米国射程のミサイル発射…!北朝鮮が狙う「戦争状態」戦慄の中身 | FRIDAYデジタル

米国射程のミサイル発射…!北朝鮮が狙う「戦争状態」戦慄の中身

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北朝鮮が発表した「火星12」発射の様子と「宇宙からの画像」(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)
北朝鮮が発表した「火星12」発射の様子と「宇宙からの画像」(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

北朝鮮が1月30日、今年に入り7回目となるミサイル発射を行った。

だが、今回は前6回とは意味合いがまったく違う。日本や韓国だけでなく、米国まで脅威にさらされることになったのだ。

「前の6回は、音速の5倍(マッハ5)以上で低い弾道で発射される極超音速ミサイルが主でした。最新兵器ではありますが短距離弾です。北朝鮮の技術力が向上したことは判明したものの、いずれも飛距離は500kmほどで、日本列島を超え太平洋まで飛ばすのは難しいでしょう。

しかし北朝鮮の『朝鮮中央通信』は、1月30日に発射したのは中距離弾道ミサイル『火星12』だと発表しています。飛距離は約5000km。米軍基地のあるグアムも射程圏内に入るんです」(韓国紙記者)

「朝鮮中央通信」によると、中距離弾道ミサイル「火星12」は「ロフテッド軌道」という通常より高い角度で打ち上げられたという。ミサイルにとりつけられたカメラにより、「宇宙で撮った地球画像」も公開。弾道の、大気圏突入成功を印象づける狙いがあると思われる。

「今回の発射が脅威となる理由は、他にもあります。北朝鮮は『検収射撃試験』だったと発表。『検収射撃』とは、実戦配備されたミサイルを無作為に選んで性能や安全性を試すことを意味します。事実なら『火星12』が、すでに大量生産されていることになる。米国への攻撃準備が、整いつつあるのかもしれません」(同前)

核実験再開も時間の問題

北朝鮮は17年にも3回、「火星12」を発射している。その様子を視察した、指導者の金正恩氏は「『火星12』の実戦化が現実となった」と発言。翌年4月からは、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射を本格化させている。

「北朝鮮のICBM『火星15』の飛距離は、1万kmに達するといわれます。米国本土ロサンゼルスまで射程圏内に入る。米国にとっては、相当な脅威です。しかし18年6月の金正恩氏とトランプ大統領(当時)の米朝首脳会談により、核実験やICBMの試射の一時凍結が発表されました。

あれから3年半。米国の大統領はバイデン氏に変わりましたが、米朝関係に進展はありません。北朝鮮は経済制裁、新型コロナウイルス、自然災害の三重苦に苦しめられ、国民は疲弊するばかり。融和姿勢をみせてもメリットはないと、判断してもおかしくありません。凍結を破棄し、再び核実験やICBMの試射を行うのも時間の問題でしょう」(同前)

ミサイルの飛距離と性能を伸ばす、北朝鮮の意図はどこにあるのだろうか。狙いは「戦争状態」の創出にあるようだ。『コリア・レポート』編集長・辺真一氏が語る。

「17年の、『朝鮮半島危機』を再現させたいのでしょう。当時、北朝鮮は『火星12』の発射を繰り返し、ICBM『火星15』まで飛ばした。米朝関係は一触即発の状態になり、軍事衝突の一歩手前まで悪化したんです。金正恩氏は『私のテーブルには核のボタンがある』と、米国を恫喝。結局、トランプ大統領との会談を実現させました。

今回も米国の領土を射程圏内におさめるミサイルを発射することで、バイデン政権を揺さぶっています。それでもバイデン大統領が対話の姿勢をみせず制裁を続ければ、北朝鮮は強硬手段に出るでしょう。日本海への試射でなく、太平洋に向けて長距離ミサイルを発射。米国とのレッドラインを超えることになりかねないんです」

米国の「沈黙」により、どんどん先鋭化する北朝鮮。後ろ盾の中国で行われる北京冬季五輪が終了すれば、再びより強力な示威行為に出ると思われる。

  • 写真KNS/KCNA/AFP/アフロ

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