さらばエーライフ!西麻布の人気クラブが「20年の歴史に終止符」
様々な騒動の舞台になったクラブがついに閉店 最終日には150人が行列を作り、明け方まで嬌声が止むことはなかった……
1月22日の夜11時、寒空の六本木通りに行列がおよそ150人……。この日で20年の歴史に幕を閉じる西麻布のクラブ『エーライフ』の入場待ちである。
「エーライフは’12年に風営法違反による摘発を受けて閉店しましたが、’16年に現在の敷地に再オープン。一般の客からは、いわゆる『ナンパ箱』として、人気を集めていました。ナンパ目的の外国人客も多く、インバウンド需要も大きかった」(テレビ局関係者)
この日は東京に「まん延防止等重点措置」が出た最初の週末だが、ダンスフロアは通る隙間も無いほどの人混み。バーカウンターでは、マスクを外して女性に話しかける男性グループの姿が見られた。20代の白Tシャツにスキニーパンツ姿の男性客が、ビール片手に言う。
「今日閉店って聞いて、初めて来た! 目的?女っしょ。こんだけいるから誰か捕まえないと。いやいや、クラブでマスク着けるなんて恥ずかしいから!」
開店当初からエーライフに来ていたと言う40代の夫婦は、「100回以上通った」と豪語。その夫が回想する。
「妻とはエーライフで出会ったから、大切な場所なので最後に来ました。ここが閉店したら僕もクラブ卒業かな。昔みたいに始発が動き出すまで踊る体力もなくて、早めに帰ります。妻はクラブ依存症なので、また別のところに通うと思いますけど(笑)」
朝5時、気温2度の六本木通りには閉店が名残惜しい客が100人近くたむろし、酒を片手に大声で会話を続けていた。
東京随一の歓楽街の「人間交差点」だった老舗クラブは、コロナ禍にもかかわらず盛大な最終日を迎え、その歴史に終止符を打った――。
『FRIDAY』2022年2月11日号より
- PHOTO:小川内孝行