炒飯にハンバーガー…北京五輪話題の「ロボット飯」実食レビュー! | FRIDAYデジタル

炒飯にハンバーガー…北京五輪話題の「ロボット飯」実食レビュー!

本誌特派記者が「北京五輪の真実」を実食レビューします

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フライドポテトを揚げるロボットを監視し、出来上がったものを客に渡す役割のスタッフ。人との接触を減らすのが目的では……?
フライドポテトを揚げるロボットを監視し、出来上がったものを客に渡す役割のスタッフ。人との接触を減らすのが目的では……?

本誌特派記者(35)が北京に到着して5日が経った。今回の北京冬季五輪では「バブル方式」が採用されているため、メディア関係者もホテルや競技場などの外に出ることはできない。必然的に食事もバブル内でしかできないのだが、そんななか、大きくもてはやされているのが「ロボット飯」だ。

バブル内生活のオアシスであるメディアセンターの食堂
バブル内生活のオアシスであるメディアセンターの食堂

「ロボット飯」とは、五輪のメディアセンター内の食堂で、機械が調理してくれる、あるいは自動で運んでくれる食事のこと。各メディアで報じられている、機械が鍋をふるい、それが天井から降りてくる「ロボットチャーハン」の動画をご覧になった方も多いだろう。だが、同時に多くの人が「これ本当に美味しいの……?」と思ったはずだ。今回、本誌記者がそんなロボット飯を実食して、勝手にレビューさせて頂こうと思う。

第一食 意外と悪くない?「ロボットチャーハン」

まず最初に代表格の「ロボットチャーハン」を注文してみた。価格は40元。日本円で大体720円ほどだ。レジで料金を支払うと、席をすでに取っているか聞かれ、取っていない場合は席を指定される。

注文すると、ここでチャーハンが作られる
注文すると、ここでチャーハンが作られる

15分ほど待っていると、天井に張り巡らされた透明なレーンを通って、チャーハンを乗せたルンバのような機械がやってくる。その後、クレーンのような機械でチャーハンをのせたお盆が降りてくる仕組みだ。

上空から降りてくるチャーハン。周りの客の目をひくので、ちょっと恥ずかしい
上空から降りてくるチャーハン。周りの客の目をひくので、ちょっと恥ずかしい
ときどきゆらゆらしていて、ちょっと怖い
ときどきゆらゆらしていて、ちょっと怖い
これがロボットチャーハン。量はそんなに多くない
これがロボットチャーハン。量はそんなに多くない

さっそく食べてみた。一口食べた正直な感想は「悪くない」というものだった。具は卵以外に、コーン、ニンジン、グリーンピースなどの野菜が入っていて、どれも思ったよりシャキシャキしている。なにより長ネギが想像よりみずみずしくて美味しかった。だが、米はパラっとしているというよりはパサパサしていると言ったほうが近い。味付けは塩コショウで、全体的に少し油っぽく感じた。悪くはないが、もう一度食べたいかと言われると、ちょっとためらってしまう味だった。

第二食 これはオススメできない「ロボット排骨飯」

排骨飯などがずらりと並ぶ
排骨飯などがずらりと並ぶ

甘辛く煮付けた骨付き肉をご飯の上にのせた、いわゆる「排骨飯」に近いロボット飯もある。こちらは機械の中にすでにできあがった大量の排骨飯が並べられており、受け付けをすると、ロボットが運んでくれるというもの。レジで注文すると、QRコードつきのレシートが渡される。それを機械の前まで持っていき、スキャンをすると提供してくれる。しかし、機械の前には人間の係員がいて、客のQRコードを受け取って、スキャンの代行をする。感染対策として、少しでも人と人との接触を減らすという目的なのに、これではあまり意味がないのではと感じた。

ロボット排骨飯。一緒についているのは、タレとザーサイ
ロボット排骨飯。一緒についているのは、タレとザーサイ

ロボット排骨飯の入れ物は土鍋のような器で、中のお米が少しおこげのようになっていて、香ばしくて美味しい。添付のタレは少し味が濃いが、それもかける量を調整すれば問題はない。パックのザーサイもさっぱりしていて嬉しい。だが肝心の肉は可食部分が非常に少なく、ほとんどが骨のようなものだった。これで値段は55元(日本円で約990円)。こちらは、正直、もう一度食べることはないと思った。

ロボット排骨飯の鶏肉バージョン。これは結構美味い
ロボット排骨飯の鶏肉バージョン。これは結構美味い

同じジャンルで鶏肉とキノコを甘辛く煮たものを、土鍋ご飯の上にのせたメニューもあった。こちらはさっきの排骨飯と、上の具以外は同じというもので、全体的に美味しかった。50元(日本円で900円)という価格はやはり割高だと感じたが、オリンピック価格ということで仕方がないということか……。

第三食 日本が恋しくなってきた「ロボットハンバーガー」

ロボットがバンズに次々と肉などをのせていく。わりと昔からある技術な気もする
ロボットがバンズに次々と肉などをのせていく。わりと昔からある技術な気もする

欧米系の報道陣に人気なのがハンバーガー系だ。ビーフバーガー(30元、日本円で約540円)と、フライドポテト(20元、同約360円)を頼んでみた。ハンバーガーは、コンテナにのせられたバンズの上にロボットが肉などをのせていく。フライドポテトは、ロボットがカットされた生のじゃがいもを油が入ったポットの中に入れて、揚げてくれる。油をきる際のロボットの動きがなんともコミカルで、かわいい。

油のポットにジャガイモを入れ、揚がると油をきるロボット。だんだんかわいく見えてきた
油のポットにジャガイモを入れ、揚がると油をきるロボット。だんだんかわいく見えてきた
ロボットハンバーガーとポテト。ちょっとマックやモスバーガーが恋しくなった
ロボットハンバーガーとポテト。ちょっとマックやモスバーガーが恋しくなった

ハンバーガーは、肉の味付けは塩コショウ、そこにマヨネーズなどであえた千切りのキャベツが挟んである。ポテトは、それ自体には味がついておらず、添付のケチャップをつけるように指示された。ポテトはさすがに揚げたてとあって、熱々で美味しい。ハンバーガーは、肉の味が「合成肉」感が強く、バンズもぱさっとしている。正直、ハンバーガーはとても美味しいとは言えない味だ。周りを見ると、ポテトだけ注文している客も多く、その選択が最善だろうと思った。

メニューの一部。全体的に値段はちょっと高め
メニューの一部。全体的に値段はちょっと高め

総じて「ロボット飯」は、残念ながら手放しで美味しいと言えるものはなかった。だが、あくまでこのロボット飯は感染対策が目的なので、味のほうはおざなりになっているのかもしれない。

今回の五輪で中国は「とにかく感染対策をがんばっています」というパフォーマンスを必死にやっている。それはもちろん今大会が国の威信をかけた国家プロジェクトだからなのだが、それで感染者数が抑えられるのに越したことはない。

感染対策への協力の一環と思い、このロボット飯をこれから2週間あまり、毎日ありがたく頂きたいと思う。

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