破局噴火&南海トラフ大地震が日本を飲み込む日 | FRIDAYデジタル

破局噴火&南海トラフ大地震が日本を飲み込む日

Xデーは間違いなく近づいている 小笠原諸島沖の海底火山噴火、トンガでの海底火山大爆発、 日向灘最大震度5強……噴火と地震「恐怖の連鎖」を読み解く

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トンガの海底火山噴火では噴煙が成層圏まで到達した。津波が南米にまで達し、世界的影響を及ぼしている
トンガの海底火山噴火では噴煙が成層圏まで到達した。津波が南米にまで達し、世界的影響を及ぼしている

「トンガの噴火は1000年に一度とも言われる大災害ですが、日本でそれを上回る威力の破局噴火が起きる可能性があることを忘れてはいけません。トンガと日本はともに太平洋プレートの西側の境界線上に位置しています。しかも、日本の海底火山は陸上火山よりも大きい。伊豆・小笠原からサイパンにかけての太平洋プレート境界線上が、破局噴火が起きる可能性がある危険なエリアです」(地球物理学を専門とする武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏)

破局噴火とは火山爆発指数が7以上で、地下のマグマが地上に一気に噴出し、壊滅的な被害を及ぼす噴火を指す。1月15日、トンガの首都ヌクアロファから北約65㎞に位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイで起きた噴火の火山爆発指数は5〜6だった。その際、太平洋沿岸各国を津波が襲った。トンガ全域は火山灰に覆われ、通信が途絶し、いまだ被害の全容は掴めていない。鹿児島大学准教授(火山地質学)の井村隆介氏が言う。

「昨年8月13日に噴火が起きた小笠原諸島沖の福徳岡ノ場も海底火山です。あの規模の噴火が小笠原諸島周辺海域で起きたのは初めてでしたが、調査する前にすべて波で侵食されてしまい、何があったのかは実はよく分かっていません。そもそも日本は火山島に人が住み着いて出来た国です。いつどこで予想を超える噴火に巻き込まれても不思議ではないのです」

日本には111もの活火山がある。小さな島国にもかかわらず、これは世界4位の多さだ。立命館大学特任教授(災害リスクマネージメント)の高橋学氏はトンガと日本の共通点を指摘する。

「トンガはインド・オーストラリアプレートの端にあり、その下に太平洋プレートが潜り込んでいる。日本はフィリピン海プレートの端にあり、同じく太平洋プレートが潜り込んでいるのです。つまり、太平洋プレートの動きが活発になっていることで、境界上にある日本やトンガの火山帯で噴火が起きているというわけです」

高橋氏によると今後、大規模な噴火が起こる可能性があるのは富士山、箱根山、愛鷹山(あしたかやま)と伊豆大島の三原山、そして三宅島、八丈島、十勝岳、摩周。その前兆となるのが口永良部島(くちのえらぶじま)と桜島(’21年4月25日発生)、阿蘇山(’21年10月20日発生)などでの噴火や、紀伊水道周辺(’21年12月3日発生)での地震だという。

日本で破局噴火が起きると、生活はどうなるのか。前出の島村氏が解説する。

「一番最近の破局噴火は約7300年前に鹿児島県南部で起きた鬼界カルデラ噴火です。火山灰は東北地方にまで及び、巨大津波も起きた。津波の痕跡はいまも三重県などに残っています。このときの噴火で西日本の縄文文化が滅びました。いま、日本の陸上の火山で破局噴火が起きれば、列島全土が危機に瀕することは間違いない」

破局噴火よりも危機が目前に迫っているのが南海トラフ大地震だ。前出の高橋氏が警告する。

「トンガの噴火は太平洋プレートの動きに起因すると考えられます。そうなると、今後、フィリピン海プレートが跳ねあがるような巨大地震が起きる可能性があります。太平洋プレートが東から西に動いているために隣接するフィリピン海プレートが押されて、『玉突き現象』が起きるのです。

1月22日に起きた日向灘(ひゅうがなだ)の地震はトンガの噴火と関連しており、ともに太平洋プレートが大きく動いていることが原因です。そして日向灘で最大震度5強の地震が観測されたのは、南海トラフ大地震の前兆現象とも言えます。東京の首都直下地震と南海トラフ大地震が一度に発生する『スーパー南海地震』が近づいています」

日本を飲み込む大災害のカウントダウンはすでに始まっている――。

’16年4月14日に起きた熊本地震では18万棟の住家が被害を受けた。熊本地震もトンガ噴火と同様に太平洋プレートの活動により起きた災害だ
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地震で崩落した道路の下を覗く南阿蘇村の住民。南海トラフ大地震が起きれば、沿岸部に30mの津波が到来し、想定死者数は23万人を超える
地震で崩落した道路の下を覗く南阿蘇村の住民。南海トラフ大地震が起きれば、沿岸部に30mの津波が到来し、想定死者数は23万人を超える

『FRIDAY』2022年2月11日号より

  • 撮影共同通信社(トンガ噴火) 濱﨑慎治(2枚目) 幸多潤平(3枚目)

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