投手4冠のオリックス山本由伸「メジャー挑戦に高い壁」の特殊事情 | FRIDAYデジタル

投手4冠のオリックス山本由伸「メジャー挑戦に高い壁」の特殊事情

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昨季は文句なしの成績を残した山本。だがメジャー挑戦は容易ではなさそうだ(画像:共同通信社)
昨季は文句なしの成績を残した山本。だがメジャー挑戦は容易ではなさそうだ(画像:共同通信社)

最多勝利(18勝)、最優秀防御率(1.39)など投手4冠に、沢村賞、MVP……。

オリックス・山本由伸(23)の昨季の活躍には、誰も文句はつけられないだろう。パ・リーグ投手部門のタイトルを総ナメ。入団6年目にして年俸は、2億2000万円アップの3億7000万円(推定)にまでハネ上がった。

1月27日の契約更改後には、納得した様子で報道陣へこう語っている。

「評価していただき満足しています。昨年は、チームがリーグ優勝できたのが一番。連覇し、日本一になれるようがんばります。過去の自分を上回れるようにしたい」

さらに交渉の場で、夢のメジャー挑戦をする意思があると表明。球団にも、しっかり伝えたと続けた。

「お互い納得するところまで、話をすることができました。球団には、感謝しています。何か具体的に決まったワケではありませんが……」

「ずっといると考えています」

スグに「何か決まる」状況ではないだろう。メジャーに移籍するためには、(米国以外の)外国リーグに6年以上在籍し25歳になる必要がある。山本には海外FA権はない。球団がポスティングによる移籍を認めたとしても、最短で来年オフの交渉となる。

山本にとって、気がかりな問題は身近にも。オリックスの宮内義彦オーナーが、1月21日の記者会見で次のような発言をしているのだ。

「(2年連続首位打者の吉田正尚と山本の)2人は、ずっと(オリックスに)いると考えています」

山本はチームに必要不可欠な投手。ポスティングでのメジャー移籍を、容認するつもりはないという趣旨にも受けとれる。

「宮内オーナーとしては、オリックスで活躍すればメジャーに行けると思われるのを嫌ったのでしょう。日本での『腰かけ球団』という印象を持たれるのは困ると。確かにオリックスは日本で初めてポスティングを認め、00年オフにイチローをメジャーへ送り出しました。しかし当時のイチローは7年連続首位打者という圧倒的な成績を残し、ファンからの強い後押しがあったんです。

一方の山本は、昨季ズバ抜けた結果を出したとはいえ、2ケタ勝利をあげたのはプロ入りして初めて。全国区の知名度となったのは最近です。宮内オーナーとしては、日本一奪還へ欠かせない戦力。周囲の納得を得るために、少なくてもあと2~3年は活躍して真のエースになってもらいたいのでしょう」(球団関係者)

球団としては、親心もあるのだろう。

「来年はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が予定されています。野球選手にとってWBCは、オリンピックよりもステイタスが上の大会です。一流メジャーリーガーが多く参加し、世界で通用するのかの試金石となりますからね。メジャースカウトも必ず観戦します。

山本が結果を残せば、当然メジャーの評価も上がります。メジャーに挑戦するなら、国内だけでなく世界舞台でも圧倒的な結果を残してほしい。ファンなら、そう考えるでしょう」(スポーツ紙担当記者)

山本は23歳。まだまだ伸びシロはある。一回りも二回りもスケールの大きい投手になって、堂々とメジャーに挑戦してほしい。

  • 写真共同通信社

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