独自分析で判明!『カムカム』『鎌倉殿』視聴者が最注目したシーン | FRIDAYデジタル

独自分析で判明!『カムカム』『鎌倉殿』視聴者が最注目したシーン

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
【図1】『カムカム』1月17日放送。徐々に視聴者の興味が高まっているのがわかる
【図1】『カムカム』1月17日放送。徐々に視聴者の興味が高まっているのがわかる

NHKの2つの大型ドラマが好調だ。連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(以下『カムカム』)は、第13週(1月24日〜28日)の週間平均視聴率が18.0%(ビデオリサーチ社調べ)と番組最高を記録。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(以下『鎌倉殿』)の第4話(1月30日)は15.4%と、4週連続で同時間帯(日曜夜8時)のトップとなった。

だが、見ていなくてもテレビをつけていれば視聴率は上がる。視聴者がどのシーンに興味を持ち、どんな場面で関心が低かったかまではわからない。そうした視聴者の注目度を独自に分析しているのが、ベンチャー企業「TVISION INSIGHTS」だ。同社マーケティング・PRの佐野智子氏が解説する。

「関東だと約2000世帯に協力していただき、調査しています。視聴者の顔の向きなどを独自のセンサーで感知し、テレビの前にいる人たちの何%が注目しているか、秒刻みで調べているんです。

顔がテレビの方向に向いていると、そのシーンが『興味を持たれている』と判断。昨年平日朝(6時〜9時)のドラマ平均注目度は63%です。現在放送されているNHKの2つのドラマの結果を見ると、面白い傾向がわかりました」(以下、発言は佐野氏)

オープニングの注目度が低い理由

まず『カムカム』について、1月17日放送分を見てみたい(図1、画像はいずれも「TVISION INSIGHTS」社提供)。視聴率(青い線)はほぼ一定なのに対し、視聴者の注目度(緑の線)は時間帯により大きな差があることがわかるだろう。最も注目されたのが、番組終了直前の8時13分で注目度は70%だった。

「オダギリジョーさんふんする錠一郎が、深津絵里さんが演じるるいのもとを訪ねるシーンです。関西一のトランペッターを決めるコンテストの直前という、物語が盛り上がる場面。観覧のためにクリーニング店を閉めようとしている深津さんのところに、オダギリさんが現れます。

髪型も服装もビシッと決まっていますが、オダギリさんの胸にはケチャップのシミが……。ステージ衣装のままホットドックを食べ、ケチャップをこぼしてしまったという設定です。緊迫した場面でのコミカルな演技が、物語に膨らみを持たせ、視聴者を惹きつけたのでしょう」

一方、注目度が一番低かったのが放送開始直後の8時2分で48%だった。

「オープニングは毎回同じで、視聴者は主題歌も聴き慣れていますからね。自然と注目度は下がります」

【図2】『カムカム』1月21日放送。オープニングは見慣れて関心が低くなりがち
【図2】『カムカム』1月21日放送。オープニングは見慣れて関心が低くなりがち

同様のことは、1月21日放送回でも言える(図2)。視聴者の関心が最も高かったのは、番組終了直前の8時12分。オダギリが突然、大阪から帰ってきて深津に会うという盛り上がるシーンで注目度は67%。一方、番組のオープニング8時2分の注目度は53%だった。

【図3】『カムカム』初回の昨年11月1日放送で検証した「朝と昼の注目度」
【図3】『カムカム』初回の昨年11月1日放送で検証した「朝と昼の注目度」

「朝ドラは、お昼にも再放送されます。朝と昼で注目度を比較すると、昼のほうが5%ほど高いことがわかりました(図3)。朝は出かける準備をしながらテレビをつけている人が多く、画面に顔が向きづらい。昼は、比較的落ち着いてドラマを楽しめるのでしょう」

『鎌倉殿』初回に2つの山ができた背景

【図4】『鎌倉殿』初回。初めてなのでオープニングが注目された
【図4】『鎌倉殿』初回。初めてなのでオープニングが注目された

次に『鎌倉殿』の傾向を見てみたい。図4は1月9日に放送された、第1回のグラフだ。

「頂点は2つあります。1つ目は番組開始直後の8時4分(74%)。これはオープニングの注目度が低い、朝ドラと逆の現象です。理由は初回だから。視聴者はどんなオープニングなのか、どういった曲がかかるのかワクワクしながら見ていたと想像できます。

2つ目が8時57分(75%)。通常なら次週の予告が終わり、番組も終了となります。しかし当日は、初回拡大版で再びドラマが始まった。視聴者は『何事だろう』と、興味を持ったのだと思います」

関心が低かったのが、開始から15分ほどたった8時14分だ(62%)。

「主人公・北条義時(小栗旬)が、かくまわれている源頼朝(大泉洋)に会いに行くシーンです。重要な場面ですが、全体的に暗い。義時らがヒソヒソと話す会話も、高齢の視聴者には聞きにくかったかもしれません」

【図5】『鎌倉殿』第2回。見慣れたオープニングは関心薄
【図5】『鎌倉殿』第2回。見慣れたオープニングは関心薄

1月16日放送の第2回は、初回と一変する(図5)。オープニングを見慣れたため、視聴者の注目度が開始直後の8時1分に低くなっているのだ(66%)。

「8時12分に関心度が落ちているのは、初回と同じ時間帯です(66%)。物語が進み、視聴者の集中力が低くなるのかもしれません。

注目度が高いのが8時19分(76%)。義時が、姉の政子(小池栄子)を『頼朝に近づくな』と説得します。話題は、頼朝の子を産んだ八重(新垣結衣)についても飛躍。頼朝の乳母・比企尼(草笛光子)ら豪華な出演陣が次々と登場し、恋愛要素も散りばめられています。脚本を手がける三谷幸喜さんならではの、視聴者を飽きさせないシーンです」

注目度でわかる、視聴者の関心と興味。同時に、そのドラマのどこが特長で見どころなのかも一目瞭然だ。視聴率で番組の優劣を判断するのは、もう古いのかもしれない。

  • 画像「TVISION INSIGHTS」社提供

Photo Gallery5

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事