『神戸山口組』(井上邦雄組長)に分裂。その後、神戸山口組からは任侠山口組が分裂した。そんな背景がある中で、前述のように昨年9月には織田代表のボディガードが狙われ、さらに今回の事件が起きた。暴力団情勢に詳しいジャーナリスト・伊藤博敏氏はこう語る。

「織田代表は神戸山口組と分裂後、井上組長を公然と批判してきた。井上組長にとっては、『織田だけは許せない』というのが本音なのでしょう。井上組長はこれまで織田代表に目をかけて、金銭面でも面倒を見てきた。引き上げてやったのに恩を仇(あだ)で返されメンツを潰(つぶ)された、という思いが強くあるのでしょう」

さらに伊藤氏は”3つの山口組”のパワーバランスについて、こう解説する。

「今夏には任侠山口組と六代目山口組が統合するという話が出ましたが、条件面で折り合いがつかずに白紙になりました。司組長としても、織田代表を受け入れるわけにはいかなかったのでしょう。その後、神戸山口組と任侠山口組が接近しましたが、結局上手くいかなかった。3団体は今、それぞれの微妙な力関係の上で成り立っているのです」

織田代表の誕生日に起きた今回の発砲事件。沈静化していたように見えた山口組分裂騒動だが、水面下では一触即発。開戦前夜の緊張関係は続いているのだ。

小椋容疑者逮捕の瞬間を捉えた動画。警察が玄関に踏み込んでからは、ものの数秒で取り押さえとなった
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“武闘派”として知られる任侠山口組の織田絆誠代表は過去に敵対組織の幹部を襲撃したこともあるという
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昨年9月のボディガード射殺事件現場。頭部を撃たれたボディガードが路上に倒れている
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今年1月、JR新神戸駅に降り立ち、総本部に向かう六代目山口組の司忍組長
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